362日目 ダイオウリクガメ再起動
メルトの放った古代魔術はダイオウリクガメの体を抉ったものの致命傷にまではならなかったが態勢を崩すまでには十分な威力であり。
メルトは息を切らして両手をつく程疲弊し・・・汗を垂れ流すもハルトにどうなったのかと聞き尋ねていた。
「ハァハァ・・・・んぐ・・・アァ・・・で、ハルト・・・・どうなった??
ちゃんと魔法はクソデカブツにあたったの???」
「あぁモロにヒットしたわけじゃねぇが何とかなったみたいだ。
よし・・・俺はこのまま移動して魔王たちの突撃に後から侵入するけどメルトはもう少しそこで休んでろ。
今の状態で来られても足手まといになるだけだからな。」
そう言ってハルトは移動用に下で待機させていたミーノの背中に乗って移動を開始し。
メルトの隣に看護役としてリザさんがちょこんと座ってメルトを見下ろしていた。
一方魔王たちの方では・・・ダイオウリクガメが倒れた際の衝撃で砂煙が舞い上がっており。
目の前が前か後ろなのかもわからない程に煙が立ち込め、リードとキルりんのナビゲートによって魔王たちはダイオウリクガメの背に侵入し始めた。
「さぁ私に続け!!!この命知らず共!!!
ここで勝てなければどのみち私たちは野垂れ死ぬ運命しかないと思え!!!
さぁここはすでにダイオウリクガメの背だ存分に暴れてヤツの息の根を止めるのだ!!!!」
「そう言うことなら私も鬼化ッ!!!!
――――――――――うがぁぁぁッ!!!!」
「こういう時のせっちゃん鬼verは頼りになるぜ!!!
俺たちの分の手柄を取られないようしっかりとやろうぜ!!!」
「おらおらおらぁぁぁぁ!!!内部への通路はどこだぁぁあぁぁ!!!」
冒険者やハンターたちは魔王やせっちゃんに負けたくないとそこらじゅうを攻撃してまわり・・・ついに火山弾を噴出していた火山地帯にやって来ていた。
「あちぃ・・・・めちゃくちゃな暑さだな・・・
だけどよ、この熱さなら隠してあっても驚きはしねぇよな。
だが俺たちじゃここは荷が重い・・・魔王さんここは頼めますかい??」
「あぁ任せろ!!!
―――――――――ディアブルウォーター!!!」
「ゲホゲホゲホッ・・・・すごい水蒸気だ・・・・ん?この溶岩が固まった先に通路のようなモノがあるぞ!!!」
「きっとそこが内部の機関に繋がる通路だぜきっと!!!
おらおらおら!!!内部破壊じゃおららぁぁぁ!!!」
「内部破壊とか聞いてると俺たちはバイキンみたいな感じだが・・・・気にせずやっちまおうか!!!!」
「うがががッ!!!!!!」
やはりと言うべきか火山を冷却させた先に内部へと通じる道が現れ。
魔王たちはその道を進みダイオウリクガメの内部へ侵入することができ・・・その足で手当たり次第に攻撃をしていくうちにダイオウリクガメは体内の異変を感じ取ったのか大きな鳴き声を上げて叫び出していた。
「うおぉぉ・・・ミーノ、これってコイツの叫び声だよな??
って、事はつまり・・・魔王たちが内部に侵入したんだな!!!」
「うん、この声は痛みで悶える声・・・今までに感じた事のない痛みに悶える声だよ。
あと、そろそろ到着するからしっかり掴まっテ!!!」
「いいぞいいぞ!!!ヤツめ痛みに鳴き声を響かせやがったぞ!!!
このままもっとガツンガツン攻撃してよぉ早い事討伐しちまおうぜ!!!」
「そうだな!!!そのためには心臓を止める必要があるが今はどのあたりだ??」
「知るかよ!生物学は得意じゃねぇんだ!!!
お前はどうなんだよ???このルートは人間と同じじゃねぇのか??」
「まず背中の火山から入った時点で人間と同じ臓器や内部構造をしているとは考えにくい。
つまり・・・内部に侵入はしているが心臓はどこにあるのか皆目見当もつかないと言ったところだ。」
「だったら口を動かす前に手を動かし・・・全てを壊せ!!!
―――――――――――破壊の先にこのダイオウリクガメに死を与えることができるのだからな!!!」
「ふぅ・・・鬼化は少し休憩・・・
だけど細胞の1つ1つが生きているように見えてこのダイオウリクガメはほぼ無機物に近いゴーレムのような構造になっていると言えばいいのかな。
臓器にしても生ものではなく石のような感じもするからきっとこのダイオウリクガメは長い年月を得て体を生物から無機物系の生物へ変化させた特別な生物なんだと思う。」
せっちゃんの難しい話に冒険家やハンターたちは何を言っているのかとサッパリな顔をしていたが。
ギルドの受付嬢にキルりんたちは少し興味が湧いたのかサンプルが欲しいと言い出し・・・先に渡しておいた保存用の試験管に細胞を採取してもらいさらに攻撃を続けていくと大きな空間に出て来ていた。
「何だココは・・・妙に明るく中心に丸い球体が見えるが・・・
もしかしてこれがダイオウリクガメの心臓なのか??」
「形状の変化を繰り返すうちに心臓も変化してできたのがこれなのかもしれない。
この脈動と魔力を帯びているコレは間違いなく心臓だよ。」
「ふぅ・・・ハルト、匂いを追って来たら何とか間に合ったヨ。
――――――――――魔王たちはそこにいるよ。」
「うぇ・・・・気持ち悪い・・・・ミーノの背中で我慢してたが・・・さすがにずっと揺れている状態は辛いな・・・・で、ここがダイオウリクガメの最終地点か?」
やっとの思いで合流したハルトは宙に浮く丸い球体に目をやり・・・これをどうやれば破壊できるのかと魔王たちに問うと。
魔王は大剣を握り込み叩き付けるが丸い球体はビクともせずその場に浮いており。
次にせっちゃんが鬼化し攻撃を試みるもその結果は魔王と同じくして効果はなく。
冒険家やハンターたちも協力して同時に攻撃してみるも全く持って効果は得られずであった。
「なぜだ??この球体になぜ傷が入らないのだ??
私は魔王だぞ??こんなことがあってはならない。
どんな手段を取ってもいいと言うのであれば私の真の姿を解放し滅ぼして・・・・」
「いやいやいや、今はそんな超絶危険な変化はやめてくれないか??
ここにはハンターや冒険家がいるんだぞ??よく考えろよ。
でも・・・力自慢の2人の攻撃をもってしたとしてビクともしないとなるとお手上げじゃねぇか??」
「いいえ、そうでもありませんよ。
考え方を変えてみるんですよ!!!攻撃は攻撃でも魔王たちの武器はわずかに魔法や魔力を帯びていますよね?
だったら私の作り上げた爆弾で起爆すれば潰せるのではありませんか??
あと、ひとこと言っておきたいのですが・・・ダイオウリクガメが目覚めました・・・」
と、キルりんからの言葉を最後まで聞く前に体内が大きく揺れ始め・・・ダイオウリクガメがゆっくりと態勢を整えて立ち上がろうとしていることだけが分かった。
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