第6話 契約するか否か…02。
何故なら、彼はアメリカのIT大手『レイスブック社』の元社員でそこから発売されてる『マジカルガールパッチ』というμチップソフトに関する情報をロシアに亡命してからスタードに情報を漏らしたからだ。
無論、彼はアメリカ政府から指名手配され、『レイスブック社』の社員が彼を狙い撃ちにされている青年なんだなと感じた。
だから、彼からその情報を私たちに提供した事で、私は『マジカルガールパッチ』の実態を知るようになった。
そのお陰で私は『マジカルガールパッチ』を止める為に、μチップ破壊医師になるか、ならないかを選択されている最中だった。
「では、
「わかりました。」
とうとう、私のスピーチが始まろうとしていた。
何故なら、私は時彦によって
ただ、μチップの能力こそなくなったものの、μチップによって書き換えられた細胞は私達の身体の治癒力を上げ、不老不死になった。その一方、頭部、特に脳がやられやすくなっている事を時彦から聞いたので少し不安になった。
それでも今、私が出来る事は美次さんの身体の前で私が時彦から伝えられた事を言わなければならないと感じた。
「皆さん。私は彼女の頭部だけが亡くなった理由について説明します。」
「えぇ、彼女の身体が無事に動いている理由について話してくれるんだ。」
皆の前で話す事は凄く緊張する。
けど、時彦が私に対して美次の頭部喪失について話す為に、この圧力を乗り越える以外になかった。
「はい。私はある人から美次の頭部が亡くなった理由について説明します。」
「おぉ~。」
確かに皆が私に凄く期待しているのはありがたい。
ここにいる参列者の多くは美次の同級生の他、IT企業の社員も多くいる。
彼らもITに対しては肯定的に捉えつつも、μチップを体内に埋め込むことに対して凄く抵抗があるだろう。
だから、μチップの件をここにいる皆に伝えたかった。
「彼女、豊島美次は米IT大手『レイスブック社』が開発したμチップ、『マジカルガールパッチ』によって頭部に埋め込まれ魔法少女にされた挙句、デスゲームを仕組まれていました。」
私は言えるだけ言おうとする。
「そして、私と礼音がスターリンプラザから石川町駅に向かおうとした時、彼女は謎の女子大生に『マジカルガールパッチ』のバトルを仕掛けられ敗北し、頭部は亡くなってしまったんだ。」
「…。」
ここにいる参列者は皆、驚いている。
勿論、私は分かっているよ。
彼女の身体は棺になく、棺も頭だけが入る小さな箱だった。
更に身体の方は、普通に遺族席に参加しているのだから彼女が参加するのを驚くのは無理もない。
けど、彼女の身体が未だに無事でいられる事に妙な不気味さを私は感じた。
何故、身体は不老不死が与えられるのに頭部は簡単に死んでしまうのか?
そして、その頭部は葬式前に脳みそとそれ以外の頭部は別々にされている。
なら、脳みそだけの火葬も物理上は可能になる。
つまり、頭部が腐るというのは嘘であり、脳みそが腐るから頭部が腐るようになるだけであり、脳みそを摘出すれば彼女の頭部も永遠の生首として残される。
そして、『マジカルガールパッチ』参加者の頭部の遺体は火葬されるのは脳みそが腐る事、顔がある事で証拠が見つかる危険性が高くなる為、それを隠蔽する為に火葬をさせる事が原因じゃないかと感じた。
当然、身体は不老不死を得させる事で身体だけの生を与える事で身体は安心して過ごせる。
それの良し悪しは別としてその話を聞くと私や礼音が仮に『マジカルガールパッチ』を脳みそに埋め込まれているなら確実に頭部が火葬されていたに違いないと感じ、身体から鳥肌が立ってきた。
だから私はその事を知った事で、ここにいる参列者に対してある事を伝えたかった。
「で、『マジカルガールパッチ』の開発者は
何だろう。
真実を言っただけなのに何か物騒な予感がする。
「どういう事だ。あの時彦がアメリカを裏切ってロシアに逃げただと…。」
確かに日本ではロシアに対してはあまり良い目をしていない。
けどロシアは、日米韓はおろか、カトリックの国よりも男女平等で女性の事を大事にする事は知られていない。
そして、μチップやインターネットをアメリカ政府が盗聴している事を知っている為、容赦なく批判できる。
その批判精神でアメリカ政府や国際機関の裏情報を探る事が出来たんだと私は感じた。
だから…、
「皆さんは、組織などのしがらみから内部告発は難しいと言えるでしょう。特にその国の権力を批判で来ても国際機関を批判できない事は批判すれば何処の国からも職を失う事を皆が恐れているから…。」
「成程。確かに…、でもただ単に企業の内部告発しても国際機関を暴かないと実は労働環境を改善できないと思うんだ。」
「ありがとうございます。時彦はブラック企業『レイスブック社』を批判した事でアメリカや西側諸国から職を失いました。けど、海外は欧米や韓国ばかりではなく中国やロシア、イランなどのアメリカを批判する国だって多くあるのです。そこで職を得られれば無理に欧米に渡航して偽りの良質労働を詐称するより良いと時彦は語っています。」
私は本気で時彦の経緯を皆の前で話、それが納得できるまで話すしかなかった。
すると…、
「よくぞ言ってくれたぞ。藍那様よ…。」
「あなたは、」
そこに現れたのはとあるIT企業のお偉いさんだった。
そして、私はそのお偉いさんにある事を告発した事で私はμチップ破壊医師になる事を決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます