406日目 コマイヌの捕獲とそれから・・・


 コマイヌの話を聞いた限り自業自得と言いたいところであったが・・・罪は以前いた世界で清算していることから現状の過ちを正すことで良しとしようとハルトが持ち掛けるとコマイヌはハルトに媚を売るかのようにして硬い体をハルトにこすりつけており魔王はハルトに気安く触れることに苛立ちコマイヌを蹴り飛ばし聞いていなかったことを問うた。



「そう言えばコマイヌはその体になる前はどのような名で呼ばれておったのだ??

この世界に来る前までの世界でそれはもう盛大に名を轟かせたのだろ??

それだけ大口をたたくところからすると相当な悪名だと私は感じたのだが・・・他の異世界を知るキッカケになるやもしれぬから聞かせてはもらえないか??」

「えぇぇッ~~~私を女とも思えないケリで吹っ飛ばしといてそれはどうなんだかな???魔王とか言いましたっけぇ??ケリを入れることがこの世界の名前を聞く行為なのだとすれば認めはしましょうが絶対に違うと断言できるので言いたくないでぇいす!!!」

「おい、図に呑んじゃねぇ。

名前を言わないのならこのままずっとお前はになるがそれでもいいのか??」

「ププ、コマイヌ文鎮とかも忘れちゃだめだからね。

そんな名前なんて一瞬で街中に広まってバカにされて後ろ指を指されちゃうわね滑稽!!!」

「そうは言いますがメルトもそこそこにヤバめなレッテルをしょっていることをお忘れなくです。

で、名前はあるのですかないのですか??」

「どんな名前なんだろ・・・異世界の名前って事はこの世界よりすごい名前なのかな??」

せっちゃんたちはある意味ワクワクして待っているとコマイヌはさすがにこのまま妙な名前で呼ばれることを好かないと言って特別に自分の名前を教えると言って宙に浮き視線を集めさせたところで自分の名前を高々た名乗った。



「私の名はお前たちの言う異世界では知らぬ者はいない程に耳に届いていた名である。

そう私の名は秦石妲己しんごくだっきだ!!!」

「マジかよ・・・あの世界の妲己がこんなところにやって来たって言うのかよ。

世界が狭いというよりか漂流してくるモノのレベルがある意味神だな・・・

で、魔王たちは妲己という名前に心当たりは??」

「妲己??そんな珍妙でレベルの低そうなザコみたいな名前のヤツの記録なんてこの世界にはないわよ。

だってこの国でもそんな名前を聞いたことないのだもの。」

「私も同意見だ。

長年生きてはいるからわかる。

そのような摩訶不思議な名前なんぞ聞いたこともなければ付ける奴もいないと思う名だ。

よくその名が強そうな名だと思ったな・・・・それともその名も自らが名乗った名なのだとすればコマイヌは相当なアホという事かもしれぬな。」

「その名前がどうとか何て聞いたことないですね。

異世界だと言っていましたが・・・イジメとかによく合いませんでしたね。

それとも力があったから無理矢理捻じ曲げてたクチですかね??

そうだとすればメルトと同じレベルという事に・・・・」

「み、みんな!!それ以上は駄目だと思うよ。

そろそろコマイヌのバックがとんでもないくらい黒くなってきてる・・・・あ、コマイヌじゃなかったダッキだった・・・ごめん。」

まわりの対応のひどさに妲己は力を解放し目の前のモノ達を滅ぼそうかとも考えたが力が湧く気配もなく解放できるかどうかさえ分からず今すべきことなのかと冷静に心を落ち着かせ妲己は自分をどうするのかと再び問いかけた。



「私はこのままどうなる??本当にギルドに流す気か!?私はまだこのコマイヌの岩石の体から出た事も悪さをしてもおらんのだぞ!?

それを捕まえてコテンパンに叩きのめしお前たちは心が痛まぬのか!?私は体がとても痛いのだぞ!!」

「そんなの知らないわよ・・・だってアンタが魔獣やら幽霊やら呼び出しといて何を好き勝手に被害者ぶってるわけ??

潰してしまおうかしらハルト??このまま話を聞いていても無駄よ。

このバカコマイヌはアンタよりも話が進まないわ。」

「俺を引き合いに出すなっての。

だが・・・この像が俺の知ってるあの妲己ならすげー美人のキツネ妖怪だという事だろうが・・・どうしてコマイヌ??と言いたいがそこはスルーしておいてだ。

仲間にしようにもこんなマスコットキャラなんて必要ないんだが・・・誰か引き取ってくれる奴いないか??」

「私はその・・・動物というか無機物との生活はできないというかそこまで寂しさを抱えてはいないから必要ない。」

「そう言えばですがね??ギルドの受付嬢が毎度毎度依頼の内容を聞いてくる冒険家やハンターたちの説明に喉を痛められる方が多いとかで代わりに説明やら大声での号令をしてくれる代わりになるモノを探していると聞き耳に入れましてね。

そのようなことができるのであれば出してみてはいかがですか??」

キルりんの言った事は事実らしく魔王やせっちゃんも張り紙やら受付嬢のグチを聞いて耳にしていると言っており。

コマイヌにチャンスをやることになり魔王たちはコマイヌに自分にできる事に説明を的確に覚え話せるかと問うと・・・・



「私は何でも覚えることが得意な方だ。

そうさな・・・名前や内容も私の暗記力があればどんなものでさえも知識として蓄えられるから試す価値ありと言っておこう。

で、私はどうなる流れになったのじゃ??まさか本当にぶっ潰しの刑!?

いや、それは嫌だ!!私はまだまだやりたいことがたっくさんあるのにこんな窮屈で堅い体のまま消えるなんてイヤダァァ!!」

「とうとう一人で暴走しちまってるがそう言うわけだからダメもとでギルドに捕獲したと同時にその内容で通るかやってみようぜ。

通らなけりゃそれは自分の運が無かったと思ってくれよ。

そこまで助ける義理も恩もないのにここまでしてるんだからさ??」

ハルトの言葉に魔王たちもウンウンと頷くとコマイヌは言い返す言葉も見つからず後は自分で切り開いて見せるとだけ言い残しハルトはコマイヌを回収しギルドの緊急依頼施設に冒険家やハンターたちと共に戻り依頼達成と告げた。

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