131.ゴブリンキャップ
前回の続きの地下七階層。出てくる
もしかしたら、上の階層で描いたマップはもう役に立たないかもしれない。それでも、これは訓練でもあるので続ける。いつか役に立つ日がくるさ。きっと、メイビー……。
はにわくん、今日は六角棒ではなくオークの大剣を持ている。ゴブリン剣士ごとゴブリンリーダーを真っ二つ。残ったゴブリンメイジも火だるまになりながら真っ二つ。そんなはにわくんを小太郎が雫で鎮火。いいコンビネーションなのか?
しかし、はにわくんオーバーキル。ゴブリン程度では相手にならないようだ。さっさと下の階層に行こう。
やって来ました地下八階層。遭遇した
そして、シュと音が聞こえ、はにわくんの頭に矢が刺さる。なに、どこから射られた!?
「はにゃ~?」
「にゃ~」
レッドゴブリンの後方に火だるまになって転がるゴブリンが現れる。まったく気づかなかった……。鑑定するとゴブリンキャップ。弓スキルと気配遮断スキル持ちだ。気配遮断か……まったく気づかなかった。小太郎は気づいていたようだが。
レッドゴブリンははにわくんに任せ、俺は転げまわるゴブリンキャップに止めを刺しに向かう。
ゴブリンキャップは若草色の半袖半ズボンに
レッドゴブリンは、黒の半ズボンの上半身裸。筋肉質な体つき。悪鬼に似ている。そんなレッドゴブリンをはにわくんは一刀両断。ゴブリン三体分の強さとはいえ、所詮ゴブリン。格闘持ちだとしても近寄れなければただの的だ。
それより、ゴブリンキャップの気配遮断だ。弓スキルも厄介だが、ゴブリンアーチャーの矢でさえ刺さらなかったはにわくんに矢が刺さっている。
俺なら大怪我では済まない可能性がある。いる場所がわかっているなら注意のしようはあるが、どこから飛んで来るかわからないのでは対処が遅れる。
対処法はなくはない。相手の氣を探ればいい。だけどそれをするとマッピングができない。同時にできるほど、どちらにも精通していないからな。
となると、小太郎のサーチアンドデストロイ作戦かな? 小太郎に負担がかかってしまうのが難点だ。
小太郎を主として、マッピングしながらの氣を探る訓練も同時進行だな。ますます、俺はオールラウンダーにならなければならないらしい。斥候役がほしい。マーブルが適任なのだが、あのぐーたらでは駄目だろうな……。
かといって、新しいメンバーを入れるわけにもいかない。俺たちには隠さなくてはいけない秘密が多すぎて、メンバー候補になる人がいない。困った……。
マーブルの兄弟姉妹あるいは親族関係で斥候役になってくれるケット・シーいないかな? 普段はマーブルと一緒に天水家でぐーたらしていていいから。
「にゃ~」
ゴブリンキャップが火に包まれる転がる。ゴブリンキャップ一体だけか? いや、もう一体隠れているな。氣をさぐると、火に包まれたゴブリンキャップの後ろに気配を殺して、こちらを弓で狙っているのがわかる。
「はにわくん。後ろにもう一体いるぞ!」
「はにゃ~!」
はにわくんが火のついたゴブリンキャップを回り込む。
矢が俺目掛け飛んで来るが、わかっていればどうということはない。刀で払い火に包まれたゴブリンキャップに迫る。
転がっていたゴブリンキャップが俺が近づいた瞬間、俺にナイフを向け飛び掛かっかてくる。
ちっ、狙っていたな。こいつ! 間合いを外された! 不味い!
「月兎」
うさぎさんが現れゴブリンキャップにドロップキック! ナイス! うさぎさん!
転がるゴブリンキャップに走り寄り、心臓辺りに刀を逆手で振り下ろす。ピクピク痙攣したのち動かなくなった。
うさぎさんとハイタッチ。今日は沙羅がいないので、サムズアップして消えていった。ちっこいうさぎ師匠だな。
はにわくんは……惨殺していたね。これは酷い。はにわくんだとゴブリンキャップの矢もナイフもたいしたダメージにならない。ゴブリン二体分の強さでははにわくんの相手にはならない。
さて、次に行こう。次に出て来た
結果、ゴブリンはどこまでいってもゴブリンだとわかった。どちらにも宵闇がよく効き、レッドゴブリンには猿猴捉月も効きやすく、ゴブリンキャップには夢月も効きやすい。
それがわかればもう俺たちの敵じゃなくなったね。
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