第22話 中国本社の崩壊。

 彼が本気を出しているのは言うまでもなくザッカ―・クックCEOに抹殺されない為の策だと私は感じた。


「やはり、私とアンタは闘う運命にあるようだね。」


「そうだな。ここで負けたら例え生きていてもクック氏に殺されてしまうから貴様を殺すまで俺は戦うぞ。」


「当然、私もこれからアンタと闘ってこの資料を持ち帰りたいからね。」


 当然、ここで私が勝ってこの資料を時彦さん達に見せて持ち帰る使命を感じた。

恩斯エンシン。アンタがここで負けられない理由はあるけれど、私はここで買って情報を持ち帰らないとレイスブック社の木庭や行動が分からないからな。」


「あぁ、良いだろう。なら、俺と貴様で互いに殺しあって俺の命を守るぞ。」


「御意。それでも私はアンタを殺してでも資料を貰うからな。」


 彼をどの道救うのは殺す以外にないと感じた私は如何にレイスブック社のCEOであるクック氏が冷徹で自分の目的の為なら社長であっても殺してしまう態度を持つ事で私は唖然とした。

それでも私は、ここで彼を殺した方が彼の為になると実感した。


「『グロム』。私はこの能力でアンタを殺す。」


「我が、『プロビデンスの王』。世界を変える書物。」


 何、彼の能力は書物を利用した能力なのかい…。

 始めは驚いた私だが、彼が本気で書物を守る為に書物能力を使うとなら私は慎重かつ本気で行かないと任務が達成できないと思い、驚愕した。


恩斯エンシン。時彦さんはどれだけ苦労して能力を得たのか分からないが、『プロビデンスの王』を使用した以上、アンタはレイスブック社の幹部だから私が処刑する。それで良いか?」


「あぁ、かかってこい。俺はあの人の使命を守る為、絶対にここで貴様を殺して見せる。」


 確かに彼は殺戮する人間の目付きをしてきた事から私も本気で攻めないと自身の生命が脅かされると感じた。

 しかし、相手は書物を用いた能力なら私は彼を殺せるか非常に不安だった。

 ましてや彼が資料を用いて攻撃するなら私は慎重に彼だけを攻撃しないと確実に仕留められないと思った。


礼音あやね少梅シャオメイ林美リンメイ灵猫ルンマオ。アンタ達が無事にここへ来てくれると助かる。でも、私が出来るだけ彼を弱らせても絶対に仕留めて見せるから…。

 私は彼を絶対に仕留る決意をした以上、彼を絶対に殺さないとレイスブック社や体内チップに関連する資料が得られないと感じた。


Моя我、 один внезапный грома. 一閃


 私は雷の閃光弾で彼を攻撃してここで彼の心臓に目掛けて攻撃した。


「ほう、俺がその程度の能力で仕留められると思っているのか?舐めんなよ。」


 彼の目付きや言動が急に変わった事で恐らく、本気でこの資料を守ろうとする行為に私は自分の命を守ろうとする意思がはっきりしている。

 ここまではっきりした意思がなければ彼がこんなに資料を守ろうとはしないから。

 だから私も手を抜かずに、本気で戦って資料を得ようと思った。


恩斯エンシン。アンタが正々堂々と攻撃するとは思えないけど、それでも私はアンタと闘い続けて勝利して見せる。」


「あぁ、俺もここで正々堂々と戦って貴様が死ぬか、それとも俺が死ぬかを決めればそれで十分だと思っている。だから、藍那あいな。貴様は俺と本気で戦うが良い。」


 凄い、私と恩斯エンシンの戦いが非常に本気を出して戦っていると思うとこの戦いで本気で勝利すればそれだけの達成感がある。

 そして、この戦いが本気で楽しめるなら、私の能力や体力が自然と元に戻りつつあると感じ、これから彼に対して決着つける技を発動しようと考えた。


「確かに、劝喻クアンユーは俺が殺した。けど、俺はあいつを殺したいんじゃなく、クックという男や株主に文句つけられたら確実に俺が殺されるから、あいつを殺したんだ。」


「そうか。でも、アンタがやった行為は立派な殺人行為だよ。だからこそ正々堂々と戦って勝敗をつけるしかない訳だよね。」


「そうだな。俺がやった事は殺人行為だ。しかし、貴様となら本気で戦えそうだ。破裂的射线ポリエ デ シェシアン。」


 何だ。このヤバい雰囲気は…。

 私はこれを避けなければ確実に殺される雰囲気を感じ取った所為か、破壊光線の攻撃範囲を見て、一気に避ける体制を取った。


「ほう。アンタの書物の中に破壊光線があるとは驚きだ。それで、これで動きが止まらないのも凄いな。なら私も本気で攻めるよ。『Эректронная電子 взрыва 爆音』。」


 ここまで気持ち良い戦いは初めてだ。

 連中は不意打ちなどの手が常習化している事が多いから、気分が悪い戦いが多い。

しかし、彼は正々堂々と戦っている雰囲気を感じた所為か、私は本気で勝っても負けて死んでも良いと思った。


「なら、俺も奥の禁じ手を使わせてもらう。热带炸药リダイヂャヤオ。」


 彼が本気でここの資料を守る決意をしている以上、私は本気で彼を殺すしかなかった。


「確かに、この大量の炎で私は殺されるかもしれない。けど、私の電気は氷だろうが、炎だろうが、水だろうが作り出して見せる。『Грома птика 雷鳥 .』」


 この雷鳥は電気と氷、水で構成された鳥だ。これで最期だよ。

恩斯エンシン…。


恩斯エンシン。アンタと闘うのが凄く気持ちよかった。けど、これで最期だ。」


「貴様。そんなものを俺に向けて攻撃するなんて…。」


「さようなら。恩斯エンシン。」


…俺は終わった。済まない。クック殿…。


 恩斯エンシンは自らがこれで最期だと分かった以上、彼はもう逃げも隠れもしなかった。

 だからこそ、私はここで能力を発動して、彼と決着を着けた。


…でも、俺はこれで死ねて、却って救われた。だからありがとう。藍那あいな…。


 私は、雷鳥で一気に彼を仕留められると感じた所為か、これで彼を仕留めながら一気にケリをつけた。

*********

 それから恩斯エンシンを仕留めた後、私はこれから資料を拝借した。


「よし、これで必要な資料を集めた。後は皆の元へ戻ろうと。」


 私は嬉しながらもこれから礼音あやね達の元へ戻ろうとした。

 すると…、

 バタンッ…。

 私は急に意識を失ったせいか、急激に意識が遠のいた。

******

「大丈夫か。藍那あいな。」


礼音あやね。」


藍那あいな。無事だったんだな。」


少梅シャオメイ。ここは何処?」


「ここは飛行機の中だ。今は、灵猫ルンマオも一緒にモスクワ行きの飛行に搭乗している。」


藍那あいな。アンタが無事で何よりだ。私はレイスブック社に友達や仲間を殺されたからこそアンタの無事なのは凄く良かった。」


 私は皆が私の事を心配している事を胸に秘めながらこれからモスクワに帰る最中だった。

 そしていよいよ、米本社に突入してクックと戦う日が迫っていると私は感じた。

 彼が黒幕なら間違いなく何か犯罪に関与していると感じた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る