386日目 できる事とできない夢
王城の中から急に迸る水にハルトたちは少し戸惑い・・・ただの温泉か王様が何かやらかしただけだと無理矢理決めつけて視線をハイネ司祭に戻すとハイネ司祭はハルトたちと目が合うと他にも異変が起きていると指をさしてハルトたちに見せていた。
「ほら、あっちを見てごらん。
私の言っていることが狂った狂人のような発言だったとしてアレはどうやって説明するんだい??」
「あはははは~~~今は冬ですが私の心と胸は暖かくなってますよぉ~~~あははははは~~~あはははは~~~」
「俺は何か見てはいけないモノを見ているのか??
キルりんに・・・あの最強の鉄壁を誇るキルりんに上下に揺れる胸があるだと!?
コレは間違いなく夢だ!!!あぁ俺はハイネの事を信じる気になったぞ!!!ぐはぁぁあぁッ!?」
「コレはキルりんのナイフ・・・・反応だけはそのままとは不憫な・・・・
ともあれコレでハイネ司祭が言っていた夢だと言う事がわかった。
朝までは今までと変わらない風景であったが徐々にその風景が様変わりしていくのを目にしたことによって私も確信した。
―――――――――――コレはまさしく夢であると。」
「ちょっとハイネ~~掃除が終わって探してたんだけど他のプリースト達はどこにいんのよ??
リザさんにジャージーの姿まで見当たんないわよ??
リードのデカチチもいないし・・・何かあったのかしら??」
と、唐突にメルトが現れるとハルトと魔王はメルトに異常な箇所や問題がないか幾つか質問をすると目の前にいたプリースト姿のメルトは以前から2人の知っているズボラで金と酒に弱いメルトだと理解すると現状はこの4人が目の前の不自然を認知しているものでありこれからどうするべきかとメルトに事情を説明し考察することとなった。
「街以外にも国全域がおかしなことになっちゃってるとみていいでしょうけど・・・私はこんな妙な魔術を使った覚えもないし教えた事もないわよ。
だけど私の頭の中にある夢にまつわる異常な事をすると言えば複数あるけど。
夢の中に閉じ込めると言えば・・・ドリームイーターの仕業じゃないかしら??
あのイカレゴーストまがいは人の夢を食べて細々と生きるノミとかダニに近い弱小だけど夢の世界だと強いのよねぇ~~何せ姿も変幻自在でやりたい放題だから。」
「そのドリームイーターってのは魔王の傘下にいたのか??
それとも誰かドリームイーターの悪口を言ったり何か願ったりしなかったのか??」
「私はプリーストであり司祭だからそんなはしたないことは夢以外に見ないよ?」
「私も夢だけは自由だといつも愉快で楽しい夢を見てはいるが・・・現実になってほしいとは思ってはいないな。
それに私の参加にドリームイーターがいたと言う事はない。
むしろ現実に触れられるものしか私は雇ってはいなかったからな。」
魔王たちはドリームイーターに関わりはないと言ってはいたがやや怪しい内容を口走り魔王かハイネ司祭の夢が影響を及ぼしているのではないかとハルトは試しに2人にテストと称し夢であるのなら頭の中で思い描いたことが現実になるのではという事からお題を出してみると・・・・
「それじゃ2人に質問だ・・・いいか??よく頭の中で思い浮かべてくれよ??
――――――――赤くて丸くて赤い果物を頭の中で思い浮かべてくれ。」
「ちょっと、テストするって言ってたけどどうせだったらシュゴビーとか金塊にしてよね!!!
私が夢の国にいる時くらいリッチに裕福にさせて頂戴よ!!!」
「ん?それはリン・・・これだッ!!!」
「ん~~ジャージーの・・・・いやそれは違うな。
ジャージーのはメロ・・・いや、何だ??果物??」
ハイネ司祭は何を想像しているのかと不安になるワードを連発していたがふと気づくとハルトのズボンのすそを何かが引っ張っており。
ハルトは恐る恐る引っ張る方を見るとそこにはあの時の闇が現れていた。
「はい、コレは魔王の夢だ・・・・マジで何なんだよ・・・・
どうしたらまだコイツが出てくんだよぉ・・・・頭の中どうなってんだ??」
「し、失礼な!!!私は本当にマジメに頭の中で想像をだな・・・
ん?待て・・・こうやって本当に表れていると言う事は私がこの世界を構成していると言うのか??そんなバカな・・・私は魔王だぞ?そんな簡単に誰かに洗脳なんぞされるはずがない。」
「だけどそうやって言い張ってるけど現実もとい夢実にはこうして魔王の頭の中のモノが現れてるのだから魔王のヤバヤバな夢であることは間違いないわね。
でもどうやったら脱出できるのかしら??」
「魔王に夢から飛ばしてもらうと夢から覚めるとか??
だけどそんなことをしてら二度と夢から覚めないかもしれないしちょっと無茶だし他の方法を探すしか手はないか・・・・
夢の構成者が魔王だとして術者がいるはずだろうから今度は自分たちが何ができるか試してみる必要があるね。
私は式札とか除霊ができるけど今はどうだろ・・・・」
ハイネ司祭は文字が書かれた紙を地面に張り付け式神を出現させたつもりであったが・・・何故か煙の中から危ない格好をしたジャージーが現れていた。
「おい、ハイネ・・・真面目にやってんだろうな??こんな一部マニアの要望を追求したジャージーの痴女姿は要望じゃないんだよ!!!」
「ち、違うよ!?私は別にこのジャージーを呼び出そうとしたわけじゃないんだ。
ただ・・・呼び出した拍子にすり替えられたと言うかこれしか出せないと言ったところかな・・・不思議な感覚だよ・・・自分のできていたことがここまでできないとなると私の無力さがとんでもない・・・」
「そう落ち込むことはないわ!!私が魔法でこの世界を滅却したげるわ!!!
さぁ吹き飛ぶがいいわよ!!!!って、あれ!?どうしたのよ!?出ろ!!出ろ!!!出ろォぉォぉ!!!!!」
「ふむ・・・メルトの手から花が出て来たな・・・・これはアレか??
メルトは《《手から花を出す魔法しか使えない))と言うわけか。
私は試してみたが魔力を込めることもできなければ空を飛ぶこともできないらしい。
ただ夢の影響力はあるみたいだ。
少し影響の程度を見るために想像をしてみたのだが国の周りを削ってみた。」
魔王は規模を国の内側だけと範囲を狭めたつもりだが他の景色は暗黒と化し空や太陽はあるが国の外側の風景がすっぽりと抜け落ちた状況にさらに危険度が増しハルトは自分の最後の砦であるイマジンが使えるのかどうか遅る遅る念じた。
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