第3話ひなさん、幼なじみをTSさせる。3
「ふい。」
風呂から出た俺は、ひなの部屋で、くつろいでいた。六畳程の和室に、学習机と本棚が置いてある。俺は、畳に座って麦茶を飲んでいる。
今の俺は、ひなの中学時代の体操服を着ている。胸元に「 服部」と刺繍された白いTシャツと紺色のハーフパンツだ。これが、ひなの部屋着でありパジャマ代りだ。
麦茶を飲みながら、スマホを弄ってるとひなから無料通話アプリでメッセージが送られてきた。ちなみに、スマホは、同じ機種、同じカラーを使用してるので交換してない。
メッセージを読んで、俺は、飲みかけの
麦茶をふきだした。
『 仁の体隅々まで、じっくりと観察させてもろうたよ。うひっひ。』
そんな事をイチイチ送ってくんな。俺は、スマホを操作してメッセージを返信した。
『 そんな報告イチイチせんでええけ。それよか、お前、今日の課題やっとけ。しとらんかったら、明日疑われるで。そのかわりに、写させろ。』
メッセージを送ってすぐに、リョーカイと返信があったものの、課題をするかどうか怪しい。いつも、俺の課題を朝せっせと、写してるひながやる訳ないか。
俺は、そう思い机に向かった。
数学と古典の問題集を出すとやりはじめた。
翌朝。いつものように学校に着いて、まわりの奴らに不審がられないよう、友人であるツインテールの少女と話していたら、ひなが俺の所にやってきた。
「 ひな。これ、さっさと写せや」
いつも俺が言ってるセリフを言って、俺の前に課題を置く。
「 ひな、何熱でもあるの?」
俺の前でしゃべっていたツインテールの少女―長谷川真央が、まわりに聞こえないよう小声で、ひなにそう訊いた、ちなみに、長谷川は、俺達の事情を把握してる人間だ。
「 だって、仁にやって来いって言われたんじゃもん」
「 なんだ。そゆこと。」
長谷川は、納得してるけど、俺は、がまの如く汗をだらだら流していた。昨日写させろと、メッセージを送ったが、まさか、本当にやってくるとは、思ってなかったから、課題をいつも通りやってきた。
「 仁。まさか、課題やってきたん?」
「 うん、まあ。やってきた。」
小声で、そう言うとひなは、あっそと言って、席に戻った。俺と長谷川は、思わず顔を見合せた。いつもなら、すぐに怒るひなが、あっさりとひいたからだ。
まあ、いいか。俺は、まわりからは、いつもと同じように、せっせと写してるように見えるように自分のやった課題をチェックした。
課題のチェックで、我慢してたある生理現象を思い出す。
「 トイレ。」
そう尿意だ。昨日からトイレには何度か行ってるけど、今の尿意は、かなり切迫つまってる。ヤバい。俺は、あわてて、教室からトイレに走ったのだった。
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