391日目 脱出の術と黒い膜


 メルトの攻撃によって流れ落ちた魔法が地面を抉り・・・その抉っていた箇所を見たハイネ司祭は表情が一瞬固まり・・・再び目をぱちくりとさせて覗くとその地面の先にあるはずの物がないと騒ぎだしハルトたちが駆け付けその抉れたか所を見るとハルトたちの表情は凍り付き恐る恐るメルトにどんな魔法を撃ったのかと問うた。



「何??どんな魔法を撃っただぁ??そりゃあの太陽をぶち抜くために当たったら全てを無にするくらいの内容で放出してるわ。

それにこの世界の私って魔力が無尽蔵なのよね!!!どうすごくない!?アイタッ!?どうしてぶつのよ!!!殴るのならまずはあの太陽でしょうが!え?何??

―――――――――――は??何このブラックホール・・・・新しいゴミ捨て場かしら??」

「ゴミ捨て場に見るのか??そう見えるのならまずはお前を先にゴミとして出荷してやろうか!?」

「お、落ち着くのだハルト!!!

コレはメルトの魔法の力によって起こっている事なのかそれを調べてからでも遅くはない。

悪いがメルト・・・もう一度この隣に魔法を放ってくれないか??

それと威力は小さめで構わない。」

吉と出るか凶と出るかとメルトに隣に魔法を撃ち込んでもらうとその穴もやはり先が無の世界となってしまっているのか暗闇が詰め込まれいるのか進む気のしない空間が広がっておりコレはどういった現象なのかと審議に入った。



「まず、私たちは今・・・虚無空間にいるとするのであればこの黒い何かの先が我々の世界なのかもしれない。

どうしてかと言うとだ・・・この世界は光り輝く世界だとして私たちの世界は闇と暗闇だとすると表裏一体で繋がっていると言うわけだ。

わかりやすく言うとだ・・・この世界は現実の影であの黒の先が私たちの住まう現実だと言う事だ。

だからこの黒い膜をよく覗くと何かが見えてこないか??私はもしやと思い覗き込んだのだがやはりアレが見えたのだ・・・・」

「ん?アレ??まぁ覗き込んだ方が早そうだな。

どれどれ・・・・お、何かが見えてきた・・・・ん?アレは・・・魔王の寝顔じゃない・・・ぐぶふぁがッ!?

――――――――――――なぜだ・・・・」

魔王は見てはいけないモノを見たからだと説明し言いたいことを告げ、黒い膜の先には夢を見ている自分たちの眠っている姿があると答えを伝えるとハイネたちも同じように黒い膜を睨みつけるとハルトと同じように自分自身の寝顔が見え魔王の説を信じたのはいいものの本当にこの先に行けば現実に戻れるのかと不安は隠せずどうしたらいいものかと悩んでいるとメルトは黒い膜の先で見えるのは幻で実際は罠ではないかと確かめるべくハルトの寝ているところに魔法を放射するとベッドで寝ているハルトの腹を魔法が貫き・・・・・・



「ん??なんか腹のあたりが熱く・・・・ぶげッ!?

―――――――――なんじゃこりゃぁぁぁ!?腹から火柱が!?」

「は、ハルト!?メルトもういい!!!それは本当のハルトの体だ!!!

実際にこうしてあっちのハルトの体と同じ症状が出ているのが証拠だ。

それにもしもこちら側の攻撃があっちの私たちを傷つけるようなら魂に直接攻撃されていると考えていいかもしれないな。

実際に私たちの本当の体はあそこにあって今のこの場にいる私たちは体を持たないがために集まっていると言えるからだ。」

「そうか!!!だから私たちは夢の世界で一緒にいられるんだ。

だったらすぐにこの膜を超えて現実に戻った方がよさそうだし私が戻れるか試してみるかな・・・・そいッ!!!!」

「せ、せっちゃん!?アグレッシブ過ぎない!?まだ本当にこの先を超えただけで現実に戻れる保証なんてないのに・・・・」

ハイネ司祭が引き留めるには遅くせっちゃんは黒い膜にダイブすると現実で寝ているせっちゃんに動きがあり。

目がパチパチと開き欠伸を書いて服を脱ぎ始めていた・・・・



「おぉっと私の手がいう事を聞かないぞ~~~~すまないハルト少し痛いかもしれない!!!」

「ぐばッ!?なぜ俺だけ・・・・・」

「せっちゃんは服を脱いだままシャワーを浴びに行ったのね。

それにこの膜を潜り抜けると現実に戻れると言うのならコレが太陽の言ってた虚ろが崩れたモノの正体って事ね。

だったらもっと破壊してストレス発散して戻ってやるわ!!!」

「夢だからと言ってハチャメチャにし過ぎない方がいいんじゃないかな?

この虚ろな世界はつまりあの太陽が収める《《神の都))かもしれないんだよ??

昔に聖書で呼んだことがあるんだ・・・太陽の瞳が見守る正しき美しき世界があると。

それがこの世界だとするのなら私たちの世界はどうなんだろうね・・・・

と、言ってもこの世界のは私たち以外の意識ある者が全然いないから何とも言えないけど私はこの何もない広々とした世界よりもあっちの方がいいかな。

だから私も先に行くよ・・・だからハルト君はメルトをしっかりと連れ戻してね。

それじゃね。

―――――――――――――とうッ!!!」

せっちゃんに続いてハイネ司祭も現実の世界へと戻ると魔法を撃って大暴れを見せるメルトを任せたと魔王も逃げるかのようにして黒い膜に飛び込むと戻る瞬間に見た夢の世界は色が反転し色のあるものが消え失せ太陽のみが煌々と黒い光を放ち禍々しくも見え・・・魔王はそのことを伝えようとしたが意識が遠のき言葉に出せず現実に戻りハルトはそろそろいいんじゃないかとメルトに現実に戻らないかと語るとメルトは背伸びをして飛び込もうとした瞬間であった。



「戻るな・・・戻るな・・・この世界に残れ・・・・」

「何だコイツら??ゾンビか??」

「ううん違うわ・・・そんなちゃっちいもんじゃない。

どれもがかなりの魔力を有した個体よ・・・

ここにいたらヤバイかもだから逃げるわよ!!!」

メルトはハルトの腕を掴んで黒い膜に飛び込むことに成功したが一向に沈むことなくハルトは違和感の感じた足を見るとそこには黒く塗りつぶされた幽霊のようなモノの腕がびっしりと脚を掴んでおり。

ハルトは力強く振り払おうと振り回すが一向に振り払えず・・・この状況から考えて《《メルトの手を離せば))メルトは助かると考えたハルトは1人でどうにかできるのかと悩んだ挙句・・・悩んでる時間もなかったがこの状況だと仕方ないとメルトが握っていた腕を振りほどき黒い手に引き上げられ夢の世界に逆戻りしていた。

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