南方の神がみが

南方の神がみが

いざいざと沼によりて

樹の根元より掘り出し

 喰らう


南方の神がみの

いざいざと騒ぎあいて

硬き骨を砕いて

 喰らう


逞しき顎と鮮やかなる牙の

ごりごりと

骨に刺さり砕きて

 飛散せる


  飛散せる


南方の神がみが

噛みかみては吐き

砕きては吐き

大いなる口を真黒く剥いて

喰らう 喰らう 掘り出したる骨を喰ら

いても喰

らいて

もな


ひとすじの啼泣の

消えむことなく

沼より

立ち上り


南方の

神がみの

息を

奪う


啼泣が

息を奪う

その啼泣が

沼より 深き沼より

立ち上りて神がみの

南方の神がみの

息をば奪いけり


そして沈黙

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