第70話 性描写あります。18歳未満&抵抗のある方はご遠慮ください。

 なるほど、その手できたか。

 だけど、大人しく抱かれてやるもんか。

 抵抗してドタバタと交戦していたが、そのうちサイドに置かれてる何かを手に取り、それを私の身体に少し付けた。何を付けた?

「ヤメロ!」と言って逃れようとしたが、アンソニーは何かを口に含み顔を近づけてくる。


 攻防が激しくなり激戦となったが、アンソニーは仕方なく口に含んだものを飲み込んで、下から、そう私の足の方から攻めてくる。


 「ふっ…」


 ん、今の何?

 「んんっ…」


 ぞわわっ…!と、何かが背を這ってくる感じがしてくる。

 でも、私の背はベッドのシーツとくっついている。

 「はぁ…」

  

 なんか、色っぽい声か、溜息が聞こえてくるのは幻聴か?

 アンソニーは、一体どうしたんだ?

 そうしたら、履いてるスラックスのジッパーを開く音が聞こえてきた。

 え、もしかして…、さっき飲み込んだものはその手の物か。

 そういえば、私の身体にも…、どこかに付けてくれたよな。


 「ふ…」

 アンソニーの鼻の掛かった、その手の声を聞くのは初めてだ。


(仕方ない、恨むのなら自分を恨めよ)と心の中で思うと、顔か身体なのかは分からないが、蹴ってやる。

 が、そこはアンソニー。一筋縄ではいかないのは知ってる。

 だけど、私の身体から離すのが目的だ。

 一旦、離れればこっちのものだけど、なかなか離れない。


 ベッドに背を付けた私には分が悪い。攻防戦は激化する一方で、広いキングサイズのベッドの上をゴロゴロと転がって、とにかくアンソニーから離れようとしてた。スラックスを脱がそうとしてくる手の気配を感じたので、その手を蹴ってやる。メスが持てなくなることはない。


 すると、蹴ったはずの手には、今度はビンを持っている。

 それでどうするつもりだ。

 とにかく逃げるしかない。

 アンソニーは片手でビンを持ち、片手で私を摑まえようとしている。

 片手だけで摑まえられると思うなよ。

 ゴロンと大きく転がると、床に落ちた。

 痛かったが、数秒後に起き上がる。

 その数秒の間に、アンソニーは持ってるビンを振ってきた。

 その液体は私の顔に的中し、私は数秒ほど動けなくなってしまった。

 その時に、後ろから羽交い絞めにされベッドに押し付けられた。

 目を開けようとするが、開けられない。

 それを幸いと思ったのだろうアンソニーに唇を奪われていた。


 「んっ」

 目を開けることはできないが、手は使えるのでアンソニーの身体を押し返す。

  口の中に入ってこようとするアンソニーの舌に、寒気がしてきた。

  「ぅ…」

 入れたい、入れさせろと言ってくるアンソニーの舌は、そのうち私の鼻に移り齧ってくる。本気で齧るのだから痛くて声がでた。

 「いたっ」

 その隙に、アンソニーの舌が口の中に入ってきた。

 「んん…」


 こいつ、キスが上手い。

 博人先生もそうだったが、こいつは違う意味で上手い。

 「んっ… んんっ…」

 慣れてきたのか、しばらくすると目を開けることができた。

 すると、目の前にはギラリと睨みつけるような目をしたアンソニーが見ていた。

 そのギラギラとした目を顔を見た途端に、私の身体に異変が起きた。

 思わず声が出ていた。

 「あっ… …ぅ」

 身体が熱い、さっきの媚薬のせいだ。

 身体から汗が噴き出して、アンソニーの攻めに対して素直に身体が反応する。

(違う、これは違う。間違ってる)と心の中で叫んでいるが、声に出すことが出来なかった。

 「うぅ… ふぅ、ふ…」


 アンソニーは、そんな私を見て取ったのかニヤリとして服を脱がしにかかった。

 乳首を舐められたり、甘噛みされたり、抓られたりして。

 乳首だけでもイってしまった。


 腹をさすられては、所々にキスマークを付けられる。太ももの内側にもキスマークを付けられ、大事な私自身のジュニアにもキスされた。

 今度は、その私のジュニアを攻めてくる。舐められたり、甘噛みされたり、ジュニアの先端の孔を舐めてくる。そこを扱かれ、イってしまう私がいた。

 「はあ、はあ、はあ… …っう」


 (感じない、感じない。私は感じない。

 私は俎板の上の鯉。いや違う、俎板の上のコンニャク。

 いやいや、私は、俎板だ。まな板だ!)

 と、心の中では冷静にいるように仕向けていた。


 だが、声には出せれなかった。

 身体が痺れて、口から出てくるのは艶っぽく色っぽい声。

 「あっ!ぅ・うんっ…」

 そうしてると、今度は身体がひっくり返された。

 目の前は、白い物が広がってる。

 ベッドのシーツだ。

 

 いやだ、それだけは嫌だ!

 思わず、博人さんの顔が浮かんできた。


 声が出た。

 「…メロ」 

 掠れ気味な低温ボイスだったが、声が出せれた。

 アンソニーの方に振り向き絞り出すように、睨み顔でもう一度言ってやる。

 「ヤメロと言ってる」

 「っ……」

 息をのむような声を、アンソニーが出した。

 「そこは絶対に嫌だ。それ以上すると絶対に許さないからなっ」

 大学卒業以来だ、久しぶりに最大級の睨み顔をしたのは。

 私の睨み顔をまともに見ると、大抵の人は顔を伏せる。

 アンソニーも顔を伏せた。

 しばらくするとアンソニーは泣きそうな顔をして言ってきた。

 「OK…」


 そして、正常位でならという条件つきで媚薬が身体から抜けるまで、何回も何回もセックスをする羽目になってしまった。

 アンソニーは幸せそうな顔をしてるが、私は非常に最低で最悪な気持ちだった。


 

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