2ページ
バラをお酒にする、と言うのは実はそんなに難しいことではない。家庭でもバラリキュールを作ることは出来るし、製造販売もされている。
問題なのは今うちにバラリキュールがないことだ。週末に切れてしまって、今発注中なのだ。しまった、こんなことなら在庫をちゃんと確認しておくんだった。なんて後悔している暇はない。
ローズカクテルをオーダーしたのは、何度か足を運んでくれている男性客で、今日は付き合って二年になる彼女と来てくれていた。今日がその二年記念日らしく、彼女バラ好きだから、どうしてもローズカクテルを飲ませてあげたいらしい。(ローズカクテルをネットで検索したらしい)
生花のバラも入れて欲しいとわざわざ購入して用意していた。しかも今日は指輪のプレゼントもするらしいし。そんな大事な場面なのにリキュールがないからと断ることなんて、ナンセンス。バーテンの誇りが許さない。
どうにか彼女にローズカクテルを出さなければ。
「リキュールがないので純粋なローズカクテルにはなりませんが、ご期待に沿えるよう努力いたします」
「よろしくお願いします」
彼女がお手洗いから戻ってきた。何食わぬ顔をしてバラを見えないところへ置いた。
はて、どの酒に合わすのがいいだろうか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます