352日目 仲間を助けにトンネルにGO
回復しきったハルトに泣くまでグリグリをされたメルトは地面に顔を伏せて転がっており。
この時間を無駄にしまいと次に魔王は自分の新たな技を見せてやろうと意気込んで前に出るもハルトとキルりんは興味なさげにスルーし・・・空を見上げると魔王は泣きべそをかいていた。
「あ~もう、わ~ったから・・・さっさとその何とかを見せてくれ。
魔王の攻撃ってどれも大味であんま違いが分かんねぇが適当にコメントしてりゃ文句は言わねぇだろ。」
「ハルト全部聞こえてますよ。
それに火が付いたのか魔王も何だかやる気満々・・・・言っておきますが人様に迷惑にならない程度でお願いしますよ。
ここで伸びてるメルトと同じように借金ガールはいやでしょう。」
「それは大丈夫だぞ!!!私の新たに会得した技は剣技でも魔法でもない!!!
この体を使った拳法だ!!!フンッ!!!ハァァッ!!!トウッ!!!
―――――――――ゼイッ!!!フリャッ!!!」
魔王は1つ1つの技を切れのある動きでハルトたちに見せてはいたが。
ハルトの目には攻撃の華麗さよりも違うばるんばるんと跳ねる2つのボールを見ており。
魔王の拳法演武が終わるとすぐさま魔王はハルトたちに感想を尋ねてきていた。
「で、どうだった!!私の考えて会得した魔王拳法のキレと強さは!!」
「え、はッ!?そ、そうだなぁ・・・・いいもん見させてもらったぜ!!
魔王は本当にいいもんもってるな輝いてるよ・・・・うんうん。」
「と、ハルトは言っていますが本当は魔王のおっぱいの揺ればかり見ていまして・・・発情したバーバリアンの様でした。」
「んん~~いたたた・・・本当にミスしたくらいですぐにグリグリ何てすんじゃないわ・・・って、アンタたちなにをやってんの??」
泣き止んだメルトは体を叩いて立ち上がりハルトたちを見たのだが、ハルトはキルりんを追いかけ魔王はハルトを追いかけると言う謎のグルグル運動を見せ。
メルトは関わらないようにしようと呟き・・・雪を踏みしめて新たな魔法のコンセプトとなるモノを求めて散歩をし始め。
メルトがいなくなったことに気が付いたハルトたちはどうするかと話し合いをし始めた。
「まずは互いの事で怒るのは止めて・・・メルトを探しに行くか探さないでスルーするか考えないか??
アイツは今俺たちの中でもトップクラスのど貧乏なヤツだ。
借金を抱えたあいつがまた金の為にと何か妙な真似をして借金を増やさないか俺は心配なんだが魔王たちの意見を聞かせて欲しい。」
「私もメルトのやりそうなことは知っています。
シュゴビーやお酒を飲まないようにするだけでハルトからお金をもらえると言う好条件は害を出してでもやり遂げるでしょうが・・・その害がこの行だとすればマズくないですか??」
「言われてみれば妙だ。
私たちのやり取りに嫌気をさしてどこかへ行ってしまうにしてもひと言くらいはするだろうし・・・・その辺を見て回らないか??
で、その他とにキッチリと3人で話し合おうではないか。」
と、話はメルトの異常な行動に出ていないか調べるためと意見が合致し・・・メルトを探しに足跡をつけて探しに向かうもとある地点でメルトの足跡が消え失せており魔王にさらに追跡は可能かと尋ねた。
「雪の中を歩いて移動しているメルトの後を追っている間に足跡が消えてなくなっていると言う事は。
魔法で空を飛んだか何かしらのトラブルに巻き込まれたか・・・・はたまた謎の集団に誘拐されたと考えるのがよさそうだが。
誘拐はほぼ無いだろうな・・・あのメルトを何事もないまま運ぶのはとんでもなく大変だからだ。
だとすれば空を飛ぶかトラブルだが・・・空を飛んだと思うか??」
「いえ、空を飛ぶにしても家に帰るにしてもメルトはきっと私たちにどうあれ一声かけるはずです。
ですからメルトは空を飛んでおらずトラブルに巻き込まれてのではないかと私は思います。
例えば雪の中に引きずり込まれたとか・・・・ツンツン・・・ん!?こ、これは・・・・雪で作られたフタのカモフラージュでしょうか??
こんなところに・・・魔獣か害獣がいたと言う事でしょうか??」
「どうやらそうかもしれないな。
あれだけド派手に魔法やら激しい演武をしてりゃ害獣の1匹や2匹目覚めてもおかしくないが。
このフタのような形状といい先に続くネバネバした糸のようなモノを見るに・・・入ったら俺たちまでやられたりしないか??」
ハルトは悔やみの続くトンネルに恐怖しているのか得体の知れない相手が先で待っていると考えるとメルト1人の犠牲で済むのならと2人に訴えかけるが2人はハルトの首根っこを掴んでトンネルの中へダイブし・・・・トラブルに巻き込まれたメルトを探しに行くこととなった。
「クソ、こんな光るキノコで辛うじて見えるトンネルの中をアイツが無欲に歩くとは思えないんだがよぉ。
本当にこのくらいで引き返さないか??きっとメルトならこの中にはいないと思うぜ??」
「本当にそう思いますか??見てくださいコレはメルトが身にまとっていたマフラーです。
これをワザと落としたのかどうなのかはわかりませんがたまたま見つけたトンネルの中にたまたまメルトと同じマフラーが落ちているなんて言う事が本当にあると思いますか??
いいえ、答えはノーですよ・・・だからメルトはこの先で私たちが来るのを待っているに違いありません。
さぁ行きましょうハルト!!メルトとはすぐにきっと会えますって!!!」
「そうだぞ!!!私たちなら絶対メルトを救えるはずだ。
だからともに力を合わせてメルトを救おうではないか!!!」
3人は改めてメルトを救うと心に決めて奥へと続く道を進もうとした時、何かねばねばしたモノが顔や手に纏わりついたと感じたハルトはそれを引き剥がそうとするが取れるどころかむしろ深く絡まり出し。
キルりんと魔王もハルトと同様に糸が絡みついたのか糸を引き剥がそうとするが少しずつ糸が体に絡まり・・・いつの間にかハルトたちの手と胴体は糸でぐるぐる巻きになってしまい。
その一部始終を確認したのか前方から赤い瞳がハルトたちを捉え、カサカサという足音と共にこちらへ向かって来ていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます