森へ

会議から3日後、メルシャンの目を盗んでトルムとアルマで森の前まで来た。


「いいかアルマ約束した事をもう一回確認するぞ!1つ、アルマは森に入らない事!入るとゴブリンとかいて危険だからな!2つ、俺から離れない事!いいな??」


「わかった、父さん。」


「うむ」


トルムはアルマに言いつけると頭をワシャワシャ撫でる。アルマは痛い様な嬉しい様な複雑な顔をしている。


「よし、じゃあ探すぞ!!魔石を見つけたら父さんに教えろよ。」


「わかった。」


トルムとアルマはお互い健闘するように握手をして張り切って魔石を探し始めた。お昼ご飯を挟みまた魔石探しをしているが魔石は全く見つからない。ちなみになぜお昼ご飯があるかといえばトルムがメルシャンに「アルマと森の前で遊んでくる」と言ったら、メルシャンは微笑んでお昼ご飯持たせくれたらしい。母さん何か気づいてるよね、絶対に。父さんも嘘が下手なんだよ、、、。


「父さん、見つからないねぇ。」


「見つからんなぁ、簡単に考えてた父さんが甘かったなぁ」


少しシュンとしてしまったトルムがいる。森のどこかでゴブリンの1体はやられて魔石の1つはあると思ったトルムとアルマが甘かった。


「アルマ、父さんは森に少し入って魔石を探してみるからアルマはここで待ってなさい。」


「大丈夫?父さん??ゴブリンにもギリギリなのに森から生きて帰って来れる??」


「アルマ、、、父さんをいじめないで、、、頼む(涙)。だ、大丈夫だ!!深くには行かないしすぐ帰ってくる。んじゃいってくる。」


トルムは右手に斧を持って草木を薙分けながら森へ入っていく。アルマは言われた通りにジッと森の前に待っている。


少し時間が経ち暇になったのか座って足をブラブラさせながらキョロキョロと辺りを見渡すと、


「なんだあれ??」


アルマはふと気になる所があったので歩いて見にいくとそこには草木が切られて地面が凸凹ではあるがしっかりした道ができていた。


「父さん、、、絶対森にあまり来てないよね。こっちにちゃんと道があるじゃんか。なんで草木を掻き分けて入っていったのさ。はぁ〜心配だなぁ。」


アルマは額に手を当てながらため息をつき、トルムの心配と森へ入る冒険心からアルマは辺りに気をつけながら森へ入ってしまった。


森の中はたくさんの木々に覆われ木々の隙間からは木漏れ日が注いでいる。時より鳥の鳴き声や爽やかな風がアルマを包む様に吹き抜けて、地面にはキノコや薬草らしきものが生えている。


「へぇ〜森の中に初めて入ったけどなんんか気持ちがいいなぁ〜。ちょっとジメッとする場所もあるけど風は気持ちがいいし、、、何より少し冒険している気分になるよ!」


歩きながらアルマはそんな事を心の中で呟き近くにあった細長い枝を取ると、、


「私は勇者アルマ!!聖剣、、、なんだろトルム(笑)、、、でいっか聖剣トルム(笑)を携えて魔王を倒しに来た!!覚悟!!」


そういって木の枝をブンブン振り回して遊んでいる。そうこうしてると、


「あっと、危ない危ない遊び過ぎて森の奥へ行くところだったよ。父さんは見つからないから引き換えそうかなっと。」


来た道を帰ろうと振り返ると来た道に野うさぎがチョンと座っていた。


「野うさぎだ!よし、聖剣トルム(笑)で魔王野うさぎをやっつけてやる!」


一応気配を消すようにジリジリ近づくが


「あっ!!待て!!逃げるな!!」


野うさぎはアルマの気配に気づき逃げてしまう。あわててアルマは野うさぎを追う。


野うさぎはアルマに追われた事もあり森の入り口の方へ逃げて直後左へ直角に飛び跳ねて逃げた。それを見てアルマも野うさぎが逃げた左へ向けてジャンプして凸凹道から逸れてしまうがすぐにプニョんっという柔らかくも硬いようなモノにぶつかり弾かれる。


「いたたた、、、なんだ木にぶつかったのかなぁ。でも少し柔らかかったなぁ。」


そういい顔を上げて前を見るとそこには右手に首を握り潰してすでに絶命してる野うさぎを持つゴブリンがいた。


目の前のゴブリンにアルマは頭が真っ白になる。目は黄色で大きく、耳は小さいが先にいくにつれて尖っている。口は全部の歯が尖っていて鼻は豚っ鼻のようだ。体中が緑色で覆われていて、手足は太く、爪は人などすぐに刺せるくらいに尖っている。アルマが当たったのはちょうどゴブリンの下っ腹のようだ。ポチャッとした腹をしている。


『ブフゥ〜ブフゥ〜』


ゴブリンは鼻で息をしながらアルマを見下ろしている。まだ見ているだけで動いていない。


「ゴブリンだ、、、どうしよう。父さんでも大怪我したのに僕だったら死、、、」


その瞬間にアルマは死の感じたのか立ち上がるとすぐに森の入り口へ走り出す。後ろからは『ブブフゥ〜』という声をあげなからゴブリンが後を追ってくる。明らかにゴブリンの方が早くすぐに追いつかれてゴブリンはアルマを頭を掴む。


「やめろ!!離せ、離せ!!」


そういいながら手足を力の限り振り回すと先程から手に持っていた聖剣トルム(笑)が不運にもゴブリンの右目を掠めて傷を負いゴブリンはアルマを手から離してします。


『ブルウアアアアァァ』


ゴブリンが右目を抑えながら声を荒らげ怒っている。アルマは逃げないといけないとわかっているが腰が抜けて逃げられない。ズンズンと足音を立ててアルマの目の前に来たゴブリンは腕を振り上げで爪を伸ばしてアルマを串刺しにするようだ。


「ダメだ、、、父さん助けて」


呟きながらアルマはゴブリンを見ているがその瞬間ゴブリンは腕をアルマの顔に向けて串刺しにするように振り下ろした。


「うわぁぁぁぁぁぁ」


ゴブリンの爪がアルマの顔に突き刺さる


その瞬間、、、


アルマの周りが半分は白く輝きまた半分は黒く輝き天に伸びるような巨大な柱が発生したのだった、、、、

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