363日目 討伐後のアフターケア


 ダイオウリクガメが意識を取り戻し態勢を整えようとしており。

ハルトたちに時間は残されていないと感じたのかキルりんの言葉通り渡されていた粘着爆弾を球体に叩き付けた所まではいいのだが・・・・何かが足りずよく見て見ると・・・・



「おい、この爆弾・・・起爆式かよッ!?」

「そうですがどうかしましたか??安全装置として誰かが近くで起爆させないといけないようにしておきました!!安全は大切ですので!!!」

「うむ、今はその安全性が邪魔をしていてだな・・・誰かが残って爆発させないといけなくなっているのだ。

よし・・・こういう時は魔王の私が残ろう。

体は人間よりも頑丈であるからか気にする必要はない。」

「・・・・・・・・・・さっさとハルトが爆発させちゃいなさいよ・・・」

「鬼化した私なら大丈夫だからハルトたちは先に・・・・」

冒険家やハンターたちを先に逃がしておいたせっちゃんたちは自分がと言って残る事を主張していたがハルトはこの流れはダメだと知りつつもスルー出来ないと血がざわつき始め。

ハルトは目をつぶって手を上げ・・・自分がやると言って目を開くとせっちゃんたちは外側で待機していると声だけを残して消えており。

外でどうなったのか一部始終を聞いていたキルりんはドンマイとハルトに優しく語り掛けるとハルトは言葉にしようのない表情でほろりと涙を流し。

魔王たちのOKの合図と共に爆弾に着火し球体を吹き飛ばした。



「うぉぉぉ!?すごい揺れだがハルトは大丈夫なのか??

あんな距離で起爆なんてさせたら普通は粉々の爆散だろ・・・・イイヤツだったのにな・・・・」

「またアイツと話す機会があればとある店を紹介してやりたかったのによぉ・・・・バカ野郎が!!!」

「おい、泣くんじゃねぇ!!!泣いてもハルトは戻って来ねぇだろ!!!

俺たちはハルトに大切なモノを学ばせてもらったんだよ!!!

命を懸けてでも国を救えってな!!!だから次にこんな機会があれば俺が・・・・」

「がはッ・・・・その言葉ぁ・・・・言ったな!?マジで覚えてろよ!?

その声はガインだな!!!お前は今度何かヤバイ事があったら俺の代わりになれよ!!!!マジだかんな!!!」

「うぎゅ・・・・本当にG並の生存力ね・・・だけどコレで魔王の酷いゴハンを食べずに済むのなら良しとしておこうかしら。

私もそろそろムチを撃ってでもやることをしないといけないわね・・・・」

「ん?私のご飯が何だって??

ともあれハルトは無事なんだな!?だったらすぐに助けに行くから待っているのだぞ!!!

せっちゃんも付いて来てくれ!!キルりんはそこから適当に状況の確認と冒険家たちに指示をしてくれ。」

「うん!!ハルトならきっと大丈夫って私は信じていた。

すぐに行くから待っていて。」

魔王たちは全速力でハルトのいた方へ向かうとボロボロになったハルトがモザイクを装備して寝転がっており。

モザイクを取るために魔王はハルトに治癒魔法をかけある程度までモザイクを取り移動させようとしたがハルトは球体が砕けた事は確認していたがその後でダイオウリクガメが死んだのかどうか問うており。

魔王とせっちゃんはキルりんに尋ねると・・・・・



「いえ、ダイオウリクガメはまだ健在です!!

何か怒っているようにも見えますがさっきの爆発の痛みで動けないのか動きが止まっています。

ですが・・・・先ほどの球体が急所ではないとすれば・・・・まさか・・・・それはダイオウリクガメの卵だったとでも言うのですか!?」

「まさかの・・・卵かよ・・・がはッ・・・んじゃ次のウィークポイントを探さねぇとマジで時間がねぇ・・・・

魔王とせっちゃんは俺を置いてこのデカブツをボコボコにしてやってくれ。

俺はそのうち歩けるようになるがコイツだけはダメだ。

へばってるメルトも冒険者にハンターも聞いてるのなら手を貸せ・・・・・

このダイオウリクガメの弱点を探し出すまで攻撃し続けろ!!!」

「ったく・・・ハルトってばGのくせによくギャーギャーと騒ぐわねぇ。

いいわよ!!!私の使い切った魔力はある程度まで回復したからこのリザさんを使った移動式魔法ブッパを見せてやるわ!!!!

―――――――――――チャージしておいた・・・アークバインド!!!!」

メルトはリザさんの背に乗っかり・・・・移動しながらの魔法を放ち。

ダイオウリクガメの足や体を木々を使って地面に固定させ時間を稼ぎ・・・ダイオウリクガメがよろめいた際に地上にいた冒険家やハンターたちの増援がやって来ると魔王たちの荒らして行った箇所をさらに攻撃し抉り取って行くと何やらドクンドクンと脈打つモノを見つけ攻撃を仕掛けるも冒険家たちの武器では攻撃が通らず。

魔王たちがやって来るとそれは確かに心臓のような臓器であった。



「よく見つけてくれた!!!この臓器は間違いなく心臓だ。

それに我が魔眼でもわかるが・・・この心臓には何十ものプロテクトが加えられている。

だから冒険家やハンターたちの武器では効果が無かったのはそのためだ。

だがこの程度のプロテクトならば私とせっちゃんの攻撃を数撃叩き込めば崩れるものだ。

だから息を合わせて叩き割ろう!!!ハルトの言葉を実行するためにもな!!!」

「心得た!!!タイミングは魔王に任せるよ私は合わせる方が得意だから。」

ハンターや冒険家を下がらせた2人は静かになったところで攻撃を始め。

人間の感覚だとほんの一瞬・・・瞬きをした程度の時間で2人はすさまじい攻撃を叩き込んでおり。

冒険家やハンターたちが次に2人を目にしたときには武器が鞘に収まっており心臓は血を出すことなく切り離されバラバラな肉の塊となっていた。



「せっちゃんとの連撃で心臓を破壊したが今でもダイオウリクガメは動いているか??」

「いえ、動きが止まり多分ですがダイオウリクガメは死に絶えました。

ですが次の問題が発生しました・・・・ダイオウリクガメの傾きから国へなだれ込む形となりそうです!!!」

「ぐぅぅ・・・魔法を使い過ぎてコレ以上はもう限界・・・・後は魔王たちに任せたわよ・・・リザさんその辺の安全そうな場所で休憩よ・・・」

「一体どうすれば・・・・」

ダイオウリクガメのバランスが崩れ始めたのか背に乗っている状態の魔王たちは妙に傾いていると言う事と勢いが乗りつつある状況にどうすればいいのかと考えてはいたもののその時はすぐ目の前まで押し迫って来ていた。

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