302日目 スケルトングールの発生??


 せっちゃんの騒動によって始まった1日は想定よりも早い段階での行動となっており・・・・朝食を食べに来た酒場も先ほど開店したばかりらしく人が少ない状態からすぐに注文した朝食が運ばれて並べられると。

ハルトはこの際にキッチリと朝から調査をしっかりとこなして早く終わらせることを全員に語り食事に入るとせっちゃんはモジモジしながらハルトを見つめ・・・何やら言い出しづらいのかハルトが先に問うた。



「え、いや・・・・えと・・・昨日は沢山寝られた??

すっごく満足したような寝顔をしていたから・・・・」

「え、あぁ・・・酒の力と調査の疲れからぐっすりとな。

で・・・何でせっちゃんは俺のベッドで寝てたんだ??帰って寝ればよかったのにさ。」

その会話に魔王は何か抑えられない感情が爆発し・・・すごい音と共にフォークが皿に突き刺さっていた。



「いや、すまない・・・・その、ちょっとだけ力の加減を間違えた。

気にせずに朝食を続けて欲しい。」

「うん、戻って寝ようとも考えたんだけれど戻るのも面倒と思ってね。

と・・・考えてベッドを見てみたらハルトの方だけしか入れそうなところが無くって入っただけなの。

だから気にしないで私の勝手な行動だったから。」

「まぁ酒臭いメルトとかナイフを全身のどこに仕込んでるかわからないアサシンと一緒に寝ることを考えたらまだマシか・・・・」

「誰が酒臭いっての!?私はどこから匂っても甘いフレグランスな香りしかしないわよ!!!全く失礼しちゃわねこのクソ使い魔は・・・・モシャモシャ。」

「私も同感です。

私のナイフはどこにでも仕込めるように練習と鍛錬を重ねておりますので仕方のない事。

それをただただ酒の匂いと漂わすメルトと同じ扱いと言うのが気に食いません。

それに魔王だといいんですか??先ほどの中には魔王と言うワードが聞こえませんでしたが魔王だと一緒に寝れると言う事ですか?」

キルりんの言葉に魔王は興味津々なのかチラチラとハルトを見ており・・・ハルトはボソッとをベッドに入れると自分が違う意味で死ぬかもしれないから外しただけだと答えると。

魔王はさすがにこの言動には我慢できずハルトに飛び掛かって押し倒して自分はサキュバスではないと強く言い聞かせるやり取りをする中食事は進んでおり。

ハルトたちも話が終わってパパッと食事を済ませ・・・本題の調査を行いにギルドへ向かった。



「お待ちしておりましたハルトさん方御一行はこちらへどうぞ。」

ギルドの受付嬢に案内されて夜な夜な調査をしているスタート地点に連行されたハルトたちは受付嬢にこれからの内容を問うと。

ここから数キロに及ぶ外周を回って魔獣や害獣が現れていないか調査して欲しいと言うのがメインであり。

その中で害獣や魔獣の討伐の際の報酬は討伐額の10パーセントしか出ないと言う内容にメルトは無報酬ではないことからギリギリ我慢をしている様子であり・・・ハルトたちはさっそく調査に向かおうと移動をしようと歩むと受付嬢は最後にこういった。



「それとこの辺りにはスケルトングールと言う奇妙な魔獣・・・・いえ、召喚獣と言うべきか実験体と言うべきか・・・天然ではないそのグールが確認されたとのことですのでどうかお気を付けて。」

「ちょっと待ちなさいよ!?ソレって倒せば報酬はどんくらい貰えんのよ!!!

金額を聞かないでハイそうですかって狩るわけないでしょ!!!

だからさっさと報酬金額を教えなさいよ。」

「メルト・・・もう少し言い方っていうものがあるぞ?

仮にもギルドの受付嬢だ、これからまだまだお世話になるギルドでの仕事が激減か報酬金を下げられたりする可能性だってあるんだぞ?」

「それは一理ありますね。

ですがメルトの言っていることもわかる気がします。

そのグールは強ければ報酬が高いでしょうし弱ければ答えるような額ではないでしょうから・・・・聞けばおのずと危険度がわかるというものです。」

「ふむふむ・・・そう言う考え方もできるのか。

私は強さの高い相手しか選んでこなかったから・・・・今度の参考にもう少し見て見るとしよう。」

メルトたちの言葉を聞いた受付嬢は足を止め・・・スケルトングール1体の報酬は5万ゴールドと伝えるとそれ以上は何も言わずお辞儀だけしてギルドの方へ戻って行き。

謎のスケルトングールについて魔王たちに情報があればと聞くことにした。



「私の知識の中にはスケルトングールと言う珍妙な名は聞き及んだことが無い。

スケルトンでありグール・・・・か・・・何とも厄介そうな名前だ。

スケルトンは骨の怪物だがグールは食人鬼だとか人食いの化け物だとか言われているアンデッド・・・それらが交わると言う事は特性や強さも想像がつかない。

だからこの先の調査はいつもより一段と警戒をしていく方がいいだろう。」

「ですね・・・あと、せっちゃん・・・食人鬼だとか言いましたが私たちは別にせっちゃんがその中の仲間だとかそう言うことを思っていたりしませんので深く考えないでくださいよ?

ただの推察で引き出しから引っ張り出しただけのワードなんですから。」

「うん、大丈夫。

ハルトたちは今までも私のこの力を何度も見てきて怯えるどころか頼ってくれている節がある。

それが私にとってとても嬉しく思っている。

だから今さら食人鬼と言うワードが出ようとハルトやキルりんたちが私を見る目を変えたりしないと言う事は知っている。

だから・・・メルトのその目をどうにかしてくれたら嬉しいなぁ・・・・」

「食人鬼って鬼でしょ??鬼って言うことはつまり鬼よね??

つまりつまり・・・・せっちゃんは鬼だから鬼で鬼だからせっちゃんもスケルトングールってことかしら??」

メルトの目に移っているせっちゃんはスケルトングールの仲間なのでは?と疑念を抱く目であり。

ハルトはブツブツとせっちゃんに失礼なことを語るメルトにガツンと頭をひっぱたき・・・・そのままずるずると引きずって調査が始まった。



調査を開始して数分後・・・・


「にしても・・・・結構な数の魔獣や害獣の数ですね。

昨日倒した暴魔の影響でしょうか・・・安心安全と知ればすぐに住処を求めて戻ってきたというところだと思いますが人間様から見ればちょっと迷惑なのでお掃除と行きましょうか。」

キルりんが害獣や魔獣たちを確認しナイフを掴んだ際、何か違和感を感じたのか魔王とせっちゃんの2人はキルりんを止めて茂みの中で待機して見ていると。

どこからともなく異様な姿の生物が現れた―――――――――――

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