第4話ひなさん、幼なじみをTSさせる。4



「 間に合った。」


俺は、ショーツをおろして便座に座った。力むとおしっこが出てくる。

家じゃ気にしないでいたけど、音が外に聞こえてるよな。

そうだ、水を流してみるか。直接レバーに触れるのは、何か嫌だからペーパーを持って流してみた。

ジャアアという音で、おしっこの音は消えたけど、水がもったいないな。


「 ふう。」

トイレを終えて、手を洗って出てくると、まわりの女子がヒショヒショと、俺を見ながら話してる。

何か、あんた言ってきなさいよとか聞こえくる。なんだよ、言いたい事があるならはっきりと言えよ。

俺はそんな事を思いながら、ヒショヒショ話をしてる女子の前を通りすぎようとしたら、一人の女子がこっそりと耳打ちしてきた。

「 ものすごく言いづらいけどね。あなたスカートの裾が、ショーツに挟まってるの。」

「 へ?」

なんの事じゃろ。俺は、スカートを見る。

のおお。なんという事でしょう。スカートの裾がショーツに挟まって、ぱんつーまるみえーな状態じゃありませんか。

にょええ、穴があったら入りたい。

俺は赤面してスカートの裾を直し、教えてくれた女子にお礼を言って、そそくさと逃げた。


「 ああ、恥ずかしい」

「 どうしたの?」

机で臥せってると、心配そうに長谷川が覗いてきた。

「 いや、あのね」

俺は、長谷川にさっきの出来事を話した。

「 なんだ、そんな事か」

「 なんだって、俺めっちゃ恥ずかしかったんじゃけど」

「 ごめん。でも女子は、経験してる人多いんじゃないかな」

「 そうなん。」

「 少なくとも、私は、二・三回目撃してる、言いづらかったけど、本人に言った事ある。私も一回あるしね。中学の時にね。下に短パン穿いてたけど、恥ずかしかったなあ。」

長谷川は、苦笑いしながら話した。

意外と結構経験してる人多いな。前は、女子のパンチラに出くわすと、パンチラ万歳とか思ったけど、実際に見られる方になると嫌なもんだな。

今度から、パンチラ万歳とか思いません。


そして、そのまま何事もなく放課後。

「 結局トラブルらしい。トラブルは、起きんかったなあ。俺としては、安心出来るけど。」

もう、女子の体は勘弁だ。今日みたいなプチトラブルだけでもうんざりなのに、このまま長期間入れ替わった状態とかありえんし。野郎に告られるとかされたりしたらたまったもんじゃないしな。

俺がそんな事を考えながら、歩いている傍らで、ひなは、ぶつぶつ文句をたれていた。


「 つまらん。もう少し入れ替わっとりたい。でも、そろそろタイムリミットじゃしね」

「 何ブツブツ言うとんね?ひな」

?」

「 別に~ 何も考えとらんし。」


ひなは、口を尖らせてそっぽを向いた。

嘘をつく時のこいつの癖だ。

まぁいいか、明日の朝には元に戻っとるんじゃし。そうすりゃ、またいつもの日常に戻れる。

その時の俺は、そう思っていた。けれど、このTS騒動は、俺の体に変化が起こる一つのきっかけにしか過ぎない事をこの時の俺は知らなかった。

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