177.会社名決定
向こうの世界の人ならこの国どころかどの国とも関係もない。こちらの世界の人と違って、スキルやアビリティに制限がない。信用できるかは別として最強の護衛じゃないだろうか?
「異世界人を警備に加える?」
取りあえず、メリットを伝えてから、みんなでデメリットを考える。
最初に上がったのが国籍をどうするか?
それこそ、外務省の仕事だ。情報を提供するから日本国籍か在留証明書を寄こせと言えば断れないとみてる。
次は信頼できるのか?
それはマーブルやアディールさんに相談だ。
レイダーギルドに所属しているのは確かに荒くれ者が多いが、すべてのレイダーが荒くれ者というわけではない。そんな中から紹介してもらえばいい。
文字の読み書き、一般常識などは教えればいいことだ。住む場所だって俺の部屋を作る時にもう一つ作ればいいだけ。
ほかにも車の運転ができないとか、あったけど、意外とデメリットは少ないんじゃないか?
「それも一つの手かもしれない。我々と価値観の違う者なら引き抜かれる心配も少ないであろう」
みなさんから賛同の意を示された。あとでマーブルと相談してみよう。
「最後に名前だがどうするね?」
「月彩 Tr.Co 月彩トレーディングカンパニーでどうでしょうか?」
「月彩トレーディングカンパニー、いいと思う」
沙羅が賛成すればみんなも賛成。
「では、それで登記申請をしてもらおう」
細かいことはその都度話し合いをすることにしてお任せ。
次は来週にアディールさんを連れて来るので、少しの間天水家に泊まり一般常識とこの国の情勢を教え込むと話す。
「まさかうちに世界的スターの次に、ファンタジー世界のエルフが来る日がくるなんて夢にも思わなかったわ……」
「紗耶香、誰だってそう思うぞ」
紗耶香さんと忠道さんが深いため息をついている。
翌日の日曜日、一人で人工ダンジョンに潜る。地下十一階に挑戦だ。
今日は一人だから全員召喚。
「はにゃ~」
「ヒヒーン」
「……」
お馬さんにリヤカーをセットすれば、小太郎が専用台に飛び乗り大きな欠伸をして寝てしまう。やる気のなさはぴか一だ。
十一階の
エンハンサー? ってなんだ? 音響機器のあれか? それとも遺伝子のほうか?
戦いをはにわくんとはにわくんミニに任せて、様子を見る。
職業持ちなったスケルトンは思った以上に強くなっている。間違いなくゴブリンの職業持ちより強い。
はにわくんミニとほぼ互角のようだ。と思っていたら、急にはにわくんミニの動きが悪くなる。何が起きたかわからない間にウォリアーに倒されてしまった。
はにわくんはなんともなく、逃げ回るアーチャーを倒しウォリアーに狙いを変える。六角棒を振りかざし狙いを定め振り降ろす。が躱された。
「はにゃ~?」
いつものはにわくんの動きじゃない。何が起きた? 試しにはにわくんを残月で見ると、鈍重(低)と出ていた。異常状態というより弱体化か!?
はにわくんには異常状態関係は効かないと思っていたのに、思わぬ落とし穴があった。これは困った。解除できるアビリティを持っていないし、素早さを上げるアビリティも持っていない。
スケルトンウオリアーは当たらなければどうということはないとばかりに、はにわくんの攻撃を躱してはにわくんを斬りつけていく。
しょうがない、清浄の杖を出してはにわくん相手に、気を取られているスケルトンの後ろに回り込み頭に一撃。あっけなく崩れ去る。
一応、並列思考でエンハンサーに気を付けていたけど何もしてこない。エンハンサー一体になってもこちらに攻撃してくる気配がない。
攻撃してくる気配はないけど、なにやら両手を使って何かの形を作ったりしている。俺に両手を向けたけど、なに?
もしかしてと思い自分自身を残月で見ると、鈍重(微)となっている。やられた!? あの手の動きはこのための動作だったのか! 呪文じゃないんかい!
しかし、このスケルトン攻撃してこない。もしかして、攻撃する術がないのか? はにわくん、やっておしまいなさい!
「はにゃ~」
スケルトンとはにわくんの追いかけっこが始まったね。はにわくんが鈍重状態のせいで、走る速さが同じないし少しだけスケルトンが速い。
しょうがない手伝おう。逃げるスケルトンの正面に回り込み、清浄の杖をちょこんと当てると崩れ消え去る。
清浄の杖、無双……強すぎるでしょう!
弱体化の効果時間は五分ほど、一定なのかレベル依存かはまだ不明。厄介な
何度か戦い、確信を持つ。メイジは
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