385日目 翌日の違和感と誤


 それからハイネと国へと戻った来たメルトはハルトの事を知りホワイトボアーのうわさを聞きつけて来たと今の流れを語ると。

魔王やハルトたちはどうしてチューリのいた国で永住しなかったのかと冷静に問いかけると・・・・メルトはハルトの襟首をつかんでぶん回し始めていた。



「そんなの分かり切った事じゃないの!!!

チュールはいい子で残ってあげたかったのも山々だったわ!!!

だけどね・・・私の一番大切にしている・・・・・モノがあの国にはないから戻ってきたんじゃないのよ!!!」

「あん??お前の大事なモノだぁ??そんなもんあんのか??」

「私は話の流れでわかりましたよ?

そうですよね・・・私もメルトと同じ立場になればより一層大切に思うのでしょうね・・・・」

「あぁ私も同感だ。

これまでの話で分からない方がどうかしていると思うのだがな??

ハルトは本当に女心がわかっていない・・・・もちろんあれだろ??」

魔王たちはコクリと頷き互いに目を合わせてせーのと一斉に合わせるようにして口に出した・・・・



!!!!」

「《仲間》!!!」

「《ハルト》!!?というかと思わせて仲間!!!」

魔王は素で本音が出てしまいそうになり急に変化球を見せるが・・・ハルトは第一声のメルトの言葉によって全てが台無しになってしまっておりキルりん以降の言葉が耳に入ってはいなかった。



「なッ!?あんた達正気なの!?フツーここはシュゴビーでしょうが!!!

あの国にどんだけ我慢してシュゴビーを飲まずに頑張っていた事か・・・・

私がここに戻ってきた理由くらいわかんでしょうが!!!」

「いえいえ普通は仲間が大切だとか言うのが鉄板でしょう!!!

本当にメルトはお酒とお金にだらしないです!!!」

「わ、私も本当は仲間が大切だと思っているぞ!!!

個人よりも複数だろう!!うむ私は1人も大切だと思うがみんなみんな大切だと思っている!!!」

「はぁ~~俺は疲れたから先に帰るわ・・・・ホワイトボアーも全部食っちまったし・・・せっちゃんもヨタヨタで戻ってったしお前らも程々にして戻れよ??」

ハルトは言うことだけ言って酒場を出て行き家に戻るとさっさと寝て体を癒しに入りそのまま深い眠りに落ちて行った。




そして翌日、ハルトが目を覚ましリビングに出ると身支度の済ませたキルりんと魔王の2人がおり。

今日の予定はと聞くとキルりんは街へ宅配のアルバイトに出ると言いだし。

魔王はトレーニングも済ませたからと今日の予定は殆どないと言う事から魔王と2人でメルトのいるプリースト達の働く教会へと足を運ぶとそこには不真面目にだらだらと掃除を行うメルトの姿がありそのまま教会の中へと足を踏み入れようとした瞬間の事である・・・



「やぁやぁ・・・ハルト君。

いい所に出会ったねぇ~今日は私の方から少し話をしようと思って訪問させてもらおうとしていたんだ。

ここで立ち話もなんだし私の部屋へいらっしゃいな魔王さんも同行で構わないよ。」

「なぁこれってマズくないか??俺たちがメルトから聞いた話は口外禁止の話だろ??どこかで聞かれてたか見つかったか??」

「いや私たちは話した覚えはないが・・・そもそも処罰されるのはメルトであって私たちには何の咎もないと思う。

だからきっと私たちの所へ来る理由はまた別件ではないか??」

と、魔王は淡々と語るが部屋に入るとそこには拷問用のアイアンメイデンが置かれており。

魔王は使ったことが無いのかどういうものなのかと率直にハイネに問うとハイネはハルトを突き飛ばしあと少しでも扉を強く閉めればどうなるかわかるといった状況を作るとハイネは魔王に向かって話をし始めた。



「昨日、メルトから私たちのについて聞いたかい??」

「どうしてそんなことを問うのだ??

その問いとハルトがそこに閉じ込められることに何の関係があるのだ??

まずはハルトの解放が先ではないか??」

「そ、そーだそーだ!!!俺は死なない体であったとしてもは・・・

―――――――――――――痛みだと!?

オイオイオイオイ・・・まさか死なない俺をそれで拷問する気か!?」

ハルトの言葉ににんまりと笑顔で返したハイネ司祭は魔王に妙な真似をしない方がいいと言ってハルトの腕を貫く程度に扉を少し閉じた。



「ぐあぁぁぁっ!?クソ・・・ハイネ!!!俺は何にも知らねぇよ!!!

それにメルトのヤツなら酒が入った時点で何でもかんでも話すだろうが!!!

俺たちをどうこうする前にメルトに聞いた方が早いんじゃねぇのか!?」

「それはもう昨日の時点で酔いの回ったメルトに問い詰めたんだよ。

そうするとメルトはキルりんたちにと言ったから問うているんだよ?

で、次の回答は慎重にだよ?本当に話を聞いていないのかな??

それとも話を聞いたけど酔いが強くて覚えていないとか??」

「ハァ、ハルト・・・コレはいくら考えても答えは決まっていると言っていい。

ハイネ司祭私たちはメルトから全ての話を聞いた。

だが私たちはその話を誰にも言っていなければ話す気もない。

――――――――――――コレで良いのか??」

魔王が昨日の話を聞いたとハイネ司祭に告げるとハイネ司祭はハルトをアイアンメイデンから解放し貫かれた腕を撫でながら悪かったと謝罪を始めていた。



「どういう事だ??それに謝るくらいなら人の腕をぶち抜くんじゃねぇよ!!!

ハイネはまだメルトとかよりもマシかと思っていたが・・・・類は友を呼ぶ効果かチキショー・・・・」

「私がおかしいと思うのならそう思っていてくれて構わない。

私は今・・・いや私たちは今、になっているんだ。」

「とんでもない事??それはどういう事だ??詳しく説明してくれないか?」

話を聞くと何でもこの今いる世界は現実の世界ではなく自分たちの見ている見ていた夢世界が混合した精神的に混ざり合った世界だと信じられないようなことを言われハルトたちはからかわれているだけだと思いハイネの部屋から出て行こうとするとハイネはハルトの足にしがみついて本当だと何度も何度も伝えながらズルズルと教会の外までやって来ると急に大きな地響きが聞こえだしアップダウン王国の城から巨大な水しぶきが噴き上がっていた。

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