1-17『ミキと凛音4』
ミキが目を覚ましたとき、彼女は硬いベッドの上に寝かされていた。
体にかけられた毛布はなんだかかび臭い。
ベッドから起き上がると、殴られた頭がずきりとした。
鼻血はすでに止まっており、乾いて唇にこびりついている。
両手は自由になっているが、手錠のこすれたあとが手首には残っていた。
(ここはどこだろう?)
ミキは肌寒くてかび臭い毛布を引っ張り上げる。
彼女が寝かされていたのは、畳二枚分くらいしかない窮屈な部屋だった。コンクリートの床と壁が剥き出しになっており、鋼鉄製のドアには鉄格子のはまった窓がついている。部屋の隅にはネズミでも出てきそうな洋式トイレが置かれていた。
(もしかして……牢屋なのかな?)
解放軍に連れ去られたということは、ここは東武市にある解放軍の基地なのだろう。軍隊の基地なのだから、命令違反をした隊員を閉じ込める場所くらいあるはず……と考えていたところで、ミキの腹の虫が大きな音を立てた。
それからしばらく待っていると、ドアの中程にある差し入れ口から、食事の載ったトレイが押し込まれてきた。食事を持ってきた人と話したかったが、ミキが話しかけても返事をしてもらえず、そのまま足跡は去って行ってしまった。
食事は固く冷たいパンと缶詰から出したとおぼしき魚肉の油漬けで、食べさせてもらっている身で文句を言うのもよくないのだろうが、ミキの口には味気なく感じられた。
(一人きりの食事なんて初めてじゃないかな?)
もそもそとパンを食べながら、そんなことを漠然と考える。
瓦礫街で暮らしていたときは、これよりもっと酷いものを食べていたし、そもそも食事を抜かざるを得ないときもあった。それでも、大好きなお姉ちゃんと一緒なら耐えられたし、お互いを励まし合えたものだ。
それが一人になるだけで、胸を締め付けられるほど寂しいなんて……。
食事を終えてしまうと、ますます鬱々とした気持ちになってくる。
(私はどうなってしまうんだろう? まさか、このまま処刑されたりとか……)
最悪な想像をしてしまって、ミキは意図的に思考を断ち切った。
この状況ではいくら考えても悪い方に向かってしまう。
彼女にできることは忍び寄る睡魔に身をゆだねることだけだった。
……がしゃん!
鋼鉄製のドアが開く音で、ミキはベッドから起き上がる。
眠りこけていたせいで、頭が少しぼんやりとしていた。
「何もされてない?」
聞こえてきたのは凛音の囁くような声である。薄暗い電球に照らされている彼女はいつもより小さく見えた。それもそのはずで、彼女はいつもの軍服を着ておらず、粗末な肌着を身につけているだけなのだ。
「私は平気だけど……でも、凛音さんは……」
ミキはすぐさま凛音に駆け寄る。
暗くてすぐには分からなかったが、凛音の両腕には無数の傷ができていた。細い棒か鞭で何度も叩いたのだろう……傷跡は幾重にも重なっており、赤黒く腫れ上がっている。よくよく見てみると、無数の傷は背中にまで広がっており、肌着にはうっすらと血が滲んでいた。
凄惨の一言である。
目を背けたくなるような有様だったが、ミキは絶対に凛音から目を離さなかった。
ここで目を背けたら、痛みに耐え抜いた凛音の心を一人にしてしまう。
「マグノリアにやられたの!?」
ミキの質問に対して、凛音は首を横に振る。
「マグノリアは……絶対に自分の手を汚さない……」
「どういうこと?」
「ゼロ部隊の隊員が命令違反をしたら、部隊の仲間たちにお仕置きをやらせるの。お仕置きをためらったりしたら自分も同罪になるから、怪我させることを分かっていて本気で叩くわ。もちろん、私も仲間の体を叩いたことがある」
「そんなのおかしいよっ!!」
ミキは思わず凛音の両肩をつかんでしまう。
「いたっ……」
「ご、ごめんなさい……」
案の定、凛音が痛がったので手を離すしかなかった。
ミキの胸の奥からマグノリアに対する怒りがわいてくる。
(本当はお仕置きをしたくない? そんなのは嘘だ!)
マグノリアは支配することを楽しんでいる。子供たち同士にお仕置きをさせたら、お互いに迷惑をかけられなくなって、なおさらマグノリアには反抗できなくなる。お仕置きをやらされている方だって、罪の意識で押しつぶされそうになるはずだ。
綾乃がマグノリアを憎む気持ちも分かる。こんな方法で子供たちを支配する人間は野放しにしておけない。そして、こんな人間のところに妹にも等しい存在を置き去りにしてしまったのだ……自分の無力を呪いもするだろう。
「でも、どうしてこんなところに――」
「逃げるわ」
凛音が不意にミキの手をつかむ。
彼女に引かれるがまま、ミキは牢屋から外に出た。
牢屋の外はコンクリートが剥き出しの通路になっていた。ミキが閉じ込められたのと同じ部屋が左右にはいくつも並んでいる。幸いにも見張りの姿はない。廊下の突き当たりには鉄格子のドアがあり、すぐ横の壁では赤色のブザーが不気味に光っていた。
「逃げるって……そっか、分かってくれたんだ!」
「声が大きいわ」
廊下の突き当たりまで来ると、凛音がいきなり壁のパイプをよじ登り始めた。天井にある通気口のふたを外し、怪我をしているとは思えない動きで潜り込む。
「ほら、手をつかんで」
「う、うん……」
ミキもパイプをよじ登り、凛音に体を引っ張り上げてもらう。
通気口の中はほこりまみれだったが、小柄な二人が通るには十分な大きさだ。
先行する凛音に続き、ミキは通気口を這って移動する。
ファンの回る音が遠くの方から反響して聞こえてきた。
「でも、よかった……凛音さんが逃げる気になってくれて……」
ミキは内緒話をするような小さい声で話しかける。
「二人で一緒に月兎隊の事務所まで――」
「……静かに」
再び凛音に言葉を遮られる。
通気口のふたから下を覗いてみると、そこは広々とした仕事部屋になっていた。作業机が一つきりのところを見ると、それなりに地位のある将校の個室らしい。革靴の足音が聞こえるので、どうやら部屋の主が戻ってきたようだ。
「っ……」
ミキは危うく声を上げそうになってこらえる。
部屋に入ってきたのはマグノリアだった。
彼女は作業机に寄りかかり、いつものように煙草を吸い始める。
煙草の煙たい匂いが通気口まで漂ってきた。
ミキは息を殺して、立ち去るべきタイミングを見計らう。
すると、マグノリアが作業机の固定電話でどこかに電話をかけ始めた。
外国語で会話が行われているため、ミキには内容がさっぱり理解できなかった。けれども、マグノリアが不敵な笑みを浮かべていたので、ろくでもないことを話しているのは分かる。唐突に笑い出したときなど、明らかな嘲笑の色が感じられた。
それにしても、どうしてこんな時間に……と疑問に思って、ミキはすぐ答えに至る。外国語で話しているということは、もしかしたら海外に電話をしているのかもしれない。こちらが夜明け前でも、電話の相手は昼間の可能性がある。
それから、マグノリアの電話は10分近くにも及んだ。
彼女は電話を終えると、早足で部屋から出て行ってしまう。
ミキと凛音はようやく、再び通気口を進み始めた。
「何を話してたんだろうね……」
外国語だから分かるはずないけど、と思いながらミキは呟いた。
けれども、凛音はよい意味で予想を裏切ってくれる。
「魔力爆弾のことを話していたわ」
「凛音さん、外国語が分かるの?」
「外国語って……タイラン合衆国の公用語よ。それくらい叩き込まれているわ」
「あっ、そうか! マグノリアはタイラン合衆国軍の人だもんね!」
それに凛音は軍人一族の生き残りで、幼い頃から一族再興のために期待されていた。
主要な外国語くらい教わっていて当たり前か、とミキはようやく思い出した。
「でも、魔力爆弾だなんて……」
魔力爆弾が秋津国の首都に落とされたのは10年も前のことである。そのときにできたのが機械迷宮で、解放軍の人間であるマグノリアが話題にすることもあるだろうが……わざわざ、そのことだけで10分近くも話すだろうか?
「マグノリアは魔力爆弾を回収すると言っていたわ」
「魔力爆弾を……あ、そうかっ!」
機械迷宮は野良戦車の巣の集合体である。それはつまり、複数ある野良戦車の巣を一つにまとめてしまうほど、強力な魔力の供給源……すなわち『核』が存在するということだ。
その核になっているものこそ、10年前に投下された魔力爆弾が消滅せずに残ったものなのだろう。そんなものが残っているとは、ミキだって思いもしなかった。
「それじゃあ、マグノリアは!」
「魔力爆弾をもう一度作るつもりでしょうね」
「そんなこと……絶対に許されないよ!」
魔力爆弾が人類に与えた被害は計り知れない。投下から10年が経過してもなお、こうして野良戦車の被害が続いているくらいだ。
今日も世界のどこかで、罪のない人たちが、野良戦車に命を奪われている。個人の命に興味がない偉い人たちだって、野良戦車を倒すためにお金をたくさん使うことになって困っているはずだ。
「世界では冷たい戦争が始まっているわ」
凛音が体温の抜け落ちたような力ない声で言った。
「タイラン合衆国とシヴァレル連邦共和国、この二大国が世界で覇権を争っている。でも、表立って戦争はしない。両者ともに考えていることは一つ……敵国よりも強力で、遠くまで届く兵器を作り、軍事力で牽制すること。そのためには魔力爆弾が不可欠だわ」
けれども、魔力爆弾を開発したタイラン合衆国の軍人、アドリオ・マドガルドは数年前に亡くなっている。そうなった以上、機械迷宮に残っているはずの魔力爆弾を回収するしか方法がないのだろう。
「魔力爆弾が作られたら、また使われるに決まってる!」
ミキにだって人間の素晴らしさは分かる。
でも、人間の悪いところはもっと分かる。
強力な武器を手に入れて、けん制だけで終わらせられるとは思わない。実際に魔力爆弾を落としたアドリオ・マドガルドのような人間が再び現れる可能性もある。それに何より、結局は自分が一番になりたいだけという二大国の考えがミキは気に入らない。
「魔力爆弾のある場所は話してた?」
「龍の巣……そこにある穴を降りた先だって……」
「この前のやつ!」
マグノリアの言っていた調査が何のことだか分からなかったが、まさか魔力爆弾のことだとはミキだって思いもしなかった。彼女は魔力爆弾を回収することが任務だったのだろう。
そんなことのために凛音を……ゼロ部隊の少女たちを意のままに操り、いたずらに傷つけてきたと思うと激しい怒りがわいてくる。
「回収の決行は明日だと……ゼロ部隊だけで行うと言っていたわ」
「明日!?」
あまりの急さにミキは驚かされる一方で、まだ回収されていないことにホッとした。
それに凛音と脱出するのが今でよかった。
あと数時間でも遅れたら、彼女は脱出の機会を失っていただろう。
通気口の終わりがついに見えてくる。
凛音が正面についているふたを取ると、涼しい外気が通気口に吹き込んできた。
ミキと凛音は通気口の出口から屋外に這い出る。
「ここは……」
二人の出た場所は大きなコンテナの陰だった。
コンテナの陰から覗いてみると、わずか10メートルほどの距離にフェンスが見える。外灯から離れているため、フェンスの周囲はかなり暗くなっていた。見回りの歩哨もおらず、絶好の脱出ポイントである。
フェンスの向こう側は未整備の荒野が広がっており、さらにその向こう側には東武市の町並みがうっすらと見える。
建物の奥の空は少しずつ白み始めたところで、そろそろ夜明けを迎えようとしていることが分かった。
「あの草むらのところ……隠れて見えにくいけどフェンスが破れているわ。この前、コンテナを運んでいる途中に作業機械がぶつかったの。まだ修理されていないから、あなたの体なら通れるはずよ」
「分かった……ほら、今のうちに行こう!」
ミキは凛音の手を握って走り出そうとする。
しかし、
「……私は行かないわ」
凛音はそう言って、ミキの手を振り払ってしまった。
コンテナの陰から飛び出す寸前、ミキは危ういところで踏みとどまる。
彼女が血相を変えて振り返ると、そこには全てを諦めた凛音の姿があった。
「ありがとう、ミキさん。私を救おうとしてくれて……」
「ま、待って!! 一緒に逃げるんじゃないの!?」
そんな悲しい言葉が聞きたかったんじゃない。
最後によい思い出を作ってあげたかったわけでもない。
「これからだよ!! 全てはこれからなんじゃないの!?」
ミキは凛音の手を握りしめる。
彼女の手は氷のように冷たく、そして握り返そうとする気配もなかった。
まるで死体の手を握りしめているかのようでゾッとさせられる。
それでも、ミキは凛音のことを諦められない。
「凛音さんの居場所はここじゃない。ゼロ部隊に残っていても、あなたはマグノリアに利用されて、傷つけられてしまうだけ。そんなことになるくらいなら、苦しんでいる綾乃さんのためにも私と一緒に来てっ!」
凛音は優しい子だ……それをミキは知っている。
ここに連れ戻される前だって、一度は決意しようとしてくれた。
マグノリアの洗脳はそんなにも強固なものなのか?
(本当にあの人の命を奪うしか……いや、そんなことをしても駄目だ!)
凛音は何もかも自分が悪いのだと思い詰めてしまう……否、思い詰めるような状態に陥らされている。
マグノリアを殺したところで、彼女は『自分のせいで他人様に手を怪我させてしまった』と罪の意識にさいなまれるだろう。
そうなると、やはり、この呪縛を破れるのは凛音自身だけなのだ。
自力で立ち上がらない限り、ここからは一歩も進むことができない。
(考えろ! 考えるんだ、私!)
ミキは自分自身に強く言い聞かせる。
それなのに励ましの言葉一つ思いつかない。
時間だけが無情にも刻一刻と過ぎ去っていく。
そして、見えないタイムリミットはすぐ後ろまで迫っていた。
突如、背後から強烈な光が差し込んでくる。
夜明けを迎えたのではない。
それはあまりに無機質な人工の光だった。
「ここで行き止まりよ」
もはや声を聞かされただけですら背筋が震えてくる。
ミキが恐る恐る振り返ると、マグノリアが薄ら笑いを浮かべて立っていた。彼女は右手に持った携帯ライトで、舐めるようにミキと凛音を照らしている。
「全く……こんな時間に電話させられてなければ気づかなかったわ」
舌打ちするマグノリア。
「ほら、さっさと外に出る! 私の手を煩わせない!」
ミキと凛音は仕方なくコンテナの陰から出る。
マグノリアの周りには数人の男性軍人たちが控えていた。
男性軍人たちはミキと凛音にライフル銃を向けている。
魔力の強さや相性に左右されず、誰にでも使える火薬武器のライフル銃は、戦時中の時点で軍隊に広く採用されていた。
火薬武器の発砲事件は瓦礫街でも起こっているので、その危険性はミキもよく知っている。
(この状況から、どうやって脱出したら……いや、その前に凛音の説得も済んでない)
ミキの体に絶望が重くのしかかってくる。
どれだけ考えても助かる術が思いつかない。
月兎隊の仲間たちと一緒に戦ったとき、ミキは自分が強くなれたように感じた。でも、それはあくまで野良戦車を相手にしたときだけのこと……本当の悪を相手にした途端、自分は単なる瓦礫街の孤児に戻ってしまう。
「お願い、マグノリア!」
ミキの背中に隠れていた凛音が、涙を浮かべてマグノリアの前に跪いた。
彼女は深々と頭を下げて、マグノリアの靴に額をこすりつける。
あまりに悲痛な凛音の姿から、ミキは思わず目を背けてしまった。
「ミキさんは……ミキさんだけは見逃して! 私はどうなってもいいからっ!」
「うーん、信用できないなぁ……凛音はいつも私を裏切るからなぁ……」
マグノリアがおもちゃで遊ぶように凛音の頭を靴底で踏みつける。
凛音の美しい白髪が土と砂にまみれて汚されていった。
「お願いします……お願い、します……」
「もうやめて、凛音さんっ!」
凛音の体を引きはがそうと、ミキは前に飛び出そうとする。
瞬間、マグノリアが力任せに彼女の顔を殴りつけた。
右手に握られていた携帯ライトの電球が砕け散る。
ミキの頬に熱い痛みが走り、たらりと赤い血が垂れてきた。
「凛音ちゃんがせっかく命乞いしてくれてるんだよ。それを無駄にするつもりかな?」
「り、凛音さん……そんなこと、しないで……」
ミキの言葉はもう凛音に聞こえない。
マグノリアに視線で促されて、ミキはフェンスの方に歩かされる。
彼女がフェンスを背にしたところで、マグノリアが無理やり凛音を立ち上がらせた。
「月兎隊の新入りちゃん……あんたはメッセージ係だよ。これから起こることを宇佐見綾乃にしっかりと伝えるんだ。まあ、知ったら絶望して死んじゃうかもしれないけど、そのときは元上官としてお葬式くらいには出てやるよ」
マグノリアがスーツの懐から一本の注射器を取り出す。
彼女はそれをいきなり凛音の首筋に突き立てた。
薬液が注入された途端、凛音の顔つきがとろんとし始める。
彼女はマグノリアの体にしがみつき、定まらない視線で荒い呼吸を繰り返した。
「凛音さんに……何をしたの?」
「何をしたって、素直になれるお薬を注射したんだけど?」
マグノリアが指先で凛音の首筋をくすぐる。
「瓦礫街では本当に便利なものが手に入るね。うちの本国ではとっくに違法だよ」
ミキは自分の体から血の気が引いていくのを感じた。
人間の心と体を壊す危険な薬品が、この世界にたくさんあることは彼女も知っている。瓦礫街の闇市でも頻繁に取引が行われていた。
薬品におぼれた人間の末路がどんなものか、この目でハッキリと見たこともある。
「私の任務もすぐに終わるから、まあ……ここが使い時だったかな?」
「そんなっ……それだけのことで危険な薬を使ったの!?」
マグノリアの任務は魔力爆弾を回収することで、目標は今日中に達成される予定だ。そうなったら、彼女にとってゼロ部隊は用済みになる。必要なくなるものだから、壊れてしまっても構わないとのだと……。
(それが人間の命に対する態度?)
あまりにもむごすぎる。
同じ人間のできることとは思えない。
「逃げて……ミキ……」
うわごとのように呟いている凛音。
壊れたフェンスの隙間を抜けて、ミキは解放軍の基地から脱出する。
「うあああああっ!!」
悔しくて、ふがいなくて、自然と叫び声があふれ出た。
魔力爆弾の爆発で吹き飛ばされたまま、舗装もされていない荒野をがむしゃらに走る。
解放軍の基地から東武市の街までは遙か遠く、辿り着いた頃にはきっと夜も明けているだろう。けれども、ミキの目の前は夜の闇よりも真っ暗になっていた。
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