「週刊誌記事」

二×××年七月二十日、某県某市某村で爆弾事件が起きた。

それは日本屈指のテロ事件のひとつ、サワイ事件とされる。

元々廃村の決まっていた村であった。

その村の最後の夏祭りの日、神社の境内に爆弾が仕掛けられた。

これはとあるテロ事件の予行練習として実行された、との発表である。

赤い紐でグルグル巻きにされた爆弾は一見「プレゼント」のように見えた。

神社の賽銭箱の前に置かれていたのを早朝、眼の悪い祖母と共に神社に散歩にやって来た少女が見つけたのであった。

彼女は夜の祭の時、仲の良い幼馴染達に見せようと思いそれをわかりにくい場所に隠した。

そして夕方五時、丁度境内に人が増え始めた時間にその爆弾は爆発した。

多数の村民が死亡、残された者達も怪我を負った。

そしてその村は早々に「消えた」のである。

今は若者の心霊スポットとなっているが、その廃村の一角、一番奥の学校の近隣は完全に封鎖されており誰も近づく事が出来ない。

定期的に警察の見回りが行われているとされるが、一部では自衛隊によって守られているという噂もある。

その学校に何か秘密がある。

そういう噂も絶えない。しかしその学校に行く道は既に生い茂る木々に阻まれ簡単にたどり着けないのだと言われる。都市伝説はどこか嘘臭くなくてはいけない。どこの誰が、少女だけで構成された国防組織がこの国に実在すると信じるのだろうか。しかも完全に情報が統制された状態でそんなものがあるなんて。非現実だ。まるで良く出来た小説のようではないか。

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