293日目 グリフォンとの遭遇



 あれからハルトたち一行は魔獣や害獣とは出会うことなくひたすら進み。

大体地図上からの目印からして半分くらいの地点を進んだと言う事から少し休憩を挟むこととなり。

すぐ近くにあった枯れ木や燃えやすいモノを集め焚火を作った。



「ふぅ~~~結構歩いたけど出てきた害獣は最初のオークマンくらいであとは一向に音沙汰なしか・・・・想像よりも安全で少しホッとしたぜ。

こんな暗い道でいきなり害獣とバッタリ何て最悪にも程があるからな。」

「ですが害獣や魔獣を倒せないと追加報酬が手に入らないので是非とも出会いたいものなのですが・・・・気配も何も感じないところから察するにこの焚火と人の集まりから害獣や魔獣は身を潜めたのでしょうね。

何方が賢明なのかはさておき・・・・このままでは何も出会う事なく終わってしまいそうですね。」

「そんなのダメよ!!!ダメダメ!!!絶対にダメ!!!!

魔獣とか害獣がバンバン現れて入れ食い状態にならないと報酬が全然じゃない!!!

これじゃ散歩してお小遣いをもらうような程度よ!!!

だから誰か何か害獣とか魔獣を近くに引き寄せるスキルとかアイテムとか持ってないワケ????」

「いや、あるのはあるんだけど・・・・今回の依頼は調査であって害獣を故意に呼ぶ行為は認められていないんだ。

だから私たちは魔獣や害獣を呼び出す手段があったとしても使わずにしておかないと・・・・?」

「ん?それはどう意味なのだせっちゃん??

何か裏を知っているような口ぶりだが・・・・ん?なんだ??何かの声?いや悲鳴???」

焚火でほっこりしている中、とある方向から叫び声が聞こえ。

ハンターや冒険家たちは声の方向を頼りに探しに向かうと・・・・せっちゃんが言っていた悲惨でとんでもない目に合う例が見えた。



「えっと・・・これはギルド側からの連絡です。

この者は魔獣呼び出しの儀式を行っていたため体に注意の意を込めて処しました。

こうなりたくなければみなさんは何も見なかったと心に刻んで真っすぐ終着点まで向かって欲しい・・・・・あぁ・・・そう言うわけね。

不正をしたらどこからともなく執行者的なのがやって来て処すだけ処して消える訳か。

って、そんなヤツらがいるんだったらソイツらに見回りをさせろよな!!!!」

「ハルトの怒りはごもっともだが・・・これも人件費か何かの削減と考えて間違いはないと思う。

それに私は・・・ハルトたちとこうして夜の散歩ができて嬉しいと思う・・・うん。」

「わ、私だってそうだぞ!!!夜の散歩は風情があってとてもいい!!

秋の星々はとても綺麗で・・・・このランタンの火がなければもっときれいに見えているのだろうが。

ハルトたち人間の目は夜には弱いと聞くからな・・・・少し残念だ。」

「そういう魔王はいいわよねぇ~だって人間の衣服を眼力だけでスケスケにして見通せるんでしょ???

だから魔王はいつもハルトをガン見してるのよね??

あれ?これって言っちゃだめなヤツだったかしら???

まぁんなことはどうだっていいから先が進みだしたし私たちも進みましょうよ。」

メルトのとんでも発言に魔王は不審な視線を送りつけるハルトに必死にそんなことはしていないとあたふたしつつ伝えたがメルトの言葉から安心できないと魔王を先頭を歩かせせっちゃんと共に後方を歩き始めた。



「だからハルト・・・私はそんなメルトの言ってたように魔眼で衣服を透かして見るような行為はしていない。

これは本当だから機嫌を直してくれないか??」

「あぁわかったからもう少し静かに歩いてくれないか??

時間的にも遅いんだ・・・迷惑になって怒鳴られたりして頭を下げるのは嫌だからな。」

「確かに・・・・ん?またしても害獣の気配ですよ!!!

それも少し大きめの害獣です!!!

皆さん害獣がいますよ害獣が現れました!!!」

「ム?私のセンサーには反応が無かったのだが・・・・キルりんは中々の鋭い感知センサーがあるんだな。

にしても・・・大きい害獣・・・害獣・・・・おぉアレか・・・・

空を飛んでいるアレか!!!あれは確かこの辺りに最近現れたとか言うグリフォンとか言う大型の鳥類!!!」

「はぁ!?ちょっとあれ少し大きいって言うレベルじゃないわよ!!!

結構大きいんですけど!?ってか急降下して来てるわ!!!咄嗟の華麗なる緊急回避ィィ!!!!」

メルトはグリフォンの急降下を華麗に避けると・・・・どこから攻撃を仕掛けてくるのかとあちこち見渡している冒険家やハンターたちの方にグリフォンは突っ込んでおり。

その巨体から数名のハンターや冒険家が激しく弾き飛ばされて気絶しており・・・・残った冒険家やハンターたちで目の前で威嚇をしているグリフォンとの戦いが始まった。



「お、おいおい・・・・あんあんおゲームの中でしかお目にかかれない種だぞ。

この世界のグリフォンはどんな行動をするんだ???

以外のことを細かく教えてくれ。」

「そうですねぇ・・・アレは獲物を見つけるとすごくうるさく鳴き叫びます。

で、そのスキに獲物目掛けて上から抑え込んで肉を貪り・・・飽きたら空を飛んで消えると言うかなりハラペコデンジャー系な害獣らしいです。

あとは・・・・人をオモチャにするだけして帰って行くものもいるとか。」

「とんだ迷惑害獣だな・・・これは私が直接相手をしなければならないようだ。

さぁどっからでもかかって来るがいいぞ!!!私は逃げも隠れもしない!!!」

「こ、ここは俺たちには無理だ・・・・今回はあの痴女のような衣服を着こんだ姉ちゃんに任せよう。」

「あぁ・・・それがいい・・・・あの女に関わったら大変な目に合ったとか言う連中が多いからな。

どうなったかまでは聞いていないが・・・・とんでもない喪失したような顔をしていた。」

「魔王、あんたすごいこと言われてるけど一体裏で何をしたのよ?

私たちの評判まで下がっちゃうから勝手なことは止めてよね。

やるんだったらせいぜい証拠を残さないようにやってよ。」

メルトがぐだぐだと語っていると・・・・グリフォンは煩く叫びながら急降下して魔王ではなくメルトの方に飛び掛かると。

メルトは想定外の事にあわわとして何もできずにグリフォンに乗っかられていた。

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