294日目 調査の終わりと報酬
メルトはグリフォンに襲われて押し倒されると・・・・その傍らにいたハルトたちは茫然と見ており。
助けるべきかどうするべきかと冷静に考えていると、先にせっちゃんが飛び出して攻撃を仕掛けるとグリフォンは攻撃を回避して間合いを取り。
解放されたメルトはと言うと・・・・すぐに助けにこなかったハルトに魔法を数発ヒットさせて地面に転がすとせっちゃんと魔王にグリフォンをメッタメタに叩きのめすように命令した。
「このグリフォンの身のこなし・・・そこそこにハンターや冒険家と渡り合った戦闘経験が豊富と見た。
魔王、差し出がましいけどサポートに出ても構わないかな??
空にも数体のグリフォンがいるようだし・・・・ね?」
「あぁ、この状況だと他のモノに危害が加わる可能性もあるからな。
無残にもハルトは・・・・クッ・・・・こうなれば共にグリフォンを殲滅しようではないか!!!」
「俺はまだ生きてるっつーの・・・・・ったく・・・何で俺だけこんな目に・・・・」
「まぁあの状況下で飛び出さなかったハルトが悪いような気もしますが。
メルトも少しは心配して欲しかったのでしょう。
ですがこの状況だとバラバラになっていては危険です・・・
ですからメルトもこっちに戻って固まってください!!!」
「い、いやよ!!!魔王とせっちゃんが私に卑猥な行動をしようとしたあのグリフォンを叩きのめして血祭りにしてくれないと戻れないわ!!!
さぁ2人ともやっちゃいなさいな!!!!」
「グエェエェェエエェェェ!!!!!!!」
メルトの掛け声に反応したのは2人ではなく上空にいたグリフォンで・・・・再び孤立していたメルトを襲おうと急降下した所をせっちゃんが華麗な一撃によってバラすと。
奥に間を取ったグリフォンは魔王と熾烈な戦いを繰り広げていた。
「でやぁッ!!!!このグリフォン・・・動きに迷いがないのか??
それとも私の動きを読んで??いや、そんなことはどうだっていい!!!
私のストレス発散の為に消えてくれぇぇえぇ!!!!」
「グエェエェェエェェ!?」
「ちょッ!?魔王のヤツ・・・・ストレスの発散とか言いながら魔法で粉々に吹っ飛ばすなよな・・・・あぁ~あ・・・グリフォンが跡形もなく消し飛んでらぁ。」
「ちょっとちょっと!!!魔王ってば何してくれちゃってんの!?
これじゃグリフォンの討伐証明できないじゃないの!!!
もう・・・・魔王ってば時々こう脳筋のような戦いをするわよねぇ~
まぁいいわ・・・・1体はせっちゃんが倒してくれたし!!!
―――――――――ゴールドゴールドざっくざっくぅイェイ♪」
「金に目がくらんでとんでもないくらいにハイテンションですね。
魔王もそうがっかりしないでください。
今回の戦いで他の冒険者やハンターたちに私たちの強さの証明ができたようですのでこれからはこの偵察任務内はナメられるようなことが無いでしょう。」
「えっと・・・その・・・ハルトさんたちのPTマジパネェっす!!!」
「今度酒場で武勇伝を聞かせてもらってもいいか!!!」
「そこの姉ちゃんはレンタルできるのか??」
グリフォンを退治したことによってピリピリした状況から一変し。
とんでもない力を見せた魔王たちのいるハルトPTは瞬く間にトップの座に移り。
今さっきまで喧嘩をしていた連中も今では魔王やメルトを囲んでわいわいと楽しげに話す始末であったが・・・・この状況でもやはりせっちゃんの周りには人がおらずひとりでしょんぼりとしていた。
「グスン・・・・いいんだぁいいんだぁ・・・どうせ私は鬼だから誰にも相手にされないんだァ・・・・なれてるからいいもん・・・」
「えっと・・・その・・・せっちゃん??
お、お疲れだ・・・・その、俺もあんまり賑やかなのはパスだからせっちゃんと一緒にいてもいいか??」
ハルトはあまりにもせっちゃんが浮かばれず不便だと感じて気を利かしてせっちゃんの隣に座ると。
せっちゃんはハルトの手を握って喜んでいた。
「ハルトはやっぱり私の見方なんだね!!
私、鬼だけどハルトの事は好印象だよ!!!
他の人間よりも私や魔王とか人外に仲良しと言うかフレンドリー?って言うのかな??
ハルトのように誰とでも仲良くなって誰とでも笑い合える人が増えたらいいのになって私はずっと考えてるんだけど。
今はハルトや魔王たちがこうしていてくれるから気にしないけど・・・・
いつかそんな日が来るといいなぁ~なんてね。」
「そうだな、俺は色々な属性を極めてるつもりだからな。
大抵の特殊属性が来ても受け入れら男だ。
まぁ・・・それもアイツらと関わってから大変バカとか変人野郎と付き合う率が高くなってきていて少しウンザリする日もあるけどさ。
俺もせっちゃんみたいに誰とでも打ち解け合う世界はアリだと思う。
よし・・・あっちも落ち着いたようだし合流するか。」
グリフォンが運ばれて状況が落ち着いたと判断したハルトたちはメルトや魔王たちのいる方に合流すると。
メルトは真っ先にせっちゃんの手を掴んで「でかした」と喜んでおり。
それとは別に魔王には注意を言い聞かせると魔王は少しやりすぎたと落ち込んで両膝を抱えて小さくなっていた。
「おいおい、魔王も日々のストレスとか抑えきれないムラムラがあって発散しただけなんだ。
そういう時は次は頑張れ~的な一言でいいんじゃないか??
お前だってかなりの確率でドジするだろ??
それに今回のグリフォンもお前が招いたことであって魔王たちがお前を救ったんだし文句のつけようがないだろ?」
「は、はりゅとぉ~~~はりゅとは私をそこまで見てくれていたのだなぁ!!!
だが、ムラムラなどはしてはいないぞ??全くもってな!!」
「どうにかこうにか一件落着ですね!!
ではグリフォンも運ばれたので残りの調査をササッと済ませて街へ戻りましょう。」
「それがいい、先程の戦いで負傷した連中の処置も街に戻らないとできないしこの先何も起こらなかったら良いんだけど・・・・」
せっちゃんのフラグのような発言にビクビクしながら歩いて行くと・・・反対側を調査する連中がまだかまだかと待ちくたびれており。
無事に辿り着いたとハルトたちは安堵のため息を漏らすと・・・それらを見ていたギルドの受付嬢は待っていた冒険家やハンターたちに合図を出して出発させ。
他のギルド職員に負傷者を救護するように指令を出して報酬の受け渡し用の用紙を1人1人に手渡し。
ハルトたちにはグリフォンの討伐報酬と合わせた額が書かれた紙を受け取りギルドへ戻って行った。
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