第17話 涌康(ヨンメイ)の罪状。

「アンタはそれだけの犯罪行為を行ったんだから殺されても文句は言えないな…。」


「うぅ、分かった。俺は完全に敗北した。」


「だ~め。そうやって命乞いする奴がいるから死んで詫びないとアンタみたいな奴はいかんからな。」


「そんな。」


 当然だよね。

 シン・涌康ヨンメイが行ってきた体内チップを少女の頭に搭載して身体の残す事を引き換えに頭を殺す商品をただで販売してきた事は大きな大罪だと思う。

 当然、礼音あやねはそれを許さないからこうした行為に対して凄く非難するのは至極当然だと思うの。

 私は彼女がこんなにも凛々しくて『マジカルガールパッチ』や『レイスブック』に憎しみを持った感情がこんなにもすさまじいとは思えなかった。

 だが逆に、彼女がこの様な感情を抱いているからこそ彼女は『マイクロチップ』を破壊し、『レイスブック社』を破壊する使命を持ったと私は感じた。

 つまり、私には覚悟が足りなかった。

 足りなかったからこそ、礼音あやねと違って抵抗していただけかもしれない。

 そんな私自身に嫌悪感を抱くのは当然だと理解した。

******

 そして、現在は彼は生首となってモスクワ中華街広場で晒し首となっていた。

当然、彼の罪状からすれば当然、この報いはあって良いと思った。

 そんな中、私は少梅シャオメイちゃんと林美リンメイちゃんにある事を提案しようと思った。


少梅シャオメイ林美リンメイ。君達はこれからモスクワ大学まで来てくれない?そうすれば、この電子部品は私が特殊な袋で回収した後、君達にあって欲しい人がいるけど、大丈夫かな?」


藍那あいな。君が優しいからこうして私達を救えたのだと思う。」


 私はそんなに褒められる行為をしたのか分からないながら、私の頬が凄く赤くなり凄く照れてしまった。


藍那あいな。私と少梅シャオメイの殺し合いから救ってくれてありがとうな。私もこうしてくれたおかげで凄く助かったから…。」


少梅シャオメイさん。林美リンメイさん。私が出来る事はあまりないよ。けど、私はアンタ達は会って凄く良かったと思うよ。」


「そうだな。藍那あいな。とにかく、モスクワ大学まで私達も同行するからね。」


 それから私はモスクワ中華街駅Станция Китая Города.からモスクワ大学のあるウニヴェルシチェート駅まで彼女達と同行するようにした…。

*******

「おぉ、藍那あいな礼音あやね。話は聞いているぞ…。シン・涌康ヨンメイというアメリカの『レイスブック社』と関わっていた奴を殺した話を聞いている。」


「時彦さん。私はシン・涌康ヨンメイの部屋から大量の体内チップが見つかったけど、これについてどう思んだ?」


 私は体内チップ専用の回収袋からμチップを回収する事にした。


「うわ~。凄く多いな。でもこのμチップは皆、パッチや注射器みたいな感じがするだろ。」


「確かに…。」


涌康ヨンメイが、体内チップを販売していたのは恐らく、彼が元レイスブック中国本社の元社員だった影響があるかもな。」


「『レイスブック中国本社は本当にあるの?」


「あぁ勿論、本土には事業部すらない。香港だったらあるがな。」


「香港って確か中国本土でありながら英語を公用語にしている地域の事?」


「そうだ。英語を公用語にしている地域はこの様な体内チップを裏で販売する拠点になっている事が多い。英語に限らずフランス語もな。」


「そんなぁ…。」


 私は凄くショックだった。

 アメリカ政府がここまで盗聴や人の身体を操作する行為に及ぶなんて私は非常に許せなかった。

彼等は人の人権をどう思っているのだろうか?

私には非常に彼等が不愉快だった。

 だからこそ、私はこの様な悲劇を止める為、レイスブック社の闇を明かす決意をした。


「時彦さん。私はこれから香港へ行かせてくれませんか?」


藍那あいな。急にどうした?」


礼音あやね。黙ってて…。」


 私は香港に行かなければレイスブック社がどんな行なっているのか分からなかった所為か、これから香港へ行って『レイスブック社』の中国事業部に潜入するしかないと決心をした。

 当然、市場規模の大きい中国の中でも英語圏の影響が強い香港なら彼らの拠点になっているなら何かある。


「待て。私や少梅シャオメイにも行かせてくれ…。私達もこれから香港へ向かって『レイスブック社』を討伐する。」


「そうか。少梅シャオメイ林美リンメイも香港へ行きたいんだな。なら、俺の契約書に体内チップ破壊医師の契約書に署名してくれ。但し、契約書をしっかり読んでの代償だけはキチンと理解してくれよ。」


「分かった。」


「凄い。少梅シャオメイ林美リンメイは本当に中国の事を思って『マジカルガールパッチ』を製造元になっている香港の『レイスブック社』中国本社に潜入してもらいたい。」


「了解。」


 私は少梅シャオメイちゃんと林美リンメイちゃんが本気で中国の事を思い、香港にある『レイスブック社』中国本社に突入する決意から私も連中を取り締めようと感じた。

 でないと、『レイスブック社』の暴走を止められないからね。

 それから少梅シャオメイちゃんと林美リンメイちゃんは契約事項をよく読んで契約書に署名し『体内チップ破壊医師』となって行った。

*******

 それから翌日…。

 モスクワ大学へ向かった私と礼音あやねは時彦さんの部屋に入り、これから香港の件について話す事にした。

 当然、少梅シャオメイちゃんと林美リンメイちゃんも『レイスブック社』と香港の件について説明する為、この部屋に既にいた。


「貴様達4人はここまで来てくれて凄く有難いと感じた。それ故にこれからレイスブック社の中国本社の所在地と最寄り駅が見つかった。まず、香港国际机场シアンガングオジジチャンから机场快线ジチャン クアイ シアンから机场站ジチャン ヂャンに出てそれから中环站ヂョン フアン ヂャン近くにある『レイスブック社』の中国本社がある。中国名で种族唱片ヂョンズ・チャンピアン有限公司ヨウシアン・ゴンシ中国总ヂョングオ・ゾン公司大楼ゴンシ・ダロウと書かれているビルがあるからそれを参考に行くと良いぞ。」


「了解。」


「分かったなら、明日。シェレメーチェボ空港から香港行きの飛行機があるからそれに乗って行くように…。」


「了解。」


 私はこれでシェレメーチェボ空港から香港国际机场シアンガングオジジチャンまで飛行機で登場する事は大きな意義があると感じながら、今日は礼音と共に時彦さんが提供したアパートで1日を過ごした。

*******

 それから翌日…。


「よし、礼音あやね藍那あいな。そして少梅シャオメイ林美リンメイもいる。貴様達4人はこれから香港行きの搭乗券と香港地下鉄1日乗車券3日分の香港ドルを提供する。」


 と時彦さんが私に香港行きの搭乗券と1日乗車券3日分195香港ドルが渡された。

  これで私は本格的に『レイスブック社』に潜入する事になる。

 そう感じた時、いよいよレイスブック社との戦いが始まると思私の使命を改めて感じ取った。

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