第7話

 彼は非日常と単純とを僕にくれる。

 僕が失ってしまったもの。

 だからと言って、何故彼なのだろう。

 僕が欲しいのは時々の非日常であり、非一般ではないのだ。


 ゲイでは、ないと思う。

 今まで女の子と付き合ってきたし、男が好きと言う訳ではない。

 北澤だから、好きになったのだと思う。

 意識したのは、あの頃からだ。

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