誕生日

「第5回メルシャン誕生日会議を行いまぁ〜す!!!!」


「はぁ、、、、。」


「おいおい、アルマ乗りが悪くないか??今からメルシャンの誕生日をどうするのか話し合うんだぞ??」


「いえ、その事に関しては率先して参加しますし考えますが、、、なんでこんな畑の端っこで正座してるの??しかも第5回って母さんはどんなにみても2じゅうもがごきゅ、、、」


話の途中でアルマは父親に口を塞がれる。トルムは「はぁ〜」と小さくため息をしてアルマの方を向く。


「いいかぁアルマ。こうゆうのはメルシャンに黙ってて後でびっくりさせるのがいいんじゃないかぁ!!嬉しくてびっくりした時のメルシャンはなんつ〜かこぅ可愛いじゃん(照)」


メルシャンが驚いた顔を想像しながらニマッと顔が緩んだトルムだった。


「はいはい、父さん照れ乙。」


「いいんだよそんな事は(照)。ようは今回の誕生日は何をしますかって話だ!!第5回なのもアルマが生まれて始めたから第5回でいいんだ!!」


照れを隠しながらトルムは話した。トルムはメルシャンに一目惚れだったらしい。


トルムとメルシャンの馴れ初めだが、トルムはこの村の人間でいつも通り畑仕事をしていた。すると近くから馬の鳴き声がして駆けつけるとゴブリンに商人の馬車が襲撃されていた。慌ててトルムは棍棒を持ってゴブリンを追い払うがトルムは戦闘経験などない為、ゴブリンを追い払いはしたものの腕や足に大怪我をしてしまう。


ゴブリンを追い払うとすぐに馬車から2人の人間が出て来た。メルシャンとメルシャンの父親だ。トルムを見つけたメルシャンはトルムに駆け寄り大怪我を見て治療するためにトルムの家に向かった。その後はトルムのケガが治るまでメルシャンが食事や畑仕事など代わって行い、それを見たトルムは惚れてしまったんだと。


トルムのケガも治ってメルシャンが村を離れようとしたら今度はトルムがメルシャンをなんやかんや話をして引き止めようとした。メルシャンも笑いながら村に留まりトルムの畑仕事なんかを手伝っいたらメルシャンが身籠り5年前に俺、アルマが性を受けたというわけ。そんな話を母さんから聞いた時はびっくりもしたがこの父親と母親ならありえると妙に納得している。


でも最近は、少し目を離すと2人でイチャイチャするのは少し直してもらいたいかなぁと思っている。


話を基に戻すと、、


「父さん、去年は何をしたかな??」


「ん?去年か?去年は〜」と言いながらトルムは顎に手を当てて考える仕草をしながら、


「去年はあれだな、村で取れる食材を使って〝けーきぃ〝なるものを作らなかったか??」


「あぁ、でしたね、、、頭から抹殺してました、、、」


アルマはシュンとして頭を下げた。去年はミストルで流行っているという〝ケーキ〝を作ろうとミストルから月一回くる商業馬車に頼んでケーキのレシピを入手してケーキを作成したが結局男2人にはお菓子作りの才能はなく白くドロドロした甘いモノが出来ただけだった。


でもメルシャンは甘くておいしいと喜んでくれたので父さんと2人で喜んだのを覚えている。


「それで父さん、今回は何か考えがありますか??」


アルマから尋ねられるとトルムは「フッ」と笑いながらアルマに説明した。


「去年の失敗はやはりお菓子作りは男2人には無理だったと思う。だから今回はお菓子でなくこれを作ろうと思う。」


そう行ってトルムはアルマに何か書いた紙を見せた。


「髪留め、、、ですか??」


「そうだ!!髪留めだ!!メルシャンは綺麗な金髪でしかも長いからな!いつも畑仕事の時は邪魔そうにしてるから今回はこれだ!!」


トルムはアルマに詳細な事を教えた。髪留めは軽くて丈夫なトリムの木を使い、棒状に加工して片方は尖らせてもう片方の先端を少し装飾するらしい。


「父さん、装飾はすごくいいアイデアですがどうするの??ミストルに買いに行くにしてもそんなお金どうするの??」


「そこだ、アルマ!!うちは生活には困らないがお金はほとんどない!!ミストルに行っても宝石は買えないだろうなぁ。だから父さん考えました!!」


トルムの話を聞くと村の西側には森がある。ここには野うさぎの他にゴブリンがいて倒すとかなり小さいが魔石も落とすらしい。これを取りに森に入って髪留めの装飾にする計画らしい。


「危なくないですか??父さん昔ゴブリンと戦って大怪我してるでしょ??」


「うぅ、、よく覚えてるなアルマ、、、、しかし今回は森の深くには入らない。浅く周りを探して小さい魔石を見つけるだけだ。ちなみにアルマは家で留守番だからな!」


「嫌です!僕も行きます!森に入りませんし父さんの近くにいます。父さんと僕の贈り物なんだから!!ダメ、、ですか、、、??」


アルマの子猫の様な目で見つめられて「ん〜」とトルムは少し考え込んではぁ〜っとため息をついて首を縦に振った。その後、父さんには絶対に離れない事、森の中に入らない事を絶対に守るよう約束をしてメルシャン誕生日会議は終わった。

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