223.緊急レギオン案件
武器防具のデザインについて天水専務に力説したことで、俺もちょっと考えてみようと思った。
自分のセンスのなさに絶望する……。
餅は餅屋という。そう、いるじゃないか、そういうのが得意な奴が。
連絡すると大学にいるらしい。行って相談してみよう。
「機能美に溢れた上で格好がいい武器防具だぁ?」
「お前は俺をなんだと思っているんだ? 面白れぇじゃねか! みなまで言うな! わかっている。そろそろMk-Ⅱが必要なんだろう。悪の組織も新型を投入しているだろうからな。任せておけ!」
逆にお前はなんなのだと問いたい。悪の組織ってなによ? Mk-Ⅱってロボットの新型か?
いつもの連中と図面やデザイン画を作ってくれるというので、お土産を置いて帰った。出来たら連絡をくれるという。
「野郎ども、今日は飲むぞ!」
「「「おぉー!」」」
大丈夫か? とも思ったが、まあ、こういうことをやらせれば、アホだから大丈夫だろうと思うことにした。
会社に戻ろうと思ったらスマホにメールが届く。葛城さんからだ。珍しい。お土産のお礼かな、なんてメールを読むと緊急事態の呼び出しだった。内容は
会社に今日はもう戻らないと連絡を入れ、
「婚約発表ですか?」
「ちげぇーよ!」
「誰がこんなオヤジと結婚するか!」
「十六夜くんも言うようになったわね。お姉さん、あなたの成長をひしひしと感じるわ」
「まあ、どうでもいいことですけどね」
「「じゃあ、言うな!」」
息ぴったり。意外と相性いいんじゃないの?
メンバーがそろったらしく
「集まってもらったのは、国からの緊急のレギオン案件が出されたからです」
レギオン案件なら俺たちには関係ないのでは?
「今回のレギオン案件は緊急のせいで人数が足りないのよ。それで各ギルドからサポーターも出すことになったの」
小笠原諸島の無人島で
無人島とはいえ近くに人の住む島があるので早急な対応が必要。先発で、自衛隊が飛行機で今夜経つそうだ。ほかの
今回、このレギオン案件に参加するのは三つのギルド。時間がないのでこうなったらしい。
「飛行機は使えないんですか?」
「小笠原諸島には民間の飛行場がないんだよ」
「じゃあ、自衛隊はどこに向かったんですか?」
「硫黄島よ。あそこは自衛隊の航空基地があるの。緊急時は民間でも使えるのだけど、残念ながら人数や物資の量が多いので飛行機をチャーターできなかったのよ」
それで民間の緊急性の高い輸送以外は、キャンセルさせた船を借り切ったようだ。予約していたお客さん、かわいそうだな。自衛隊も人員と物資を運ぶようだから仕方ないか。
「そこで、参加できるかの相談です」
錬さんと花音さん以外は断ることは可能。俺は沙羅と話して参加することにした。あとは四名参加が決定。ほかのメンバーは都合がつかないらしい。明日の朝出発じゃあねぇ。仕方がない。
荷物は十二フィートコンテナ二つがギルドに用意されているという。食糧、テントなどはギルドで用意してくれる。個人の武器防具もその荷物に入るそうなので、意外と厳しいな。
俺は自由空間があるから予備の武器防具はそちらに入れて行こう。ほかにもいろいろ持っていったほうがよさそうだ。今から買い出しだな。
明日は早朝
「では、よろしくお願いします」
普段の装備品はギルドに預けていく。明日持っていくのは私物だけ。自分で持てる範囲ならいくらでもいいそうだ。じゃあ、自由空間にいっぱい入れて行こう。
沙羅と相談して持っていくものを相談。最悪を想定して、キャンプ用品一式を用意。ほかにも持っていくバッグとは別に着替えやタオル類も用意。水や食料、お菓子も用意して自由空間に収納。
沙羅の魔法袋も預かっておく。沙羅の魔法袋の中には氷結の魔剣、アラクネのローブ、竜牙、魔法石など人前ではあまり見せられないものが入っている。
向こうで使うことがないこと願おう。
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