351日目 死を運ぶ黒き光線
キルりんの毒草潰しを間近で見ていたハルトはその毒草を潰したもので何をしようとしているのかとキルりんに問いかけると。
キルりんはゴリゴリと毒草潰しを止めてハルトに向かってネットリと滴る毒液を見せながら効果を答えだした。
「これはですね、数ある毒草の中の毒を集めて磨り潰してあるのですが。
そうですね何をつくぅっているのかまでは行っていませんでしたね。
この毒液はこれから春になってやって来るシロップのイモムシを守り害虫を駆除する特製の毒液なのです。
これはですね、身を護るために毒草を食べる習性からどう組み合わせればイモムシを殺さずに成長させられるかと考えて作り上げた私の特性アイテムの1つで。
これを街で売ればそこそこにお金が稼げるのではと考えて現在大量生産中なのです。」
「へぇ~~キルりんってそうやって時々だが・・・頭のいい方法でモノを作ってんのにどうして俺たちと一緒にいるんだ??
1人でやる方が気楽なタイプばかりじゃないのか??アサシンって言う職業はさ??」
「何だかあの2人親密に話してない??
でも今は私は新たな魔法の開発よ!!!さぁ今こそハルトにぎゃふんと言わせるために唸りを上げるときよ!!!」
「唸りを上げたとしてもそれはただの雷魔法だろ?
もっと自己流で独特なものを作らないとハルトは驚かないのではないか??
何でもハルトの言ってた事なのだが・・・げーむと呼ばれるものに出てくる魔法には即死魔法やら治癒魔法とありとあらゆる魔法を使っていたと言っていた。
だからハルトから何か聞くことができればある意味斬新で画期的な魔法ができるのではないかと私は思っている。」
メルトと魔王の2人はキルりんたちがこちらを見ていない事をいいことにコソコソと何かを相談していたのだが、それとは違ってハルト側にいたキルりんはハルトの質問に真剣な顔で答えた。
「いやちょっと待ってください私が1人で生活するにしてハルトたちが寂しくなるんじゃないかと思って私はアサシンの流儀である群れることなかれの精神を逸脱していることに気がつかないのですか!?
そ、それに・・・私は1人で生活してみようと宿を長期契約しようと話したことがあるのですが・・・・私をまだ子ども扱いしていて全く許可が下りないんですよ!!!」
「あ、えっと・・・そっかぁ~それは困ったな・・・・あぁ~あ・・・聞くんじゃなかった。
こりゃまだまだ世話をしなけりゃならん流れだな・・・で、アイツらは何をコソコソやってんだ??」
「それじゃ行くぞ!!!私の新たな魔法!!!
―――――――――――――デスビー○!!!」
「おぉ!!出たぞメルト!!!その禍々しくも強そうな光りはまさしくハルトが言っていた何でも殺してしまう死のビーム!!!
話をしているだけで魔法を構成するとは本当にメルトは面白い特性と知恵を持っているな!!!」
メルトは自信満々に手のひらから黒い禍々しいビームを放っており。
その威力はとある本のビームを連想させたが今はそんなことを言っている場合ではなく。
ハルトはその禍々しいビームを止めるべくメルトたちの方へ向かって駆け出すとメルトは案の定・・・木や岩をぶち抜きある意味生態系を壊す死の攻撃を行っている状態にあった。
「あんぎゃあぁあぁぁ!!!これどうなってんのよ!?
私の新たに作り上げた魔法は死の光線だけどどうして止まらないのよ!!!
もういいわよ!!!これだけ試せたらいいわよ!!だから止まりなさいよ!!!」
「ふむふむ、そう言うことか・・・・私は魔王だから魔法の特性は魔眼で見抜けるのだ・・・・あれは誰か生きてるモノに当たらなければ終わらないまさしく死の魔法だ。
つまりハルトに当てて魔法を止める以外方法はない!!!」
「いや、待て待て待て!!!何で毎回人をクッション代わりに言ってやがんだよ!?
あんなヤバそうな魔法をモロに喰らっちまうとヤバいだろ??
だからさ??ここは男も女も関係なくじゃんけんで決めないか??」
「本当にハルトはセコイですねぇ。
ここは私たちを守るようにしてカッコよく体を張るシーンではないのですか??
わかりました・・・そう言うことなら私がやりますので後はまかせましたよ・・・・」
キルりんは清々しい顔で魔法を受けに行こうとするとその手を掴み魔王が私なら大丈夫だと言い合いになっており。
そのやり取りを見て自分も混ざらなければいけないと判断したハルトが行くと言うと魔王たちはサラッと流れを理解しているのかどうぞと身を引いていた。
「アンタたちそんな所で遊んでないで早くコレの身代わりになってよぉ~~~
もう私の魔力が暴発しちゃいそうでこのままじゃ全員を殺し尽くしちゃうわよ!?
はやくぅ~~~おねがいよぉ~~~~」
「と、言うわけですのでハルトはメルトと私たちを救うと思ってよろしくお願いしますね!!
それでは高みの見物としてここらへんで見させていただきます。」
「そうだな・・・あの魔法の効果と威力をもっとしっかりと見ておきたいから私も最後まで瞼を閉じずに見ておこう。
大丈夫だハルト、最後まであたしたちは一緒だ。」
「そんな離れた場所から言われても全然ッ嬉しくねぇぞ!!!
ったく・・・好きで不死身なわけじゃねぇのにアイツらは毎回ややこしいトラブルに巻き込まねぇと死んでしまう病気か何かか・・・・
マジであんなの受けてぽっくり死なないよな??って・・・死んだ方がマシとか言ってるが今がその時とかいうアレか??
いや、まぁ・・・どうにでもなりやがれ!!!こいや黒いビーム!!!
――――――――――ぐべほッ!?ぺぎゃぁぁあぁぁぁ!!!!!」
ハルトは不本意ながらメルトが通り過ぎる人の命を奪う前にカバーするべきだと黒いビームの前に身を差し出し魔法を全身で受け・・・体中に電撃が走る痛みを感じつつもハルトは何とか生きておりメルトは即死しなかったことに少しだけがっかりした様子でハルトを見て魔王にさっきの魔法は失敗だったと呟きハルトを置いて再び魔法の鍛錬に戻っていた。
「ハルト??大丈夫ですか???
今さらなんですが不死身の体は意外と万能ですよね・・・痛みはあったとしても毒にも強ければ魔法にも無慈悲な攻撃にも強く多用途で羨ましいです。
私もどうにかして不死になれないですかねぇ~」
「それに鍛えれば伸びしろがわからないところもあって以外にも魔王の気質があるのかもしれないぞ?どうだ??魔王の道を進み共に世界を取ってみないか??」
「いや・・・今はそっとしておいてくれ。
あと・・・この体が完全回復したらメルトを泣かすから逃がさないでおいてくれ。」
ハルトは2人に表情を見せてはいなかったが声のトーンからとんでもないほどに怒っていると察した2人はメルトが逃げないように監視するとともに円を描いてその中から出ないようにして待つとハルトは体が回復したのか雪を踏みしめてメルトに近づいていた。
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