224.船での移動
一週間分以上の食糧や着替えを準備した。最悪、月虹で脱出すればいい。
「ほかに必要なものはない?」
「うーん、灯りかな?」
なるほど、
電器量販店に寄ってヘッドライトとハンディタイプの強力ライト、それに電池を大量買い。これで夜も安心。
沙羅を送り下宿に戻って大家さんにまた明日から少し遠くに行くことを伝えると、加奈ちゃんからブーイング。
何かお土産を買ってくるからとなんとか宥めて、明日の準備。台湾旅行に行った時に買ったトロリーケースに着替えを詰めていく。
小太郎のご飯を多めに自由空間に入れておく。猫缶にカリカリの特大袋だ。お気に入りの皿と水のみに猫砂セットも忘れない。完璧だな。
「にゃ~」
次の日は夜も明けきらないうちに出発。
俺たちは乗船場所に設営されているテントで受付を済ませてから乗船。四人部屋二つが割り当てられた。大部屋での雑魚寝かと思っていたからラッキー。
「おいおい、俺たちがメインで戦うんだぞ。逆に個室を寄こせてくらいだ」
同室は錬さん、小幡さん、横田さん、俺の男四人。沙羅たちは女性四人で花音さん、原さん、多田さんだ。
小幡さんは四十過ぎの見るからにサラリーマンって感じ。背が高く細マッチョって感じだな。家族には
横田さんは小幡さんと正反対でゴリマッチョ体型。まだ三十じゃねぇって言っていたから二十代後半なんだろう。
女性の原さんも二十代後半らしく空手の有段者らしい。
多田さんは前職が警察官で見た感じ三十代前半かな? ガッチリ体型で俺より強そう……。
船に乗ってしまえば、着くまで何もすることがない。錬さんたちは船に常設されている遊戯室に行ってしまった。
俺はデッキに出て海を眺める。船に乗るのはこれが初めて、できれば船旅として乗りたかった。しばらくすると沙羅が来たので、一緒に海を眺めてくれるのかと思ったら、小太郎を奪ってすぐにいなくなった……。沙羅さん、いけず。
一時間もしないうちに船が動き出す。目的地まで二十四時間、長い船旅だ。
することもないので部屋で呼吸法や気配察知の訓練。天候に恵まれたようで船の揺れもあまり感じず、危惧していた船酔いもなく翌朝小笠原諸島に到着した。
船から降り、俺たちのコンテナが降ろされるのを待ち、降ろされたらすぐに荷ほどきに入る。それを、自衛隊で用意した民間の船に積み込み出発。一時間もせずに目的の島に着いた。
無人島と聞いていたけど普通に港があり、積んできた荷物の搬出が行われる。
この港がベースキャンプになるようだ。
錬さん以外で割り当てられた場所に大型テントを設営し、荷物をすべて中に入れる。テントの中に二段ベッドを組み寝る場所を確保。それ以外の場所は荷物で埋まる。
ベースキャンプの自衛隊本部に行っていた錬さんが戻って来た。
「すぐに装備を調えろ。すぐに出発だ」
休む暇もなく前線に送り込まれるらしい。まあ、俺たちが来るまで頑張っていた自衛隊の
うち以外のギルド二つは荷物を降ろす順番もあり、まだ準備ができていない。うちが先行して前線に向かう。
港から島の奥に繋がる道は一つなので、港から少し離れた場所に土嚢で陣地が組まれている。錬さんが陣地のテントに入り引継ぎを行なった。
「まだ、この辺でしか戦闘は行われていない。今日のところはこの辺の
「了解した」
「後続が来るまではこの陣地の前で迎え撃つ。行くぞ!」
この陣地周りの地形は逆三角形、
「後は任せる」
「任された」
錬さんと声を交わした隊員さんに見覚えがある。誰だっけ?
「如月一等特尉だよ」
思い出した。炎の魔剣を使っている隊員さんだ。だいぶお疲れの模様。憔悴感が半端ない。ずっと戦っていたのだろうか?
なんて思っていると、
「お客さんが来たぞ」
と錬さんが言ってくる。
餓鬼と邪鬼に交ざって天邪鬼の大群が迫ってくる。みんな武器持ちだ。なかなか、最初からハードワークのようだな。
花音さんチームが左に、俺たちが右に分かれる。
さて、やりますか。
猫(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ(ΦωΦ) Ψ猫
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