第21話 社長はCEOや株主の奴隷。
恐らく、奴を倒した影響でキメラがいなくなっただろう。
つまり、奴が錬成して動かす能力なのはご承知済みという訳か。
なら、これからレイスブック中国本社に突入して情報を得ないとこの体内チップの情報は分からんな。
「なぁ、
「うん、分かっている。体内チップ破壊医師になった私は彼女の居場所がレイスブック中国本社の最上階にいる事は確かだ。けど、
「分かった。
私が言えるのはただそれだけでも、皆がいるからこうしてレイスブック中国本社に潜入できると実感できた。
そしてレイスブック中国本社に到着した私はこれから警備員がいる事を既に分かっているので裏口から侵入する以外に方法はなかった。
「やはり、裏口からしか侵入できる方法はないか。」
「どういう事?」
「レイスブック中国本社などのグローバル企業には警備員が多く常駐している。それ故に警備員の見張りが少ない裏口から突破しないとここを突破出来る方法がないと私は思うから。」
私が言える事はただ、それだけだ。
それでも、裏口の警備が薄ければ確実に最上階に向かえると感じた。
「よし、あそこが裏口だ。」
「
「ありがとう。
「うん、ありがとう。」
私は警備員が案の定、
*********
「はぁ、はぁ。アンタはやっぱり外道だよ。」
「ほう。私が凄く外道という事はレイスブック社の裏側を知っている事だな。」
「そうだよ。でも、アンタは自分の仲間をこんな扱いするなんて酷すぎるよ。」
「酷すぎる…?でも、レイスブック社はある目的が動いているから仲間を殺してでも社内の秘密を守らねばならない。」
「つまり、社内秘密を口実に隠蔽が横行するとはとんだブラック企業だな。この、レイスブック社は…。」
「あぁ、当然だ。レイスブック社のCEOであるザッカ―・クック氏は自分の命より車内の秘密を貫き通せというお題目があるからな。」
レイスブック社がとんだブラック企業なのは明らかになったが、ザッカ―・クック氏については時彦からはある程度こそ聞いたものの、果たして彼は一体、何者だろうか?
少なくてもWASPの影響を受けた人間なのは間違いない。
ユダヤ陰謀論に出てくるユダヤ人の多くは偽ユダヤ人であり、ユダヤ教ですらない。
つまり、偽ユダヤ人というのは異端プロテスタントの事を表している。
だからこそ、ユダヤ陰謀論にはまり込むと非常に危険な思想に乗っ取られるのは至極当然だといえる。
私はこの異端プロテスタントこそ、μチップなどを製造している大元だと思っている。
つまり、ユダヤ人は異端プロテスタントに標的にされない為の口実に過ぎない。
私はこの言葉を肝に銘じながら異端プロテスタントが監視社会などを進めている事を考えると、確実に彼らを一掃する必要があると感じた。
「はぁ、はぁ。だとしたら、アンタはユダヤ人を装った異端プロテスタントなの?」
「そうだ。俺は中国本社の社長で異端プロテスタントの信者である事は間違いない。だが、君にこの情報を知られたら俺は逆に殺されるんだ。」
殺される…。
まさか、レイスブックCEOのザッカ―・クック氏に何か口封じの口実を作られたの?
私は彼がザッカ―・クック氏に何か彼自身の不都合な情報を握られているかもしれないと私は感じた。
「ふふふっ。君には結局、俺があの男の奴隷になっている事には変わりない苦労を知らんだろう。あいつと米国の株主が次々と俺の指針に反発して非常に嫌なんだよ。」
「
「あぁ、その気だ。俺と貴様で本気の戦いを見せて俺を解放してくれ。行くぞ。『プロビデンスの王』。」
私は彼がプロビデンスの王を発動した事で彼と私の決戦が始まった。
少なくとも彼は道徳心があるが、クックに殺されるのを恐れて悪に手を染めざるを得ない状況に陥っている。
そんな彼を救うには殺して救うしかない皮肉さを感じると、社長も結局、株主や
つまり、古今のブラック企業問題の多くは社長でなくCEOや株主が原因なら彼が奴隷になってしまうのは当然の帰路だと私は思った。
「済まない。藍那。この『プロビデンスの王』は基本的に先頭を終えた際、自らの意思の解除を除き、相手を殺すか、こちらが死ぬでしか解除できない。だから俺を救おうとなんて思わないでくれよな。」
「あぁ、私はその気で行くよ。だからアンタが死を覚悟しているなら決して能力を容赦しないから。」
彼が私を本気で殺す決意をした事でこれから私も残っている体力で彼を倒せるか、非常に疑問視していた。
「
「あぁ、良いだろう。俺も『プロビデンスの王』で貴様を殺す覚悟があるからな。」
つまり、『プロビデンスの王』は体内チップの中でも強大な能力を発動する故にどちらが死ぬまで能力を使い続ける訳になる訳か。
私はその話を聞いて、彼が悲劇の末路が来るのは当然だったが、それでも彼が何としてもここにある資料と自身の命を守る覚悟があると感じた。
つまり、ここで資料を奪われた彼はクック氏に抹殺されちゃう事がはっきりと解るから、余計に負けられないと感じているだろう。
それを肝に銘じて私は一気に彼との戦闘がいよいよ幕を開けた。
早く、礼音たちがここへ来てほしいと願いながら…、
私は彼と戦うしかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます