第9話 頭のない妹と、μチップ事故。

 私は頭のない女性を多くいた時、何で頭だけ失っているのか私には良く解らなかった。

 だが美次みつきさんと同様、頭が死んでいるのに身体だけ生かされているのはどうしてなのか良く解らなかった。

 頭だけ存在せず、身体は死んでない…。

 その事に不気味さを持った私はμチップがこの事件の原因だと判断できた。

 けど、礼音あやねにはそれは眼中にない事を彼女は知ってなのか、彼に向かってある事を語り始めようとし…。


「時彦。ところでこの詳しい契約書にはμチップだけを破壊する能力があるのは分かるが、どうしてあんたはそれを契約した?」


 既に礼音あやねは周りの首なし女体には眼中になく、体内チップ破壊医師の件について既に時彦と話していた。


「あぁ、体内チップ破壊医師はμチップに身体を埋められた人間を体内チップだけを破壊する能力者だ。だが、μチップを破壊してもお前らの身体の細胞は既に老いと死を奪われているだろう。」


「分かった。それで、体内チップ破壊医師になるとどんな利点と欠点、副作用があるんだ?」


 凄い、礼音あやねは既に周りの頭のない少女達を気にせず、既に体内チップ破壊医師になる事で利点、欠点、副作用について素早く質問した。

 どんなものでも一長一短があり、特に機械系はそれがより顕著になる事は間違いない。

 だから、礼音あやねは欠点、利点などを質問しこれからそれらを解明しようとしていたと思った。


礼音あやね。貴様は十分に賢い女性だ。体内チップ破壊医師になれば、契約されμチップだけを破壊する能力の他、相手の意識を一時的に落とす能力が備えられる。但し、欠点としてФСБなどに貴様達の行動が読まれる他、契約違反行為すると左胸の烙印の影響で凄く苦痛を味わう行為を忘れるな。」


 えっ、体内チップ破壊医師は契約すると左胸に烙印が出るの?

 それで、契約違反行為をすると左胸に凄く痛みが伴うのは何でなの…。

 左胸には確か、心臓などがあるけど、それを利用するのはなんか腑に落ちないな。

 私はこれだけ知っているだけで怖いのに、礼音あやねはそれを覚悟で体内チップ破壊医師になろうとしている。

 この差はどうして現れるのだろうか?

 私にはどうしても礼音あやねの行動に理解できなかった。

 彼女はμチップ破壊医師になりたい理由は何故だろう?

 私は彼女がこの件で冷静に交渉している話を見るとこの時の礼音あやねは人間味が欠けていた。

…礼音。アンタはこんなにもμチップ破壊医師になりたい意思があるなんて…。

…ダメダメ。

…私がそんな表情していたらきっと礼音あやね怖気おじけづいてしまう。

 だから、私も時彦ときひこさんにμチップ破壊医師の副作用などについて質問する事にした。


時彦ときひこさん。」


藍那あいな…。貴様が直ぐに話せる姿勢になったが、大丈夫か?」


「うん、礼音あやねが凄くμチップ破壊医師になりたがっているのはμチップを破壊して世界征服を止めたいからでしょ。」


藍那あいな。私が体内チップ破壊医師になりたいのは『レイスブック社』による世界征服を止めたいからだ。そこを勘違いするな…。」


「だから、私もμチップ破壊医師になったら左胸の烙印以外の話もしても良い?」


 私が言える範囲ではそれだけしか言えなかったが、それでもμチップを破壊したい私は礼音あやねに負けちゃいけないと思い、時彦ときひこさんに質問した。


藍那あいな。貴様の気持ちが良く解った。それで貴様達に見せたいものがあるが大丈夫か?」


「勿論、大丈夫だ。時彦ときひこ。」


時彦ときひこさん。私は大丈夫だよ。」


「そうか。なら首がない事で驚かないでよ。」


 恐らく、首のない少女の1人がここに来ると思うと覚悟した私は彼女達の首がない事は既に慣れているせいか逆に怖くなかった。

**********

美佳みか。早く来い。」


 彼女達に俺がマイクロチップ破壊医師になった理由を説明する為に俺は美佳みかの胴体を読んで事情を説明する事にした。


「うっ。これが私達に見せたかったものなの。」


「そうだ。俺の妹である美佳みかは俺とレイスブック社が開発した『マジカルガールパッチ』で遊んでゲームに負けて頭を失ってしまったんだよ。それが俺にとっては凄くショックだった…。」


「そうなんだ。美佳あたまさんの頭を失った事は、即ち頭だけは死んで身体は永遠の命に与える事になるんだよね。」


「そうだ。彼女はこれからもずっと頭を失いながら生きてゆくしかない。これはμチップを頭に埋め込まれ、細胞を変えられた俺の妹の末路だ。」


 俺の妹である美佳みかを救えなかった事に非常に後悔していた。

 俺がこんな野蛮なμチップを開発していなかったら美佳は無事に生きる事が出来て、死もちゃんと来るのだと。

 だから藍那あいな礼音あやねにこの事を見せたかったんだと感じた。

**********

 私は時彦ときひこさんの妹である美佳みかさんの身体をじっくり観察する事にした。

 頭は確かにないのは見た目でも感じられる。

 けれど、胴体に関して私はその感触を触ってみた。

 胸、お腹、お尻を触っても死人とは思えない程の柔らかさ。

 そして死臭が出てこない事からも彼女の身体は頭を失っても生きているとつくづく私は感じてしまった。

 そして彼女の胸はDカップ位の大きさがあり、おヘソは底が浅くて内側も胡麻が溜ってなくて凄く綺麗だった。

 クビレもしっかりあり、お尻も凄く綺麗な形だった。

 彼女の身体は確かに頭が死んだこと以外は生きている人間と変わらなかった。


時彦ときひこさん。この身体を観察しても良い?」


「あぁ、俺の妹みかの身体の事だが、観察するのは良いぞ。。」


「分かった。」


 私は彼女の身体を腸の音や心臓の鼓動、抱いた時の感触を調べると彼女は頭を失ったとき以外は生きた人間と変わらなかった。

 そう、恐らくμチップで身体には多くの脳細胞が埋め込まれ、脳がなくても生きれる様、賢くなったのが何よりの証拠なのだろうと私は思った。


藍那あいな。そんなにみかの身体を弄っては…。」


礼音あやね彼女みかの身体を触ってお腹の音を聞いてみ…。」


「分かった。藍那あいなが触りたいなら私も触るよ。」


 藍那あいな彼女みかの胴体が触るのに抵抗しながらも、間違いなく彼女みかの胴体に凄く興味を持っていた。

 私は女子高生だが、女の子の身体は凄く好きだよ…。

 好きだからこそ、胴体にメス入れる事や解剖かいぼう切断せつだんなどは凄く抵抗感があると私は感じた。

 特に首から下に傷や切断する容疑者を私は決して許さない。

 それは女の子の胴体を残したい私や時彦ときひこ礼音あやねも同じなのかもしれない。

 私は、美佳みかの身体と美次みつきの身体を比べながら彼女達の腸の音や感触、匂いなどを改めて確認した。

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