44.残月
小太郎の穴掘り状況を確認しながら
小太郎の穴は十メーターほど掘り下げた所で、水平に掘り進めることにした。上手くいけばどこかのダンジョンにぶつかるかもしれない。淡い期待だけどな。じゃあ、小太郎任せた。
「にゃ~」
外で
試しに今使っている刀を鑑定してみる。
●模造刀 品質 粗悪 斬撃特性+3 突き特性+2 耐久12/30
特性? これは攻撃力と考えていいのか? 耐久? ゼロになったら壊れるのか? もっと説明がほしい……。
何本かあるうちのなかで、比較的よさげな物を鑑定してみる。
●数打ち刀 品質 良 斬撃特性+12 突き特性+8 耐久50/50
おっ、性能が上がった。うん、これはいいものだ。が、どれほどの違いがあるのだろうか?
試しに、数打ち刀を使ってみる。うーん。わからん。本当にいいものと比べればわかるのだろうか? それとも、所詮は使い手次第なのだろうか? 気になる。
気になるついでに、自分を鑑定してみる。
〇十六夜聖臣 苦労人 月読尊の子孫 月彩の英気 体術
苦労人……余計なお世話だ!
月彩の英気は加護だ。体術はこないだ覚えたスキルだな。ほかに何もない……。今使っている刀に関するスキルが出てほしい。万能武器のスコップは銃と同じでスキル自体がない可能性がある。
効率よくスキルを発現させる方法はあるのだろうか? 訓練あるのみ? あとで聞いてみよう。ここにいっぱいスキル名が出るようになりたいな。
小太郎も鑑定してみたくて下におりて来た。
〇はにはくん 十六夜聖臣の一の眷属
はにはくん……なにも言うまい。一の眷属? 二の眷属もいるのか?
〇小太郎 月の猫又 十六夜聖臣と契約中 好感度九十 焔 埴 運気上昇 月猫の勘 甘え上手
好感度ってなんだ? 俺に対する好感度なのか? それとも周りからの好感度なのか?
焔と埴、運気上昇 月猫の勘はおそらく小太郎のスキルかな。焔は火攻撃で埴は落とし穴だろう。運気上昇はそのままだろうな。羨ましい……。。月猫の勘は気配察知系だろう。そして、甘え上手……お前はツンデレか!
小太郎が疲れているようなので、今日はここまで。保管場所に戻って鉱石を積んでゲートに戻り、鉱石と武器を提出。
何気に葛城さんを見る
葛城麗花 光明真会ギルド所属探究者 マギ契約飛燕 好感度六十 鞭 爆 思考力上昇
!? 見える。見えるぞ! ん? ここは異界じゃないし、ゲートも閉まっているよな? なんで?
残月は月読様の加護、月彩の英気からきている。これが小太郎からの加護なら納得もできるのだが……どうなっているんだ?
帰りに人気のない公園で、周りが木々で覆われた場所でちょっと検証。
まずは、偃月を使う。出た!? ぷかぷか三つ浮いている。誰かに見られるとヤバいと思った瞬間、偃月の姿が見えなくなる。消えたわけではない、偃月の存在は感じられる。こんな機能があったのか……。
試しに木の枝を狙い放つ。スッパっと斬れた。異界の時より威力が増してる!? 空を見上げれば夜空に丸いお月様が出ている。月彩の英気!? そういうことなのか?
待宵を使うのよそう。間違いなく出てくる。はにゃ~って。
……さて、小太郎のスキルは使えるのか? 焔は火事になるとまずいので埴を使てもらう。小っちゃくでいいからな。三十センチ四方の穴ができた。使えるようだ……。どうする? 報告するか?
小太郎を抱き上げ見つめる。
「にゃ~?」
危険だとか言って取り上げたりしないよな? 取り上げられそうになったらなんとかして月読様の所に帰ってもらおう。異界に連れて行けば月読様が何とかしてくれるだろう。月読神社でもいいだろう。
ちなみに、下宿でも鑑定。
加奈ちゃん 大家の孫 好感度七十。
大家 聖臣の祖母の友人 好感度八十と出た。
大学でも鑑定してみる。友人関係は六十以上、見知らぬ人は五十前後。
天水沙羅 才色兼備 善女龍王の寵愛 マギ契約水龍 好感度七十 水龍の加護 薙刀 小太刀 弓 礼法 残心の探求者
好感度七十、加奈ちゃんと同じ……。それはさておき、圧倒的じゃないですか……これが凡人と才人の違いか!
「どうかした?」
いえ、あまりの才能の差に凹んでいたところです。
探究者になった時期はそれほど変わらないないはずなのに、これだけの差があるなんて……才能の差とは恐ろしい。残心の探求者はスキルじゃないようだけどなんだろうな?
現実逃避に中庭を見渡せば好感度ゼロ~三十という人を幾人か見かける。まったく知らない人たちなのにだ。どこかで知らず知らずのうちに、なにかしてしまったんだろうか?
なんか、人の心の内が見えてしまうようで嫌なものだな。
普段、残月を使うのはよそう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます