第7話 悔い

雨は降り続く。

その勢いは、衰えるどころかさらに酷くなっているようにも感じる。


「すぅ……すぅ……」


そんな中、冷たい地面の上でアライさんは寝息を立てていた。


「……」


私はその気の抜けた顔をじっと見つめる。


「……さっきまでの乱れようが嘘みたいだね……」


穏やかで、そして愛らしい寝顔。

さっきまであんなに淫らな声を上げていたとは到底思えないほどだ。


―――私はついさっき、アライさんに"治療"を施した。

得体の知れない苦しみから一刻も早くアライさんを救い出すための"治療"だ。

深い意味はない。

私は私ができることを精一杯やっただけに過ぎない。

それなのに、何故。




―――――――こんなにも胸が痛いんだろう。




そんなことを思っていると、すぐ横から寝息ではない声が聞こえてきた。


「…………んぅ………ほぇ……?」

「……お、目が覚めたみたいだねー、アライさーん」

「…あ、フェネック、おはようなのだ……?」


寝ぼけまなこのアライさんがふわっと返事をする。

まだ少し疲れているようだ。


「何だか体が重いのだ……、ふぁあ………」

「まだ寝ててもいいよー?」

「だ、大丈夫なのだ」


アライさんはゆっくりと体を起こす。

……一応服はしっかりと整えた……筈だ。

服という概念を知ってからしばらく経つけど、取るのはいいが戻すのは今だに苦手。

ボタンやらリボン結びやらと、かばんさんにはしっかりと教えてもらったはずだけど、なんとも面倒な仕組みだ。


「……何でアライさんはこんなところで寝てるのだ?」


早速ド直球の疑問がアライさんの頭に浮かぶ。

私は少しびくっとしたが、続く発言でホッと安堵した。


「……よく覚えてないのだ……、雪山に行く途中で具合がすごく悪くなって、そこから全く記憶が無いのだ……」


予想外、かつ都合のいいことに、アライさんは私の治療行為を全く覚えていなかった。

記憶を残す余裕が無かったのか、あるいは最後の衝撃で全て飛んだのか。

……まあそれはどうでもいい。

終わりよければ全て良し、だ。


「アライさんずっと寝てたからねー、覚えてないのは当然だよー」

「そうだったのか……、心配かけたのだ、フェネック」

「そういえばー、身体の調子は大丈夫ー?」

「……忘れてたのだ、…………あれ、何ともないのだ……」


どうやら"治療"は成功したようだ。

あんなに辛かった苦しみが嘘のように取れていることに驚いている。


「ずっと寝てたからねー、きっと疲れが溜まってたんだよー」

「……そうなのか……アライさんは疲れてたのか……」

「最近ずっと眠れてなかったみたいだしー、ずっと無理して走り回ってたからねー」

「………」


突然アライさんが黙り込んでしまう。


「……アライさーん?」

「ふ、フェネックぅ……っ」


その声は、涙で濡れていた。


「良かったのだ……、もうダメだと思ってたのだ………ぅうっ…」

「アライさん……」

「もう、フェネックと……かばんさんと……みんなと二度と………会えないって思ってたのだ………!」


大きな不安が解消されたこととその喜びで、アライさんの感情が爆発した。

大粒の涙を流し、自らの頬をつねりながらアライさんは続ける。


「……痛いのだ……夢じゃ…………ないのだ……」

「大丈夫だよアライさーん、私はずっと傍にいるからさー……」

「フェネック………ふぇねっくぅぅぅぅぅううあああああああああぁぁぁああああ!!!」


そして、ついに決壊した。

溜め込んだ思いが涙となり、あふれ出す。

アライさんは、こんなになるほどの苦しみを一人、誰にも知られないまま抱え込んでいた。

限界まで、倒れるまで。


泣き崩れるアライさんを私はそっと抱き寄せる。

ずっと傍にいる、それは私の紛れもない本心だ。


「アライさん、がんばったねー……」


私の胸の中で泣き続けるアライさん。

その涙が枯れ、疲れてまた眠るまで、私はアライさんをやさしく励ました。


その姿を見て私は思った。

私のしたことは間違っていなかったんだ、と。

アライさんを、この手で守ることができたんだ、と。

そして―――――




―――――のもきっと気のせいだ、と。




――――――――――――――――――




雨はまだ降り続いている。

空はすっかり暗くなり、昼行性のフレンズなら動くのを躊躇うことだろう。




しばらくして、泣き疲れたアライさんは再び眠ってしまった。


今日は色々なことがあり過ぎた。

流石のアライさんも今日はもう起きないだろう。

……ということは、今日はここで雨を逃れながら夜明けを待つしかないようだ。


「雨が止んでたら背負っていけるのになー……」


どうしようもないことだ。

雨の中アライさんを背負って歩いて、もしそれで風邪を引いてしまったらまた今日のことを思い出してパニックに陥るかもしれない。

大げさかもしれないが、もう私はアライさんのあんな姿を見たくはないのだ。


仕方がないので、私も少し仮眠を取ることにしよう。

そう思い、岩の背中を預けて目を閉じる。




……と、その時、聞き覚えのある音が微かに耳に届いた。

それはこちらにどんどん近づいてくる。


これは――――――ジャパリバスの音だ。


やがて、バスから発せられる光の先端が遠くに見えた

どうやら雪山のほうから来て私たちと反対方向に向かっているようだ。

流石に暗いからか、私たちの存在には気付いていない。


バスに乗れば、熟睡するアライさんを雨に打たれずに運ぶことができるだろう。

そう考え、私はバスの方向に向けて「おーい」と呼びかけた。

雨の降る静かな夜の森に、私の声が響く。

すると、耳の良い彼女がこちらの存在に気付いたのか、元気な声が帰ってきた。


「今のフェネックの声だよね!どこにいるのー?」


さらに、遅れて落ち着いた声。


「フェネックさーん、どうしたんですかー」

「とりあえずこっちに来てくれるとたすかるなー」

「分かりました!今行きますねー!」


そのあと、「ワカッタヨ」と無機質な声がかすかに聞こえた後、眩しい光が私たちのいる岩陰を照らした。




――――――――――――――――――




かばんさんとサーバルが乗ってきたバスに乗り込んだ私は、ひとまずアライさんを木の寝床に寝かせた。

起きる気配は全くなく、このまま本当に夜明けまで起きないだろう。


「……でも、どうしてフェネックさんたちはあんな場所にいたんですか?」

「いやー、私が休憩しようって言ってそこの岩陰に入ったらさー、急に雨が降り始めちゃってー」


とりあえず私はとの場の雰囲気に任せて理由を取り繕う。

しかし、かばんさんは今の状況からうっすらと気づいているようで、何かを察したような顔で私とアライさんを交互に見ていた。

でも、かばんさんもそこで真実を暴露するほど畜生ではない。


「……事情はあとで聞きますね……」

「……ありがとうかばんさん、助かるよ……」


こっそり私に耳打ちをしてくる。

やっぱり大体のことは察してしまったようだ。

言ってはなんだが、流石だ。

その時運よくサーバルはこちらに目を向けていなかったが、耳がいいおかげで微かに耳打ちが聞こえていたようで首をかしげながら問いかけてくる。


「どうしたの?なにかあった?」

「何でもないよー」

「そっか!、もし何かあったら私にも手伝わせてね!」


……サーバルは疑うということを知らない。

純粋で真っ直ぐなところが、アライさんとよく似ている。

……悪く言えば、扱いやすいとも言うけど。


「カバン、コレカラドコニ向カウ?」


突然、かばんさんの腕に取り付けてあるボスが抑揚のない声でかばんさんに問いかけた。


「そうですね……、アライさんをゆっくり休ませたいことですし、雪山に引き返しましょう」

「ロッジじゃだめなのー?」

「確かにそっちの方が近いですけど、雪山にはなにより温泉がありますから」

「ははー、なるほどねー」

「結構疲れてるみたいなので、温泉にでも浸かってゆっくりしてもらいましょう」

「アライさんも行きたがってたし、ちょうどいいかもねー」

「わーい!おんせんさいこー!」

「分カッタヨ、カバン。行キサキハ、雪山地方ノ温泉ダネ」

「はい、お願いしますラッキーさん」


そう言ってかばんさんは運転席に座る。

しかし、かばんさんが自ら運転するわけではない。

ボスが『はんじどーうんてん』とかいう力で運転するらしい。


「出発スルヨ」


そんな声が聞こえると、バスは小刻みに振動した後ゆっくり走り出した。


「距離も結構ありますし、フェネックさんも少し休んだらどうですか?」


かばんさんが粋な提案をしてくれる。

ちょうど仮眠を取ろうとしてた時にバスが来たおかげで、身体は寝る準備ができていたところだ。


「そうだねー、お言葉に甘えさせてもらうよー」


雪山まで道のりは長い。

私は色々あってすり減った精神を休めるべく、眠気に身を預けた。



―――――――――――――――



私は、夢を見ていた。


それは、私が忘れたかった記憶。

無かったことにしたかった記憶。


あの雨の降る夜の出来事。

衝動、刺激、快楽、絶頂。


苦しむアライさんに施した治療行為。

蕩けた顔、肌の感触、声。


私の意思に反して、すべてがフィードバックする。


忘れたいのに。

忘れようとしたのに。


どうして……


なんで……



―――――――――――――――



―――――どれくらいの時間がたったのだろう。

私を呼ぶ声が聞こえる。


「―――――ックさん、着きましたよ、フェネックさーん」

「……ん、………ああ、もう着いたんだー……」


まだ少し疲れの残る体を起こし、まだ少しフラッとする身体をかろうじて支える。

少し肌寒く、辺りは真っ白な雪で覆われている。

ふと、アライさんを見ると、相変わらず熟睡はしているものの少し寒そうに身体を縮こまらせていた。


「早くあったかくしてあげないとねー」

「そうですね、サーバルちゃんはもう行っちゃいましたし、ボク達も行きましょう」

「はいよー、アライさんちょっと失礼ー」


私はアライさんのわき腹に腕を通し、ゆっくりと持ち上げようとする。

でもなぜか、寒いからだろうか体にうまく力が入らない。


「フェネックさん、ボクも手伝いますよ」

「助かるよー、かばんさーん」


かばんさんの力を借り、アライさんを担ぎ上げる。



建物の中に入ると、ギンギツネが出迎えてくれた。


「いらっしゃい、かばんはさっきぶりね」

「遅い時間にすいません、またまたお邪魔しますね」

「いいわよ、いつでも何回でも歓迎するわ」


と、ギンギツネは私たちに担がれているアライさんに目を向ける。


「……アライさん、どうかしたの?」

「いやーちょっと疲れちゃったみたいでさー、爆睡してて起きないんだよー」

「起きてから温泉に浸からせてあげたいと思いまして、それまで寝かせておきたいんですけど……」

「それならちょうどいい物があるわ、付いてきて」


言われるがまま付いて行くと、ある部屋にたどり着いた。

ギンギツネはおもむろに部屋の隅にある引き戸を開け、そこから巨大な分厚い布のようなものを取り出した。

見るからにフカフカで、それは寝るためのものだと直感でわかる。

そう言えばロッジにも似たようなものがあった気がする。

あれとはちょっと大きさが全然違うけど。


「これね、『ふとん』って言うらしいんだけど、この上で寝るととっても気持ちがいいのよ」


そう言って、ギンギツネはその『ふとん』を床に敷いた。

ボク達がその上にアライさんを寝かせている間に、ギンギツネはもう一枚大きな薄めの布を取り出す。

そしてそれをアライさんの上にかぶせた。


「こうやって上からもう一枚薄めのふとんを被せると、もっとあったかくなるのよ」


そう言われてみると、アライさんもなんだか居心地がよさそうだ。

ギンギツネは外の様子を確認している。

外はもう真っ暗で、さんさんと降り続く雪が闇に映えていた。


「そろそろ時間も時間だし、あなた達今日は泊まっていくでしょう?」

「そうですね、そうさせてもらいます」

「じゃあ私はキタキツネを呼んでくるから、申し訳ないんだけど二人でふとんを人数分並べておいてもらえるかしら」

「わかりました」

「りょうかーい」

「ありがとう、よろしくお願いするわね……………キタキツネー、そろそろ寝るわよー」


そう言ってギンギツネは部屋を後にする。

……遠くからキタキツネの駄々をこねる声とサーバルの声が聞こえる……。



「……フェネックさん、今日何があったんですか?」


突然かばんさんが話を振ってくる。

アライさんが寝てるだけで、それを除けば今かばんさんと二人きりの状態だ。

そうなると、やはり話さないといけないみたいだ。

唯一不浄な悩みを打ち明けられる存在である、かばんさんに。


「………実は、アライさんが発情期に入ってたみたいでさ」

「発情期……それは前に言ってた"時期"の呼び方ですか?」

「そうそう、よく覚えてたね」


そして私は、今日起こったことの全てをかばんさんに打ち明けた。

アライさんの発情期はただ苦しみに襲われるだけだということ。

得体の知れない苦しみにより自分が消えてしまうと勘違いしていたこと。

知識が無い故、自分で処理できないということ。

そこで私が治療を施したということ。

そして、アライさんはその最中のことを何も覚えてないこと。


「なるほど、それでアライさんはこんなに満身創痍なわけですか」


でもひとつ気になることがあった。


「でもさ、かばんさんはあの時何ですぐに事情があることが分かったのさ」

「それは、アライさんのスカートに濡れた痕、シミがあったからです」

「シミ……?」

「あの岩陰は完全に雨をシャットアウトしてくれているのか、地面が全く濡れてませんでした。さらにフェネックさんの服が全く濡れていないということは、雨ひどくなる前にあの岩陰にいたということです。そしてアライさんのスカートのシミは雨で濡れたようには思えないほど不自然です」


私は気になってアライさんにかけている布団をめくって確かめる。

よく見ると、確かにスカートの後ろの部分だけがが全体的に色が若干変わっているように見える。


「そのシミの付き方から、アライさんは仰向けでフェネックさんの治療とやらを受けたんじゃないですか?」

「…………全くその通りだよ、かばんさん」


まさかアライさんのその時の格好まで当てられるとは思わなかった。


「とりあえず、アライさんはもう大丈夫なんですね?」

「……そうだね、自分でなんともないって言ってたし」

「そうですか………では――――――



――――――フェネックさんは、大丈夫ですか?」


「……それってどういう意味かな」

「その治療中に心が感化されていないかという意味ですよ」


それは大丈夫なはずだ。

出来るかぎり心を落ち着かせて、素早く終わらせたのだ。

何も問題は無い。


「大丈夫に決まってるよ、かばんさんのお世話にはなりたくないからね」

「そうですか……、それならいいんです」

「かばんさんは心配性だからね、しょうがな――――――っ!」


突如、頭に強い痛みが走った。

弱い頭痛ならさっきからずっと続いていたが、一瞬だけ強くなったのか思わず顔が痛みに歪む。


「だ、大丈夫ですか?!」

「へ、平気だよ…、さっきからちょっと頭が痛くてさ」

「そうなんですか……」

「ただの一時的な頭痛だからさ、気にしないで」

「………無理しないでくださいね?」


雨の日や標高の高いところでは『きあつ』の関係で頭が痛くなることがあるらしい。

ちょうど今日は雨が降っていたし、ここは標高が高い。

きっとそのせいだろう。


しばらくすると、ギンギツネ達が帰ってきた。

その脇にはふて腐れた表情のキタキツネが抱えられている。


「あとちょっとでクリアだったのに……」

「夜中までげぇむしちゃダメって何度言ったらわかるのよ……」

「むぅーー……」


どうやら向こうで一悶着あったようだ。

たしか、キタキツネが言うげぇむという大きな箱が何個かおいてあったはず。


ちょっと遅れてサーバルも返ってきた。


「かばんちゃんかばんちゃん!すごいんだよ!なんかね、どかーんひゅーんばばばばばばーーーって!」

「よかったね、サーバルちゃん」

「次わたしもやってみたーい!」

「……できれば明日にしてもらえると助かるわ」


キタキツネをふとんに寝かせ、ギンギツネは少しあきれた表情で言った。

そんなキタキツネはというと……、驚いたことにもう夢の中だ。

いくらげぇむが好きでも、眠気には勝てなかったようだ。


「フェネックさんも、今日は早めに休んではどうですか?」


かばんさんは、さっきの私の様子を見て心配してくれてた。

確かに、さっき少しバスの中で寝たもののまだ寝足りなかったようで、横になればすぐにでも眠ってしまいそうだ。


「……何度も悪いねーかばんさん、二回目だけどお言葉に甘えさせてもらうよー」

「フェネックも今日は珍しく疲れてるのね」

「アライさんといろんなところを走り回ったみたいですよ」

「流石にアライさん程の体力は持ち合わせて無いからねー」


そう言ってわたしは布団に横になる。

ロッジの寝床とは、また違った気持ち良さだ。

すぐに眠気が私を襲い、瞼が急激に重くなる。


「今日はゆっくり休んでください、フェネックさん」


かばんさんのその言葉を最後まで聞き取れないまま、私はそのまま眠りに落ちた。




―――――――――――――――



――――――――――



―――――





――――どれくらい眠っていたのだろう。

私はひどい頭痛に襲われ、目を覚ました。

意識が朦朧とし、呼吸が速く、体が熱い。


……まずい。


直感的にそう思ったが、すぐに別の感情でかき消されてしまう。

何かに操られるように身体をを起こし、虚ろな目で何か………いや、を探す。

そして見つけた。


私の真横で静かに寝息を立てる、アライさんを。


心臓が大きく跳ね、同時に頭痛がさらに大きくなる。

意志とは関係無しに、フラフラと四つん這いでその寝姿に近づくいていく。

身体の制御が効かない。

意識が黒く塗りつぶされる。

欲望が私を支配する。


快楽に戸惑うあの声がまた聞きたい。

キスで蕩けたあの顔がまた見たい。

すべすべであったかいあの肌をまた触りたい。

アライさんを、私の物にしたい。


アライさん……私の大好きな、フレンズ。

私の恋する、真っ白な心のアライさん。

その白を、今すぐ私の色で染め上げたい。

抑え込んでいた私の黒い部分があふれ出す。


アライさん……、アライさん……アライさんアライさんあらいさん。


気付けば、すぐ近くにアライさんの顔が来ていた。

アライさんの寝息が肌と耳から脳に伝わり、意識をさらに混濁させる。

私の荒く湿った息が、アライさんの頬を撫でた。


だめ。

これ以上はだめ。


しかし、いくら自分に言い聞かせようとしても、アライさんの顔はどんどん近づいてくる。

アライさんを壊してしまう。

自分の手で、自分の感情に操られるまま。


涙が自然にあふれた。

これが最後の抵抗というように、アライさんの頬に雫が落ちる。

アライさんと私の吐息が混ざり合い、虚ろに開く私の目はアライさんの唇を捉える。



そして――――――――――その感情が、限界を迎えた。








「アライさん………ごめんね……………」

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