310日目 魔王の気持ちとハルトの考え
猛吹雪の朝、朝食を済ませたハルトたちはこれからどうするかと・・・窓の外でごうごうと音を立てて降り続いている雪を見ながらつぶやくと。
魔王たちは晴れるまでは個人で好きなように過ごせばいいんじゃないかといつにもなく適当な言い回しにハルトは気になって問うと―――――――
「何でもない・・・昨日の事なんて一切も気にしてない。
―――――――――――だから気にしないでくれ。」
「昨日の事??あぁ・・・・せっちゃんとのアレをまだ気にしてたのか?
魔王は意外と小さい事を気にするんだな。」
「昨日のアレは私からも説明した通りハルトをからかっただけで何でもないよ。
うん!!コレは本当!!真実だよ!!鬼の名に懸けて誓う!!」
せっちゃんの説明よりもハルトの小さい事という言葉にピンと来た魔王はハルトに近づいて問うた。
「小さい事??それでも私はすごく・・・心配したんだ。
ハルトがせっちゃんに盗られて私たちのパーティーからいなくなってしまうのではとな。
それだけハルトはこのパーティに・・・私にとっても大切なモノなのだ。
だから小さい事であろうと大きなことであろうと仲間の引っこ抜きはNGだぞ!!せっちゃん!!」
「ごめんなさい・・・・ハルト、昨日のあの件はハルトを私の仲間に引き込もうとしたって言うことになってるから話を合わせてくれると助かるよ。」
「OK・・・こういう時は力を合わせて何とやらだ。
あぁ~~~そうかぁ~~~魔王がそこまで俺の事を思ってくれてるのならせっちゃんの仲間にはなれないなぁ~~~あぁ~~残念残念。
だから、魔王・・・これからもよろしくな??チラリ・・・・」
「あ、そう言うわけですか・・・・ハイハイ・・・話を繋げればいいんですね。
しょうがないですねぇハルトは~~~人騒がせした罰として今日の夕食はうんと豪華にしてくださいよ?」
「豪華!?だったら私もいいシュゴビーを隠してるから今日は宴会ね!!!
パーッと開きましょパーッと!!!」
キルりんの言葉にメルトが過剰反応を示したことで話がやや違う方向に流れつつあったがこれで昨日の件については決着が着いたと魔王を見ると。
魔王はなぜか顔を赤くしてツンデレ口調をして部屋に閉じこもってしまった。
「あぁ・・・何かヘマでもしたか??
キルりんか??俺ではないと思うが・・・・」
「きっとハルトのワードをえらく取り違えて聞いたのでしょうね。
魔王は見た目は女王様系ですが中身は結構なピュアピュアのピュアですから・・・・」
「そう・・・魔王さんはピュアなの・・・だったらハルトがしっかりとサポートしてあげないと。」
「そうよ!!!このメンバーのうちだれがかけても宴会は美味くならないのだから魔王をにっこりさんさんにしてきなさいよ!!
それがハルトの今日の課題でありサブミッションよ!!!
わかったのなら魔王のご機嫌を取りに行ってらっしゃい!!」
せっちゃんやメルトに背中を押されて魔王の部屋にノックをせずに入ると、魔王は毛布に潜り込んでギラリとこちらをにらんでおり・・・・
ハルトは近づけばやられると長年のゲームプレイヤーとしての勘が注意しており。
魔王の攻撃できる範囲を避けてさっきの件について自身に悪い点があったのかと問うと、魔王は違うと言って否定し・・・そのまま再び沈黙となり――――――
「いや、このまま黙っていてもわからん・・・・何か、そう・・・俺が悪くなかったのならキルりんか?メルトか??それとも・・・ないとは思うけどせっちゃん??
何が魔王をそうさせてるのか教えてくれないか??言わねぇとわからんこともたくさんあるんだしさ?」
「うぅ・・・・そうだな・・・言わないとわからない・・・その通りだ。
だったら昔のようにもう一度言おう・・・ハルト、私のモノになれ。」
魔王は布団越しにハルトに魔王の風格もないまま魔王風に語るが・・・ハルトは即答で却下した。
「どうしてだッ!?この流れははいわかりました魔王様!!というシチュエーションではなかったのか!?ハルトは空気が読めな愚か者なのか??」
「誰が愚か者だ・・・だれが・・・
俺は誰かのモノになんてなりたくねぇよ。
それにだ・・・メルトたちがいないから話すが、俺たちのパーティーはもはや不本意ではあるが家族のようなモノだと俺は思っている。
だから誰かのモノとかオスいうんじゃなくて・・・・あぁ~~こういう時は何て言うんだ??
そうだな・・・・運命共同体ってヤツだ。
つまり俺たちは全員で1つで誰もかけちゃいけない存在ってわけだ。
わかったならさっさと出てきてメルトたちの相手をしてやってくれよ・・・
アイツ・・・また昼間からシュゴビーを開けようとしてるんだぜ?
マジでコイツらが家族何てよく言えたもんだ・・・・あぁ~あ・・・」
ハルトはため息をこぼしながら魔王の部屋から出て行くと。
既にメルトはシュゴビーを数本開けており、キルりんはせっちゃんと共に何かしらの設計図に手を加えて・・・何か悪い事を企んでるような顔をして、ハルトに気付くと設計図のような紙をしまって魔王はどうだったのかと尋ねてきた。
「いや、言う事だけは言ったが・・・魔王はサキュバスだろ?
だから夜にならねぇと燃えないのかもしれないな。」
「あぁ~そうでしたねぇ~サキュバスの王様なんですよね。
でしたら夜にまた起こしに行けばいいですね。
あと、せっちゃん・・・先ほどのアレは他の者たちには秘密でお願いします。
これは私たちだけのアレがアレな計画ですので。」
「わかった・・・2人だけの秘密というものだな!!
あぁ~~生れて始めただ!!こうしてドキドキするような秘密事をするなんて!!
だからハルト・・・悪いけどこの件については話したいけど話せないのごめんね!!!」
「ふぃ~~~昼間っから飲むシュゴビーはまた一段と最高ねぇ~~
これならずっと猛吹雪が続いても文句は言わないわ・・・・ヒックッ・・・・」
せっちゃんとキルりんの企みよりも先にハルトはメルトのだらしない生活を正すためにシュゴビーを取り上げ・・・脳天にグリグリをかまして目を覚まさせていると。
魔王の部屋から魔王が少し恥ずかしそうにしてやって来ると・・・・
その手にはトランプが握られており、時間があるのであればとメルトやキルりんたちを誘って大富豪をし始めた――――――――
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