第14話

一夜明けて、祝日。

「花火を買うんだ」

開口一番北澤が言う。

「花火? 二人でするのか? 」

「まさか。友達が来るんだよ」

「友達。・・・知ってる奴? 」

「お前は知らない。初対面だよ。七人くらい来るかな」

「ふうん」

 とりあえず僕達は近所のスーパーへ花火を買いに行った。

 北澤は花火が好きだ。皆からカンパをもらっている癖に、さらに僕からも徴収して何袋も花火を買った。

 夜七時頃団体が到着して、玄関で迎えた僕は面食らった。黒く強い瞳、彫りの深い顔、輝く金色の髪etc・・・。彼らは全員外国人だったのだ。

「あれ、言わなかったっけ。英会話サークルの仲間だよ」

 改めて紹介される。メキシコ、ペルー、ブラジル、韓国、イラン・・・。

 忘れかけていた英語を引っ張り出し、必死であいさつする。瞳の強い光に押されつつも、どこかで見た事がある、と思った。

 ああ、そうだ。

 北澤の瞳と同じなんだ。

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