133.商品選定
聞けば、弓を使う人は少ないらしい。近接戦闘ができないし、矢の消費も激しい。なにより、持っていける本数が限られているから人気がない。
しかし、俺には自由空間がある。装備の切り替えは簡単だ。問題なくTPOに応じて使い分けができる。
葛城さんと
八十ポンドから二百ポンドの物まであった。引けるのか?
「普通なら無理ね。でも、忘れていない?」
なるほど、
そこで、疑問に思っていたことを聞いてみる。
「銃は威力に制限があるのに、弓にはないのですか?」
「氣については学んできたのよね?」
「はい」
「私は氣の訓練を受けていないから実践はできないけど、銃というより弾丸に氣がのらないのよ。だけど、なぜか矢にはのるらしいの。ある程度の
ちょっと悲しそうな顔をする葛城さん。そういうことで
そういうところもこの国の
One for All, All for One的な精神が欠けている。かの石田三成も大一大万大吉と旗を掲げているのにな。
それはさておき、百ポンドの弓を選択。弓を握る場所の後ろに銃のグリップのようなものが付いた弓を選んだ。ドットサイトみたいなものも付いている。たんに見た目が格好いいのを選んだ。
矢は葛城さんのお薦めでジュラルミンの矢を百本選択。それ以外にもメンテナンス用品も教えてもらい選択。
そして、ありました。
トータル金額百万超。
「本当に買う気? 刀のいいものを買ったほうがよくない?」
た、確かに葛城さんの言うとおりなのだが、刀は今のところ困っていない。それに本当に腕が上がったら、月読様の所にある刀からもらう予定だ。おそらく、国宝級の刀も眠っているに違いない。
「分割でいい?」
「いえ、一括で」
カードを渡す。
「紅茶一杯飲むのに泣いてた子が、カード……」
今まで
「来週までには届くわ。C4はすぐには無理ね。少し時間がかかると思うわ」
用事も済んだのでいつもどおり、
月曜の昼に沙羅と昼食中、
「荷物届いていたよ」
「荷物?」
「特注の食器セット」
ああ、王宮から注文のあった奴だ。それなら来週の土曜に届けに行こう。ちょうど用事もあるしね。
沙羅と話し合い、せっかくなのでマーブルを交えて、明日から向こうに持っていく品の買い出しをすることにした。ショウさんにアッシーくんもお願いしておいた。
いつもの問屋周りをして注文を入れる。駄菓子もいっぱいだ……。俺とショウさんは駄菓子を両手いっぱいに抱えているのだが、沙羅はまだ買う気のようだ。今日は仕入れに来たのですが……。
今回はどうしようか? 向こうに持って行き売れるものには制限がある。あるというか制限を付けている。まずプラスティック製品は不可。家電製品も不可。こちらの世界の薬なども不可にしている。
「なあ、マーブル。向こうの人って煙草って吸うか?」
「プカプカにゃ? 吸うにゃ」
「葉巻はどうだ?」
「庶民は無理だにゃ。お金持ちは嗜むにゃ!」
なるほど、こちらの世界と同じだな。煙草は薬類になるか? いや、逆だ煙草や葉巻は毒だからセーフ! 煙草は葉が買えないし、市販されているのはフィルター付だから駄目だな。輸入品ならフィルター無しもあるか?
「お酒はどんなのがある?」
「いろいろあるにゃよ?」
ビールもワインも蒸留酒もあるらしい。マーブルはお酒を飲まないので、こちらの世界のお酒との比較ができない。
一揃い集めて向こうの酒飲みに飲ませてみるか。お酒といえばドワーフだろう。ファンタジーの定番だ。職人ギルドの親方たちに飲ませて評価を聞いてみるか。
日本酒はどうしようか? 米を向こうで見ていないから無いとは思うが。
「お米って向こうで食べてる?」
「お米にゃ? あるにゃよ。エルフはパンよりお米を食べるにゃ。マーブルも最近はお米が好きになったにゃ!」
エ、エルフの主食か!? ならありそうだな……。とりあえず候補には入れておこう。
エルフが米ねぇ。
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