104.天城三等特尉
怪異をあしらいながら人工ダンジョンに着く。武器は刀から剣スコに変更。刀は小太郎に預ける。
「にゃ~」
「ちょ、ちょっと待て! ここはなんなんだ!?」
まあ、見てのとおりちょっと整備された洞窟、じゃなくてダンジョンです。
「大宮駐屯地の地下に行った経験は?」
「天水三等特尉と君たちが発見したと聞いている。私も何度か調査に参加して……まさか、そうなのか!?」
「あれと同じなのかはわかりません。俺たちは人工ダンジョンと呼んでいます。地下三階層まで調べましたが向こうほど怪異は強くありません」
「君たちは規格外と聞いていたが……。それから、その子猫はなんなんだ? ペットを異界に連れてくるのは関心しないぞ」
何も聞かされていないのか?
「小太郎は俺のマギでペットじゃありません」
「にゃ~」
「!?」
そこまで驚くか? たいていの人は可愛いと撫でてくれるのだが?
「しかし、ゲートを潜る前からずっと君と一緒にいたじゃないか!」
「ちょっと特殊な子なんで」
「ちょっとどころかー!」
クール系イケメンと思っていたがそうでもないらしい。意外と熱い男なのかも。
天城三等特尉が落ち着いたところで軽く説明。ちゃんと貴子様には報告して許可をもらっていると。
「規格外どころじゃないだろう……」
「天城三等特尉がよければ探索を始めたいのですが」
「ショウでいい。俺も君をアキと呼ぶ。気を張っていたのが馬鹿らしくなってきた」
「了解です。一、二階は探索済みなので飛ばして行きます」
「任せる」
三階層の未探索域まで走る。レベルアップし地力も上がったおかげでほとんど疲れることなく着いた。今は以前に比べレベルアップの恩恵が実感できる。それに氣だな。老師のおかげで体に氣が漲ている。老師が氣には表に出さなくとも身体を強化する力があると言っていた。
先頭をはにわくんに譲り、俺はマッピングを開始。
少し進むとスケルトン三体が現れた。三体同時に現れるのは初めてだ。まあ、三体くらいなら、はにわくんだけで十分だろう。
「はにゃ~!」
いつもの奇声……もとい、雄叫びを上げて、ドスドスと魔改造バットを振り上げ、スケルトンに襲い掛かるはにわくん……どっちが悪者かわからなくなる。
「いいのか?」
いいのか? と言われても、ここに来るまでも怪異は倒してきた……お馬さんの突進のみで。俺たちは何もしていない。あの程度はにわくんの敵じゃない。ほら、終わった。
「はにゃ……」
「……」
物足りなそうな、はにわくんがトボトボと帰ってくる。早いところ四階層に下りる道を見つけたい。
ショウさん、ボーっとしてると置いていきますよ!
この後、ショウさんもスケルトンと戦っていたが戦い難そうだった。武器の相性が悪いのかな? そんな戦いの後、上から目線のはにわくんに気にすんなとばかりに、肩を叩かれ唖然とするショウさん。哀れ。
ほどなく下に続く道を発見。下りて行く。
すぐに
ゴブリン 邪悪で狡猾な種族。魔王の尖兵とも言われたり、大罪を犯した者が神により魔界に落とされた、人間の成れの果てとも言われる。妖精族のゴブリンとは別の種族だ。
「ゴブリンですね」
「知っているのか?」
「いえ、ゲームの敵のまんまなので」
「なるほど」
そう言ってGDに付いているカメラでゴブリンを撮っている。スケルトンも撮ってたな。珍しいのか?
「はにゃ~」
まだ何も言ってないのに突撃する、はにわくん。魔改造バットで殴り、反対の腕に付いたバックラーでも殴る。魔神だ……大魔神って古い映画であったな……見たことないけど。ショウさんは遠い目をしている。
「ここも外れですね。さっさと五階層に行く道を探しましょう。ショウさんも戦いたいならご自由にどうぞ」
「あ、あぁ……」
三度ゴブリンを倒したところでアイテムをドロップ。
「ド、ドロップアイテムか!?」
ゴブリンの腰巻。防御力はないに等しい。汚く臭い。
い、いらねぇー。小太郎、ばっちいぃから燃やして消毒!
「にゃ~」
「な、何で、ドロップアイテムを燃やすんだ!」
いや、いらないから。欲しいならショウさんが自分で管理してくださいよ。
「あんなのが欲しいんですか? 物好きですね。次に出たら好きにしていいですよ。その代り近寄らないで下さいね。ばっちいぃから」
「……」
サクサク進む。ショウさん、さすがに護衛として付くだけあって強いね。さっきまでの鬱憤を晴らすかのようにゴブリンを葬っていく。
素人目で見ていても無駄のない動き。的確に最小限の動きと力で
俺も戦闘に参加したいが、参加する隙がない。サーチアンドデストロイ状態だ。スケルトンより強いようだが骨だけのスケルトンより攻撃面積が広い分戦いやすいみたい。
はにわくんは関係なさそうだが……。
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