59.暗黙の了解
というわけで、悪鬼を探している。出てくる
山姥が出始めたので、そろそろ悪鬼も出て来てもおかしくない。ちなみに、
強い人たちが大勢いるから気配を抑えてもらっているので、
「Oh! ダイマジン!」
パムさん、はにわくんを召喚したら大騒ぎ。はにわくんの周りをピョンピョン飛び跳ねている。というか、大魔神知ってるんかい! 昭和の特撮映画だぞ?
「ゴジラ、ガメラ、ダイマジン大好きデス! シュワチ! ライダーキック! も大好きデス!」
特撮オタクか!?
「かめ~ん、ノ〇ダッー!」
あー、それ違うと思います。
「アキはコンジュラーだったのデース! アメイジング! ファンタスティック!」
そこまで褒められるとちょっと照れますな~。
「あの
「余計な詮索はやめなさい。我々は任務を遂行するだけよ。だけど、強いて言うなら将来の義弟かもね♪」
「「「「はぁ~?」」」」
なにか自衛隊組が騒がしいけど、大きな声をあげたせいか目的の悪鬼が現れた。それも本日初の刀持ちだ。これは、やる気が漲る。
悪鬼に関しては攻略法が確定済み。こいつは宵闇に弱い。夢月は全く効かないが、宵闇は今のところ百発百中。相性なんだろうな。
宵闇の効いた悪鬼はウロウロし始める。偃月で攻撃して武器を奪い。自分と刀に宵月をかける。後は首を刎ねるだけの簡単な作業。
残った刀は興亜一心刀だ。
「「「サムライソード!」」」
刀に興味があるようなので、手に入れた興亜一心刀を渡した。抜いてかざしたり、振り回したりと大騒ぎ。どうせ、ただで手に入れた、手元のかかっていないものだからプレゼントしたら、パムさんにハグされ頬にキスをもらってしまった。ちょと嬉しい。
「あげてもよかったの?」
「構いません。所詮、ただですから」
自衛隊の明さんも欲しそうな顔をしているが、自分で手に入れてください。やり方はわかったでしょうから。
この日はこれで終了。明日はみなさんの実践が主となる。正直、俺必要なくねぇ?
宿舎に戻ると台湾四人組に拉致……もとい、飲みに連れて行かれる。歳が近いから話が合うので楽しい。でも、この四人、お酒に強いんだよ。明日も二日酔いかな……風月のお世話になりそうだ。
案の定、二日酔いで朝を迎え、シャワーを浴びて風月をかける。気分が回復して、急にお腹が空いてくる。飯を食いに行こうか。
「にゃ~」
みなさんも遅くまでお酒を飲んでいたはずなのに元気。朝食もモリモリ食べている。朝からフライや甘いパンケーキなど食べて胃がもたれないのだろうか? 台湾四人組もおかゆはいいとして、なぜ揚げパンを食べている?
自衛隊員さんも体が資本だけあって、食べる量が半端ない。俺なんかご飯、みそ汁、焼き魚(小太郎分も)、ひじきの煮物、ホウレンソウのお浸し、だし巻き卵。全部小鉢ね。ご飯に納豆か玉子かけご飯にするか迷うところだ。
さて、今日は昨日の場所より少し先のエリアに行くそうだ。山姥が出て来なくなり、代わりに悪鬼との遭遇率が上がる。さらに先に進むと鬼婆と鬼女が出て来た。みなさんが戦うのを見て、俺では荷が重い相手と理解する。
ただ、みなさんからすれば、まだまだ格下で余裕がある。しかし、この辺から銃が効きにくくなってきている。ビルさんは銃を使うのを止めて、トンファー仕様の警棒を使い始めた。元刑事だからか?
しかし、みなさん武器を奪うのに四苦八苦。意外とこのアメリカ組の三人は気が短いようで、武器を奪えないとイラついてか奪う前に倒してしまう。
自衛隊組は若干マシ。武器を奪うことはできるようになったが、その武器を使って
なので、質のいい武器は出ていないどころか、まともな質の武器さえ出ていない。
それでも、何度も挑戦してみなさんなんとか納得できる武器を手に入れたのはお昼過ぎ。俺なら天邪鬼辺りで出る武器だ。
それにしても、誰一人としてアビリティーを使わない。そこまで隠すべきものなのだろうか?
それより、ここでタイムアップ。そろそろ、俺は帰らないと駄目な時間になった。
取りあえず、要領はわかっただろうから後は練習してくれ。隠しているアビリティーやマギを使えばもっと簡単にできるようになるだろう。
帰りは実家に帰る紗耶香さんの車で帰った。なぜか、俺が運転手。紗耶香さんは助手席で小太郎をモフっている。
「俺、ペーパードライバーなんですけど?」
「大丈夫。安全運転でカーナビどおり帰れば着くわよ」
「にゃ~」
「……」
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