154.苦行開始
「記念に取っておく? 日本円になら換金するけど?」
「こっちで買い物はできるのか?」
「こっちの世界の武器防具に興味がある」
「これで買えるか?」
「駄目なら明日も迷宮に行って稼ごうぜ」
武器防具は買える。武器はともかくとして、防具は凄く性能がいいことを教える。あと魔法石という理力を溜めておけるものもあると教えた。
「理力を溜めておける!?」
「それ、凄くねぇ?」
「武器防具もどんなものか一度見てみたいな」
「アキは持ってないのか?」
「持ってる」
「にゃ~」
「「「「持ってるんかい!?」」」」
人の邪魔にならない広場に移って炎の魔剣劣化版と火喰い鳥の鎧を出して見せる。
「炎の魔剣?」
「アニメの世界だな」
「鎧は格好がいいな」
「水氷に弱いか」
竜の大回廊のオーガから奪った剣を見せて倍近い性能差があることを教える。とは言ってもオークやオーガの武器は俺たちには大きすぎる。剣が俺たちの大剣サイズになる。
「剣は剣なんだけどな」
「使い勝手が変わってくるのはなぁ」
「予備に持つか?」
「いくらぐらいするんだ?」
高いよ? まあ、教えても構わないから教えよう。
「一本二億円で自衛隊が買ったね。でもこれは最低額。オークションに出したらいくらの値が付くかわからない」
「「「「まじかぁ……」」」」
「こっちの世界で買えば十分の一くらいかな。なかなか、手に入らないけどね]
そういえば、疾風の槍ってのもあったな。見せてみよう。ついでに俺が装備している鎧もファングベアーの革鎧だと教える
「槍か……」
「確かに使えるがなぁ」
「今さら槍をメインにか?」
「鎧はよさそうだな」
この鎧と同性能のものを大量発注されていることも教える。
取りあえず、王都の武器防具やに行ってみることにした。
頼んでいた武器防具がいくつか手に入ったと言われたが、今回はジミーたちの買い物で来ているので保管していてもらうことにした。
ジミーたちは武器や防具を見て、やはり武器は諦め防具を買うことにしたようだ。足りない分は俺が出すといったら真剣に選び出した。
まあ、あと二、三日は竜の大回廊に行く予定なので、そこそこの稼ぎにはなるだろう。下の階層に行けばもっと稼げる。
ジミーたちは俺の鎧よりだいぶ性能のいい革鎧一式を揃え購入。サイズ合わせに二日かかるそうだ。最後に魔術師ギルドに寄って大金貨五枚の魔法石を人数分買ってから、風師匠の屋敷に戻った。
「まだ明るいぞ?」
「まだ、昼過ぎくらいだ」
「時間の流れが違うのか?」
「さすが異世界!」
「にゃ~」
楽しんでもらえてなによりだ。
さすがに疲れたので残りの時間は自由ということになったのだが、転移と自由空間スキルについて根掘り葉掘り聞かれ、答えられる程度で答えた。
「じゃあ、転移は覚えるのは無理か」
「収納系の自由空間は俺たちでも覚えられそうだな」
「収納系スキルはレアだからな」
「
どうやら、覚えたいらしい。残りの時間で覚えられるだろうか?
俺と小太郎がいるので同時に二人は苦行を行なえる。複数で入ることも可能だろうが、一人じゃないと駄目のような気がする。
「駄目もとで試してみようぜ」
「誰がやる?」
「一人はジンでいいんじゃないか?」
「当分、こっちで仕事があるんだろう? 今回覚えられなくても休みの日にアキの所に行って覚えられるだろ?」
一人でも覚えれば向こうで同じことができるようになる。じゃあ、ジンは決定だな。
「よし、俺がやる」
「にゃ~」
名乗りを上げたのはジミー。では、暇つぶしの道具を持って集合ね。
ジンは音楽プレイヤーや本、そして飲み物や食べ物をチョイス。ジミーは食べ物と飲み物以外はさっきの格好のまま、中でも修行するそうだ……。
ジミーは俺の自由空間に、ジンは小太郎の自由空間に入った。
残ったアレックとニッキーは俺と一緒に横浜観光へと繰り出す。もちろん小太郎も。
天気がいいのでみなとみらいを散策。ニッキーが女と来てぇなんて言っていたが、同感だ。男三人で来る所じゃないな。カップルばかりだ……。
それにイケメン二人は目立つ! たいていの女性はすれ違いざまに二人を見る。中には二人を知っている人もいて、サインをねだられていたくらいだ。
男三人なので遊園地やショッピングということもなく、スマホで検索して近くのカップラーメンミュージアムに行くことにした。
残念ながら中はペット禁止で小太郎は入れなかったが、事務所で預かってくれるというのでご厚意に甘えさせてもらった。
中で作ったオリジナルカップラーメンは月読様に奉納することにした。なかなかいい出来なので喜んでもらえるだろう。
そういえば、カップ麺を送るのは初めてだ。
凄く嫌な予感が……。
カップ麺はお菓子になるのか?
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