大小

 積み重なっていくものが嬉しかった。


 積み重なっていくものが憎かった。


 積み重なっていくものが悲しかった。


 積み重なっていくことに満足していた。


 嬉しい、悲しい、憎い、そんなことばかり考えて大人になっていった。


 そんなことだから、夜にとんでもないことを思い出して身震いをする。


 小人こどもっていうのは、小さい人って書いて小人こども


 大人っていうのは、大きい人と書いて大人なのだから


 今の僕はきっと大人と言われている人なのだろう。


 でも、未だに僕は自分がわからなくて、


 小さいことで満足して、小さいことで自暴自棄になる。


 大きいことができなくて、それでも『今に見てろ』って踠いてる。


 ガキだよな、小さい人間だよな、って思いながら。


 ガキの頃に買ってもらったウォークマンで偏見の塊を聴きながら、


 僕は大きいこの世界を歩く。

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