第6話挿話 とある日の日記。
201×年3月20日
実家から朝陽兄さんの家へ引っ越した。
今日から、嫌でも顔合わせるあいつの家へ挨拶しに行く。だが出てきたのは、あいつのお兄さん 茂さんだった。
茂さんによると、奴は部屋に籠って、怪しい研究に没頭してるとの事だ。
特に、ここ数日は、トイレ以外部屋から、出てきてないらしい。
茂さん
本当にガキの頃から変わってねぇな。
当分関わらない事にしよう。
201×年 3月25日。
朝から、あいつん家が騒がしい。
朝陽兄さんに訊いたら、あいつが、異世界からネコミミの女の子を召喚したらしい。
昔から、録でもないことする奴だが、今回ばかりはとんでもない事だ。
仕事で東京にいるあいつの両親が、こっちに来てその女の子の処遇について、家族会議を開く事になったらしい。
本当、ぶっ飛んだ娘を持つと大変だな。
201×年 3月26日。
今朝早く、ひなと噂の女の子が挨拶にきた。名前は、ミカンという。家に来た時、ネコミミはなかった。
ネコミミは、魔法で隠せるんだそうだ。
なんでも、服部家の養子になるんだそうだ。
手続きなんかは、ひなのお父さんが上手い事やるみたいだ。
4月からは、近くの公立中学校へ通うらしい。
―――
「やれやれ、結構好きな事書いてくれとるね。……まあ事実じゃけぇ仕方ないか」
私は、そう言って仁のスマホを閉じた。
ちなみに、私は今日のお昼に仁のおバカと魔法で入れ替わった。
だから今の私は、見た目は音無仁。中身は、服部ひな なんだ。
――ややこしいけど。
日記アプリを発見したから、悪いと思いつつも覗いてしまった。なんだか浮気を疑ってる彼女みたいだな。
どうでもいいけど、アプリにロックくらいかけとけっての。
そういや仁の奴。さっき無料通話アプリで、課題やれって送ってきたっけな。
いつもは面倒でやらない課題。今日は、ちゃんとやりますか。
私はスマホを片付けると、机に向かった。
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