343日目 4年に1度のスノーウォー


 そして、ギルドからの報酬があーだこーだと言いつつ酒場で食事を済ませ家に戻ると玄関に何やら紙が挟まれており。

その紙を広げて中身を確認すると・・・・明日開催される王国を挙げてのイベントである王国式スノーウォーが開催されるらしく。

その紙をもってひとまずハルトたちは家の中に戻りこの競技について話し合いを始めた。



「で、このスノーウォーって何なんだ??

1チーム4人で参加って書いてあるが・・・チーム戦なのか??」

「スノーウォーですか・・・4年に一度開かれるの祭典と言われています。

私は参加したことがありませんが・・・競技の内容は確か攻撃側と防衛側と別れ。

雪玉を投げて攻撃し、防衛側のフラッグを掴めば勝利と簡単なルールですが。

説明以上に盛り上がっているらしくて魔法を使った放送までしているとか何とか。」

「私も聞いたことがあるが・・・魔法や武器の持ち込みは一切禁止で己の肉体のみで戦う過酷な戦いだと聞いている。

雪玉はサポーターが補給してくれるとは言え無駄に扱えばやられるのは必須。

だからどれだけ正確に雪玉を投げて相手を打ち倒せるかが勝負のカギだ。」

「それに見たところ優勝チームには賞金が出るらしいしぃ~私はハルトが出たいって言うのならぁ~出てあげてもいいわよぉ??」

メルトは楽して自身の借金を減らそうとしていると言う事を即時に察したが。

冬場の行事もまともにしていないと記憶の中を駆け巡ったハルトは、少しでも冬の行事というものを満喫したさに賞金がどうとか優勝がどうとか言う前に参加することに意味があると熱く語って参加することを表明すると。

魔王は自分の部屋に戻り教師風な格好をして眼鏡までつけて戻ると、キルりんの用意したホワイトボードに今まで考えていたのか作戦を語り出していた。



「コホン・・・こんなこともあろうかと私は大変長い間作戦を練り続けていたのだがやっとこの機会がやって来た!!!

さぁ私の考え出した作戦内容を全て頭に叩き込むのだ!!!

まずはAプラン!!!囮役を使った逆方向アタックだが・・・これは足の機敏なものと回避率のある者がいなければできないから注意が必要だ。

それとBプランは防御陣形を打破するための攻撃法だ。

上空から弧を描くようにして投げ防壁に隠れる相手を狙い当てるというものだが・・・雪玉は想定以上に崩れやすいものもあるから十分に気を付ける事。

それから―――――――――」

「え、雪玉に石を入れるのは反則なのか??

クソ・・・それじゃ威力と強度が出ねぇな・・・・」

「ハイ、そうなんですよ。

私もアサシンスクールでは手裏剣やクナイの練習として冬場は雪玉を投げてはリードに石ころ入りを投げていたのですが・・・それができないとは悲しきことです。

あと氷を使うのも禁止だそうです。

もしもその禁止玉を扱えば即時退場でゲームを再開するとか。」

「本当に禁止行為にはキツイ世の中ね・・・少しくらい見逃しなさいよ。

それじゃ・・・マジで雪玉と雪の壁にキルりんのまな板城壁を駆使して戦わないといけないわけね。

それにしても・・・魔王は1人で本当によく話すわねぇ・・・・」

と、魔王の会話を聞かずに3人でボソボソと禁止行為やルールを細かく話し合っているとついに魔王は気付いたのかホワイトボードを叩きつけて真面目に聞くようにと涙目になっていた。



「それじゃ・・・私の話は終了とする。

本当に最後まで聞いてくれたのか??明日のスノーウォーは本当に厳しい世界なのだぞ??

作戦を持たずに戦えるとは思えないのだが・・・・」

「いいのよソレで!!私たちにルールなんて無用よ!!

イカサマに見えないところで不正をして勝つのが私たち流じゃないの!!

―――――――――ハルトもそう思わない??」

「俺に同意を求められても困るんだが。

まぁ明日のスノーウォーに参加してどこまで行けるかだよな。

優勝は目指すがポットでが勝つような温い世界じゃなさそうだし程々にだ。」

「私はやるからには勝ちにこだわりますよ。

ですから明日のスノーウォーはマジで行きます!!!マジで!!!」

キルりんとメルトは腕を組んで部屋に戻って行き魔王とハルトは大丈夫かと不安な思いを募らせてまた明日と別れると翌日・・・・・



朝食を済ませたハルトたちは会場となる平原に作った戦闘フィールドにやって来ると。

すぐにチーム登録を行い・・・準備運動として雪玉を投げて練習していると聞き覚えのある声が聞こえ振り向くとそこには――――――――――



「やぁやぁハルト君!!君たちも参加するのかい??

もしもそうだとしたら今回は勝ち目がないと思うよ??」

「別に俺は勝つ気なんてぶふぁ・・・・・」

「やりましたぁ!!!ハルト討ち取ったリィ!!!

さぁお次は誰ですか!!!今日の私は絶好調ですよ!!!

雪玉を使った変化球も身に付けましたしコンディションも完璧!!!

これは私1人でも勝っちゃいますよ!!!あははは!!!ぶふぉッ!?」

「よそ見は駄目だぞ。

それにしてもハイネ司祭が来たと言う事は・・・あぁいたいた・・・ジャージーを先頭にした凶悪なプリースト集団・・・」

「うっわ!!!リザさんにミーノを入れるとか完全にチートじゃないの!!!

基本ステータスがバケモノ級を入れるのは反則じゃないの!?」

「ワタシ別にバケモノじゃないよ??ただのミノタウロスだよ??」

「あう~う!!うあぁ~~あぁ!!!」

「まぁまぁお2人とも落ち着いて。

人外は2人までしか入れられないと公式ルールにも書いてありますので規定範囲内ですよ。

それに・・・こちらにはという隠し玉がいるのでそれなりに良い戦いができるといいですね・・・ハルトさん。」

「そう言うわけだからキルりん・・・決勝で待ってるよ!!!」

漫画のライバル風に語って過ぎ去っていくハイネ教会チームを見送ったハルトたちはこのスノーウォーは想像よりも危険な事が起こりそうだと脳裏をかすめ。

プリーストチームと戦う際は攻撃をするターンであっても無謀な行動を避けるべきだと心に誓い再びハルトたちは雪玉を投げる練習を行い始めていた。

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