第39話 性描写あります。

 寝て起きると、友明はすでに起きていた。

 寝室には居なかった。

 時計を見ると、すでに11時を過ぎていた。

 えっ、嘘だろ…、もうこんな時間か。

 今日は13時には見合いがある。

 着替えもしないと、と思っていたら段ボールに入ったままのスーツに気が付いた。ハンガーに掛けて寝れば良かった、と今更ながらに思ったものだ。

 そうか、ここから行けばいいんだ。着替えはあるんだから。


 懇意にしてる銀行の頭取の娘との見合い、気分は乗らないが見合いイコール結婚ではない。結婚願望もなければ、跡継なんて考えたこともない。

 やっと病院が軌道にのってきた、一番大事な時期だ。

 風呂場に向かってると、すでにリビングで寛いでいる友明が目に入った。

 「シャワー浴びたいので、借りるぞ」と言うと、「どうぞ」と返ってきた。

 シャワーを浴びて出てくると、昼食の支度をしかけていたらしく軽めの食事をしたいと言うと、オムレツを作ってくれた。 

 こいつに飯を作らせると本当に美味いな。

 料理関係の仕事でも出来るのではないか、と思えるほどの腕前だ。

 そういうと「実は…」と、「栄養士の資格を夜間の部で勉強して取ったんです。

 それに、中学の頃から食事を作っていたから、好きなんですよ」と言ってきたのにはびっくりだ。

 引き出しの多い奴だなと思い、素直に凄いなと感心したものだ。


 そうしてると12時を過ぎ、行く支度をするために寝室に行く。

 着替えてると、急に友明が入ってきたのでビックリしたが、あっちも驚いていた。

 「これから用事があるから」

 「残りの衣類も持って帰ってくださいね」と言われてしまった。

 「えー、せっかく持ってきたのに。それに見合いに行くのに邪魔…」と思わず口に出てしまった。

 「えっ、見合い?」


 こっちを振り返った友明の表情は暗かったので、何を考えてるのか分からなかった。

 「…それなら、その段ボールごと持って出てください」

 「すぐ、それを言う…」と、ため息まじりに私は言うと

 「そうでしょ。だって結婚されるんでしょ」

 「結婚をしに行くのではないよ。見合いだよ」

 「でも、見合いイコール結婚でしょ。おめでとうございます」

 ほら段ボールも持ってってと、押しつけてくる。

 「結婚すると、ここには来なくなるでしょ。ちょうどいいタイミングですね」


 ここに来なくなる?ちょうどいいって、なにがだ?

 私の頭の中のどこかがブチッと切れ、友明を殴っていた。


 あれ…。

 殴ったはずなのに、なぜ私は一回転してる?


 「もう殴られたくない。それに2度も殴れば十分でしょう」

 ああ、こいつは避けたのか。

 それならと思い、胸ぐらを掴みベッドに押し倒す。

 私は、友明に言っていた。

 「私には気になる人がいるし、結婚なんて考えもない。今日行くのは取引先の銀行の頭取の娘だからだ。行きたくないけど、形だけでも行かないといけないんだよ。

 大事な取引先なんだからな!」

 「それなら一旦、自分のマンションに戻ってください。あの段ボールと一緒に」

 「うるさいっ!それならお前はどうするんだ、そんなに傷だらけになって」

 「なんのことか、さっぱ…」


 パンッ!

 

 今度はヒットした。

 「なに他人の顔をそんなに叩くんだよ。さすがの私も、怒りますよ」

 「うるさいっ!」と言いながらゴツン!と頭突きをしていた。


 友明は「いってぇ…」と顔を擦っていたが、その仕草が表情が私を煽っているように見えた。そう思うと友明のスラックスのベルトに手をかけ外し、ファスナーを引き下ろす。下着と共に、スラックスを一気に膝まで下ろし、足で蹴り落とす。

 「ちょっ、ちょっと…」

 何かを言いかけようとしてるが無視だ。

 友明の両腕を上に上げてシャツで結ぶ。

 私もシャツを脱いで、露わになった乳首に齧り付く。

 「っ!」


 やめ、やめろ!

 と叫んでるが無視だ。


 結んでたシャツから手を抜き出したのだろう、その両手がこっちにくる。

 構わん、すでに体は押さえた。

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