345日目 第2試合:スノーオーガ戦


 次の対戦相手となるかもしれない2チームの戦いを見に来たハルトたちは目の前で行われているスノーウォーの中に見覚えのある者がいると思いジッと見つめていると・・・・その選手は雪玉をさらに硬く握り込み、壁の裏に隠れた相手に向かってを投げた途端。

その壁を貫くようにして雪玉?が相手に直撃し後方へ転がしていた。



「おい、あの豪快な選手って・・・だよな??

それに投げた球はどう考えても雪玉じゃなくて氷だったよな!?」

「ルール上ギュッと硬く締め上げた球は使用しても大丈夫らしいです。

その代わり二つを一つにするという玉の改造は禁止されています。

それと・・・チーム名スノーオーガのメンバーにちゃっかりとせっちゃんの名前が書かれています。

他のチームメンバーは酒場のウェイトレスさんたちですね。」

「やっぱりと言うべきか・・・せっちゃんは冒険者やハンターたちの仲間には入れてもらえなかったようだな。

だが、せっちゃんを仲間に引き入れた酒場のウェイトレスたちは中々に賢い選択をしたのかもしれないな。

見ての通りせっちゃんに攻撃と注意をさせつつ他のウェイトレスたちが隠れて移動して・・・ホラ、フラッグを取っているぞ。」

「固定砲台として扱うなんて・・・さすがね酒場のウェイトレスたち・・・・

だけど次の対戦相手はあのスノーオーガになるとして対策を考えないと次は私たちが負けることになっちゃうわよ??

あんな壁を貫通させる玉を投げるバカみたいな力を魔力も使わずに出すなんてドーピングするしか方法はないじゃないの!!!」

体の構造上せっちゃんは鬼としての性能が高いのか魔力を扱ったり鬼化しなくても雪玉を先ほどのように固めるだけで貫通させるだけの力を持っているため。

魔力である程度強化していた魔王にはせっちゃんのような芸当ができる訳でもなく。

せいぜい魔王の場合だと相手の雪玉を潰しながら自分の雪玉を当てると言う粉砕当てができる程度であるが・・・それもどこまで通じるか怪しいものとなっていた。



「勝者、スノーオーガ!!次回の対戦相手は人間とサキュバスチームですので休憩後対戦ステージに移動よろしくお願いします。」

「よぉ、せっちゃんに酒場のウェイトレス。

対戦を見てたが・・・前にも出た事があるのか??やり慣れてる感じがあったけどよ。」

「ウェイトレスの私たちの楽しみはスポーツだったりするからこういう大会には強いから覚悟してね。」

「それじゃ私たちは先に対戦ステージで待ってるからハルトさんたちも早く来てね。」

「そう言うワケで私は風邪をひいて出られなくなってしまったウェイトレスDの代わりに抜擢されて入ったと言うわけなんだけど。

私が出てもよかったのかとちょっと不安なんだ・・・・人目が降り注ぐ中鬼の角を生やした私がいてもいいのかと。」

「そんなの関係ありませんよ!!だってここにある意味危ない格好の魔王に教会チームにはミノタウロスにリザードがいるのですよ??

それにこの国も人に危害を与えない人外も住むことを認められている共存国なので気にする必要なく全力で戦いましょう!!!」

「別に私の格好は変じゃないはずだぞ!?

ちょっと動きやすくするためにぴったりとしたスーツをだな・・・・

いや、今はスーツの説明よりも次の対戦は私もせっちゃんが相手となると本気で行く必要がありそうだから互いにベストを尽くそう!!」

「私は別に言うことはないんだけど・・・金のために勝つッ!!!」

メルトは自分の私利私欲を強く訴えかけるとせっちゃんはハルトたちの言葉を聞いて元気な表情に戻るとウェイトレスたちの向かっていった方へ走って行き。

ハルトたちも待たせては悪いとすぐに向かうと・・・・・



「おぉ、キタキタ!!!ハルトォぉォ!!ウチのチームにコテンパンにされてヤケ酒を飲みに来いよなぁぁぁ!!!!あっはっはっは!!!!」

「そりゃどうも!!!だが言っとくが俺たちも簡単に負けるつもりはねぇんだ!!

店長の悔しがる顔が見たいし俺たちが勝たせてもらうからちゃんと店を開けて待ってろよぉ!!!

と、まぁ・・・意気込んでは見たモノの・・・・陣形は速攻で攻めるタイプか。

攻撃でも防御に出たとしてもこれだと面倒だ。

キルりん・・・ちょっといいか??少し気になる点があるんだが聞いて来てくれないか??」

「フムフム・・・わかりました。

すいませぇ~~ん・・・ルールの確認をしたいのですが。」

開始の合図が行われる前に話をし終わったキルりんが戻ると・・・グーサインを出し。

予定していたことがセーフだと知ると、ハルトはキルりんにサインを出したらそのアクションをするようにと語ると同時に試合開始の合図が言い渡された。



「それじゃ先行はスノーオーガだから一気に攻めちゃうわよ!!

せっちゃんさんはガンガン雪玉投げちゃって!!!」

「了解、任された!!!

―――――――――まずは初期配置から考えて・・・・そこだっ!!!」

「んぎゃッ!?あっぶなぁ・・・・・せっちゃんのアレを生で直撃しちゃったら意識不明の重体になっちゃうわよ??

でも・・・攻めてくるウェイトレス軍団を凌げば固定砲台だけになるって言ってたから・・・狙いは固定砲台じゃなくてそこだッ!!!!」

「ふはぁ・・・・当たっちゃいましたぁ・・・・・」

「ナイスショットだ!!!

さぁ私たちも防衛しつつせっちゃんの攻撃しないとだが・・・・

――――――――――――――さぁどっちから来る・・・・」

魔王は二手ある道を見ながらガードをして待っていると、前からウェイトレスが現れ・・・雪玉を当てるも後方からもウェイトレスが来ており。

そのウェイトレスは一気にフラッグを掴もうとしていたのだが。



「残念でした、俺もここに潜んでたんだぜ??

――――――――――それいっと、後はこれで固定砲台のせっちゃんだけだな。」

「攻め手からこうも被害を最小限にしつつ倒していくなんて実にハルトらしい巧妙な手だ。

だけど私がただの固定砲台だと思ったら大間違いだよ!!!

――――――――――――さぁ行動開始!!!」

せっちゃんは雪玉をルールに決められただけ持つとそれを1つずつ強固に固めてストレートに投げ込んでは雪の壁をぶち抜いて攻撃していき。

その歩む速度は慎重でガツガツ攻めるのではなく足音を聞き逃さないための工夫なのか音の聞こえた方に鋭く強烈な一撃が振舞われ、その先にはメルトがユキ壁に潰されてもがいていた。

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