35.錬さんとの会話
着替えて沙羅と錬さんとゲートを潜る。
リヤカーを見て沙羅は苦笑い。錬さんは青筋を立てている。普通はリュック、人によっては小型のカート。レンさんは小型のカートに頑丈そうな箱が設置されている。沙羅はブランド物のリュクだ。
鎧の上に陣羽織、更にブランド物のリュック。似合わない……。口が裂けても言わないけど。
「おいおい、どうすんだそれ。そんなん引いてたら、
なんてガラの悪い。これでここのギルドのトップシーカーだなんて……。
はにわくん、召喚!
「はにゃ~」
「はにわくんだ!」
なぜか、沙羅とはにわくんがハイタッチ。君たちそんなに仲がよかったのか?
「なんだ、そいつは! お前のマギか!」
小太郎を抱えて錬さんに見せる。
「にゃ~」
「そういや、そのちび助だったな……」
あなたが立ち会ったんですから、忘れないでください。
「はにわくんは、俺のアビリティで呼び出した眷属です」
はにわくんに革ベルトに改良した物をセッティングしリヤカーとドッキング。小太郎は俺からリヤカーの定位置に移動。さあ、出発だ!
「「……」」
どうしたんですか? 行かないの?
再起動した二人が動き出す。沙羅は水龍を召喚。水龍は小太郎と挨拶している。
錬さんは防具を装備していない。俺たちの行くエリアなら必要ないそうだ。武器はバスタードソードをカートに括り付けている。マギは羅刹と夜叉という
昔はもっと凄い
「戦争なんてものはな、生産性のない消費だけの行い。失うもののほうが多い、本当にこの国は愚かな選択をした。愚かな極みだ」
そんな話をしながら、いつもの採掘場に向かう。現れる
採掘場に着いて、はにわくんを開放。周りの警戒をお願いする。俺はいつもの鉱脈につるはしを振り下ろす。
「葛城が言ってた意味がわかったぜ……まさに鉱夫」
なんとでも言ってください。武器集めもいいけど、貯金はコツコツとですよ。
沙羅ははにわくんと
「ああ、知ってるぜ。まだオフレコ状態だがな」
この
自衛隊のエリート部隊が探索しているが先が見えず。レギオンの招集もされたようだ。それに錬さんも参加したので内情がわかって、オフレコなのだが当事者の一人として話してくれているわけだ。
俺たちが落ちた穴を無理やり改造して入口にしたらしい。結構な高さがあったはずだがさすが自衛隊、人も金も豊富のようだ。
そしてやはり、たまにアイテムを落とす。ポーション類から何に使うかわからないものまでいろいろ確認されている。武器防具はまだ確認されていない。どうやら自衛隊だけでなく、国の機関でも大騒ぎになっているらしい。
あそこを見つけた情報の報酬は期待できると錬さんは言っているが、でも五人で分割るからどうだろう?
錬さんが行った時に現れた
一応、地下は取りあえずアンダーグラウンドワールドと仮で呼ぶらしいが、レギオンの人たちはダンジョンと呼んでいる。ダンジョン、いい得て妙だな。
アンダーグラウンドワールドなんて長ったらしい名前より、ダンジョン、迷宮のほうがしっくりくる。仮であったとしてもアンダーグラウンドワールドなんて名付けるなんてセンスがない。そのセンスのない俺が言うのもなんだけど。
無理やり作った入口以外、まだ出入口は見つかっていない。まだオフレコの状態だが、レギオンによって情報は流れている。なので、自衛隊以外の組織の多くがダンジョンの探索を希望している。まだどうなるかわからないが、うちの光明真会からも
なんといっても当事者の俺が所属しているので、強気で出ているとか。沙羅もうちの組織に加わったので、更に拍車がかかるかもしれない。
新しい場所には新たな資源が期待できる。前回手に入れたアイテムの丸薬は鑑定されていて回復薬だとわかった。ギルドで買えるポーションより、効果はてきめんだが非常に苦いらしい。
安いポーションでも数万するのだから、その価値は計り知れない。
俺には無限回復の風月があるので必要ないが、お金になるなら話は別だ。
是非とも参加したいな。
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