410日目 キーホルダーのお返し


 キルりんから受け取った中身のキーホルダーを取り出したハルトたちはキルりんに感謝の言葉をかけていたが1人メルトはどうして自分のキーホルダーだけカエルの形をしているのかとびゅんびゅんと振り回してキルりんに問うと。

キルりんは単純にレッテルや日頃の行いからシュゴビーのデザインも悩んだが難しかったからと単純に作りやすさをメインに選ばれたデザインだと知るとそれ以上何か言うのはいけない気がしたのかメルトはそのカエルのキーホルダーを握りしめぎこちない表情でありがとうと伝えた。



「で、ハルトたちは私たちにお返しをくれるのですよね??ね??

だって私の手作りに勝るプレゼントなのですからそれ相応のモノを期待していいという事ですよね??」

「うッ・・・まさかこいつ始めからこれを狙っていたのか・・・・悪い奴だな。

だが・・・俺たちのは決して手を抜いて作ってあるわけでもないよな。

キラキラした宝石みたいなので作られてるしさ??」

「あぁ、この黒くギラギラしら宝石はきっと価値のある宝石に違いない。

これだけの事をされたのだから私たちもキルりんに何かお返しをしなければならないな。」

「フフフ・・・いいじゃないお返しねぇ~~へぇ~~キルりんが私にこんなにもイイデザインのキーホルダーをくれたんだし??私もとっても頑張っていいモノ送らないと駄目よね??

フフフフ・・・あひゃひゃひゃひゃ・・・・絶対に良い贈り物でキルりんを驚かせてやるんだから!!!」

そう言ってメルトは用があるからと街の方へと消えていきハルトと魔王もキルりんにどんなものを贈るか相談するために本人と共に家に戻りさっそく作業に取り掛かるのだが・・・・



「そうですねぇ~私は最近自分用の部屋だとか色々と欲しいものがあるのですが。

出も下手なモノをもらうよりもやはりメルトととは違う私専用の部屋が一番欲しい所です。

まぁそれはプレゼントというよりも何か違う気がしますので手に収まるサイズがプレゼントというテイで行くのであれば・・・・・ですかね??」

「ニコニコして手作りナイフを要求すんじゃねぇよ!!!

馬鹿か!!誰がプレゼントのお返しに1本も2本もナイフで返さないといけないんだよ。

そう言うのはメルトに頼むんだな・・・ヤツならとっておきの呪いをエンチャントしてくれるだろうぜ。

と・・・魔王は一体何をそんなに悩んでいるんだ??」

「いや、私は武器を作る工程である程度の想像をして作るのだがナイフとはどのようなものを基準だとすればいいのだろうと思ってな。

それに私の思いつく限りの装飾をするとどうしてもナイフではなく大剣クラスのモノになってしまってだな・・・・一体どうすればいいのやら。」

魔王の頭の中にあるナイフの基準や大剣の話を一度忘れるようにと言いつけハルトはキルりんの口から出る言葉はある程度の女の子っぽくないものは無視しろと言って他に何か案はないのかとキルりんに直接問うと・・・・



「そうですねぇ・・・ナイフに部屋の他に欲しいもの。

胸に毒草・・・身長に知恵・・・何をしても許される世界・・・何でも欲しいですが何がどうほしいのかまで具体的には言い表すのは難しいです。」

「いや、ある意味切実に分かりやすいものがちらほらしてたが俺たちは神じゃねぇからそんなもんはクリシュナに与えてもらってくれ。

ん~本人がこの調子なら一向に話が前に進まねぇな・・・一体どうすりゃ・・・」

「では私はキルりんの似顔絵をプレゼントしようではないか!!

私の絵は自信があってな??ん??どうしたのだ??ハルトにキルりんはどうして私の話をスルーするのだ??そんな妙ちくりんな事を言った覚えはないだが??」

魔王の絵というワードにどうして自信満々に語れるのかとハルトは面倒な顔をしキルりんもそこまで気合を入れた力作にしなくてもいいとだけ言うが魔王はキルりんをそのままソファーから動かないでほしいと言って道具一式を持ち出し絵をかきだしており。

邪魔にならない場所でハルトは1人キルりんが欲しがりそうなもの喜びそうなものを考えに考え・・・現実の世界にもあったモノを作ることにし製作に入ること数時間かかり、その間にも魔王はやっとキルりんの似顔絵がかけたと言って紙を手渡すとキルりんは絵を見た瞬間に世界が止まっていた。



「どうだ!?私のこの力の入ったタッチとキルりんの目や輪郭の全てがこれでもかと最大限に現れている最大で最高な傑作だとは思わないか!!!」

「はッ!?あまりの衝撃に意識が飛んでいました・・・えっとですね魔王??

コレはコレでまぁ何と言いますか・・・背府にしておきたいのは山々なのですがさすがにこれは魔王から受け取るわけにはいかない力作ですよ??

ですから魔王は魔王で違うものを私にいただけると嬉しいかなと。」

「まぁそうなるわな・・・・で、俺の作ったプレゼントはこれだ。

俺の世界にあった貧乳を貧乳ではないように見させるためのアイテム!!!

豊胸ベルトだ!!!さぁコレを胸に装着して見ると良いぜ雰囲気だけでもキルりんの要望に応えられるだけのボインにできるからさ!!!」

ハルトはある意味挑発と受け取られたのかキルりんのナイフの餌食となって壁に刺さるとキルりんはもっとまじめに考えるように言って部屋に籠るとハルトと魔王は顔を見つめ合い部屋を後にし・・・・さらに数時間が経ち夜になり寒い寒いと言ってハルトと魔王が戻ると互いに小さな箱を見せ合い準備はいいかと言うと2人はキルりんのいる寝室へと入った。



「ひゃわッ!?どうしたのですか2人とも・・・・ん?プレゼントの箱ですか??もしかして新たなプレゼントを私に持ってきてくれたのですか!?」

「あぁ、さすがにあのベルトじゃちょいと味気ないと思って俺はこれを送らせてもらう。

イマジンでちょいと細工して作ったって言う観賞用の置物だ。」

「私からは新・世界の毒草事典とどんな毒草でも育てることができる魔界の土をプレゼントしよう。」

2人からのプレゼントに飛びつくようにして喜び交互に見る姿は小さな子供が喜んでいるようにしか見えずキルりんは最後に2人に向かって「ありがとう」と呟くと最後のシメを飾るためにメルトがハルトと魔王の後ろをかき分けて現れていた。

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