400日目 謎のコマイヌ像


 メルトはプリーストとしての仕事を長々とペラペラよくもまぁ長く話せたもんだと感心しつつ聞いていると。

聞き手と語り手の2人の空間をぶち壊すかのように魔王が家に戻って来ると本当に街に何かが起こっているらしく2人は寒い風の吹く街に引きずられていた。



「おい、魔王・・・そろそろ引きずって移動するのをやめて俺の話を聞いてくれないか??」

「なんだ!この緊急時に動こうとしないのはこの手しかない!!!

だから私は何としてでもお前たち2人をこのままギルド前まで引きずって行くぞ!!!」

「だから何があったのかくらい私たちに説明しなさいよ。

魔王の慌てていることは十分わかるけど私たちを扱いたいのならもっと正しい方法で扱いなさいよね。」

メルトとハルトの意見を耳に入れた魔王は2人を引きずるのを一時的に中断し・・・2人を片手でつまみ上げ天に見える異物を見せて説明し始めた。



「アレが見えるか??

荒れは古代の遺跡の王だと語る謎の像なのだが・・・先ほど突如として現れた後に立体映像のような魔法でこう告げた。

この国をこれから私の国とすると言い出し・・・国王がギルドの冒険家やハンターたちにすぐさま意味の分からない岩の塊を討伐するようにと言うことで今その場まで引きずっているわけなのだ。

で、2人はあの像に見覚えはないか??」

「私は何とも言えないわね・・・一見だとゴーレムのようだけれど自分の事を王だとか言うゴーレムもいなかったわけじゃないけれど自己主張の強いゴーレムと言ったところかしら??」

「メルトとは違って俺はあれを少し見たことがあるかもしれない・・・

アレは俺の世界で言う・・・じゃね??」

ハルトは目を細めて見た印象からその像が柱に固定されたコマイヌと見抜き語ると魔王はその内容をもっと詳しく詳細に語るようハルトに問うが。

そもそもコマイヌが自分の事を王だとか言うのは知らないと返答し・・・状況的に寝ているのは良くないと判断したのか2人は起き上がり魔王に連れられてギルド前へやって来るとそこにはかなりの数の冒険者やハンターがずらずらと並び登録をしていた。



「はぁ~いこちらは緊急依頼受付窓口となっておりまぁ~す。

空中に浮かぶ像の討伐をお受けになる方はこの書類にサインを行い提出し印鑑を受けてください。

なお、この依頼における負傷等の損害は自己負担でお願いします。

お命を落とされましたらお近くのシャーマンや魔法使いにひと言申し出ていればなおよいかと思われますのでご協力のほどよろしくお願いします。」

「依頼に保健がないのか・・・コレはかなりヤベェ緊急依頼らしいが報酬の為なら少しは危険な橋も渡らねぇとだな!!!」

「私はシャーマンですが報酬の20%で復活の魔法をかけますが私とPTを組みませんかぁ~~とってもいいアフターサービス付きですよ~~~」

「何だか俺の想像していた緊急とはまた違ったお祭り騒ぎだなこりゃ・・・

で、あの像をどうやって攻撃するつもりなんだ??」

「私の魔法なら届くか届かないかの距離だけど・・・

あの像に見えないシールドが張っているか調べる必要もあるしあっちから攻撃を仕掛けてこないところを見ると何かを待ってるのかしら??」

「そんな事よりも2人も参加をするのであればその書類にサインをして印鑑を押してもらって来ると言い。

キルりんもバイトの途中で騒ぎを聞きつけてそこで参加しつつアイテムを販売している。」

魔王に言われ紙に記載を記入し印鑑をもらうと怪しい色のしたビン詰め液を売るキルりんの所へとやって来ると。

冒険者たちから本当に聞くのかと疑問の声が上がっており・・・・



「いいですとも!!それならば私のこの新薬をハルトに使い効果を見せてあげましょう!!!

と言うわけでかわいそうなのですがハルト・・・私のこの薬品の実験台になってください!!!」

「は?って・・・何じゃこりゃ!?濡れた部位が透けていくぞ!?」

「これって・・・透明化薬??それはそうと・・・このニオイはどうにかならないの??

消える効果は認めてあげたいけれどこのニオイだと位置がバレてしまうわよ??」

「ある意味場所や状況を考えて使わないといけない品物だが匂いを感じないモノに対しては効果が期待できるアイテムだな。

それに今回の像を相手にするのであれば効果もそれなりに期待できるかもしれないな。」

と、ハルトを実験台にしたことと魔王たちの説明に冒険者やハンターたちはキルりんの新製品であるキエルンダーXを買っていき。

ハルトは匂いとかどうとか文句を言う前にこれを依頼以外での場面・・・例えば大入浴場で使ったりした場合の事は考えているのかと問うと。

キルりんは何にも聞こえなかったようにしてキエルンダーXを片付けて一般向けの回復薬や煙幕の販売をメインとし・・・ハルトたちと邪魔そうにシッシッと追い払った。



「くそぅ・・・文句の1つも言う前に流されちまったがコレどうすんだ??

少しずつ体が透明になって来てるんだが・・・・」

「いや、その前にニオイをどうにかしないとグール系統に狙われるようなニオイだぞ。

洗い流せればいいのだがこの時期にそんなことができる訳もないし・・・・

戻って着替えなおす時間もなさそうだぞ。

あの像の目が赤く光り出しているのが見えるか??」

「えぇ、それにすごい魔力を感じるわよ。

きっと何かしでかす気よ・・・戦闘態勢に入らないといけなさそうね。」

空中にとどまるコマイヌの像は赤く目を光らせ膨大な魔力を発生させると、コマイヌの像の口がガバっと開きその後方に大きな丸いゲートが現れそこから数多の魔獣やのような見た目のゴーストがワラワラと現れコマイヌの指示で戦闘態勢になっている冒険家やハンターたちに向けて攻撃をするように指示を出した。

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