288日目 倒すべき相手!


 メルトはキルりんの口から出た言葉が気になりすぎており、魔王とハルトにウソ偽りなく答えるように尋ねるが相手にされず。

もういいと言ってジャージーからシュゴビーを買ってグビグビと飲み干しているとそのキルりんと男の腕相撲が始まった。



「さぁ・・・どっからでも力を込めて曲げていいのですよ??

どうしましたか??怖くて力が入らないのですか?それとも私を倒せない程に力がないマヌケな男だったので???本当に笑かしてくれますね。」

「ぐぐぐ・・・・腕が折れても泣くんじゃねぇぞクソチビまな板のガキが!!!!

―――――――がッ!?なッ・・・・どうして俺・・・・宙に!?」

「しょ、勝者・・・・キルりん選手!!!」

「また・・・・大男が片手で投げ飛ばされていったぞ・・・・

あんな力がどこに秘められてるんだ??本当に謎だと思わないか??」

「あぁ・・・あんな華奢で年端も行かない子供が成人した男を投げ飛ばすとは。

本当にこの戦い・・・予想ができない戦いになって来たな。」

「ったく・・・本当につまらない戦いじゃない。

どうせキルりんが男共を蹂躙して勝利するって言う流れが出来上がってるのならワザワザやられに来るとかバカなの??アホなの??本当に下らないわよ。」

「おいメルト・・・それは言い過ぎだ。

酒で酔っているとはいえコレはスポーツという正々堂々とした互いをたたえ合うないと言う事を忘れては駄目だ。

相手にも敬意を示さなければ私たちも無法者と同じだ。

それにキルりんからは無闇に挑発するような言葉は言っていないのがその証拠・・・・」

「いや、そうでもなさそうだぞ??

今度の相手はそこそこあるものがある教会のプリーストだ。

きっと・・・リードと仲のいい1人だろう・・・可愛そうに・・・」

「ハッハッハ・・・・本当にそのけしからん体でよく神聖な腕相撲大会に参加できましたね!!!

そのデカイもので男達を誘惑して倒してるのですかねぇ??ねぇ教えてくださいよ!!!さもなくばブッコロ!!!」

「ひぇえぇぇぇえぇぇ!!?!?リードさん!!!私棄権してもいいですか!?

この目の前のキルりんさんに腕をへし折られそうなんですけど!!!」

「あぁ~~ん~~逃げる事よりも負けて得られることの方が大きいと私は思うな。

だから・・・腕、やられて来な。」

「――――――――――ファイッ!!!」

相手がプリーストであったとしてもキルりんは容赦なく渾身の力でプリーストをぐりんと半回転させて屠ると。

倒れたプリーストは涙ながらに腕を抑えて出口へ向かって行くと・・・キルりんはそのプリーストを追いかけて少しやり過ぎたと反省した風に謝ると。

次の試合が始まると言う事ですぐに分かれて向かいそのまま腕相撲の戦いを何回か繰り広げ。

キルりんとリードは身内の中では予想通りという結果で決勝まで残り。

とうとう最後の戦いへと流れて行った。



「では、ここで決勝のルールをお伝えいたします。

今回の戦いは3戦でどちらが先に2勝できるかで勝敗を決めます。

そのほかの細かなルールは先ほどまで繰り広げた内容と同じですのでお2人ともフルに力を出し合って会場を盛り上げてください。

では・・・セットをよろしくお願いします。」

「ふふふ・・・とうとうこの時がやってきましたねリードぉ!!!

私のにっくき乳を持つ女!!!

今ここでその乳をひっぺ替えして世界にいる同胞の為の供物としてやりますよ!!!」

「ははッ・・・本当によく咆えるわね。

アサシンスクールじゃキルりんは私を軽く超えるエリートだったかもしれない。

けれどそれはその中での話・・・今ここではどっちが有利かしらね??

――――――――おっとっと・・・胸が重いわぁ~~~」

「ゴクリ・・・・リードのアレはすごく大きいことは知ってはいるが・・・・

プリーストの衣装だと本当に・・・けしからんな。」

「ハルトってばどこ見てんのよ変態!!!女の敵!!!女たらし!!!

クソムシ!!!バカッ!!!マヌケ!!!ひえッ!?

――――――――ご、ごめんなさい~~~言い過ぎたからグリグリはやめぇて~~」

「・・・・・・だが、この戦いは互いの全力がぶつかり合う本気のステージだ。

どっちが勝ってもおかしくないこの試合・・・すごく熱くなってきたじゃないか!!」

魔王は握りこぶしを作って燃えている中、キルりんとリードは互いの手を握り合い今か今かと試合開始の合図を待っているとすぐにその時がやって来た。



「―――――――第1ゲームファイトッ!!!!」

「おりゃぁあぁぁッ!!!!リード何てマッハで秒殺してやりますよ!!!!」

「それは簡単じゃないと思うけれど??

何せ私はあのアサシンスクールを卒業してから生きる為にこの腕を磨きに磨いて来たんだからね!!!

さぁ今こそあの時に味わった苦い思い出をキルりんに発散して今回こそは私が勝つわよ!!!!グギギギギギ・・・・・」

「おぉぉ!!!始まったぞ!!!2人の熱い戦いが!!!

ハルトはどっちが勝つと思う??」

「そうだな・・・体格差でならリードがとある部位では圧勝・・・

だが今回は腕と腕のガチンコバトルだろ?つまりキルりんも俺たちと日々依頼をこなしている分だけ腕の強化はされているだろうし・・・・

これはどっちが勝つのかわからないな。」

「はぁ~やっとグリグリから解放された・・・・本当に頭を割る気かしら??

そんなどっちが勝つかなんて言うよりも私たちが応援しなくちゃいけないのはキルりん一択でしょーが!!!

そう言うわけだからハルトたちもキルりんをの応援をしなさいな!!!

やっちゃえキルりん!!!リードを倒して優勝するのよ!!!」

ここまで熱く応援するメルトに自分たちの行為が馬鹿らしく感じたハルトたちはメルトに倣ってキルりんの応援をしようと叫ぼうとした時。

メルトの手に握られた紙切れを見逃さなかったハルトはメルトの手を掴みその紙きれを広げると・・・・・



「おい、メルト・・・これはどういう事だ??

お前・・・キルりんに50万ゴールドもかけてんじゃねぇかよ!?

何がどっちを応援だバカやろうが!!!お前はキルりんに勝ってもらわないと無一文になるのが嫌で応援してるだけだろうが!!!」

「ち、違うわよ!!こ・・・コレはその・・・違うのよ!!!

私は別に賭け事をして儲けようと言う気なんて・・・・」

「だとしてもこれは動かぬ証拠だと思うぞ?

いや、今はそんなことを言っている場合じゃない!!!

今はキルりんに応援をしてやることが私たちにしてやれる最大の行為だろう!!

キルりん!!!頑張るんだ!!!あと少しでタッチできるぞ!!!」

魔王や他の連中の熱い応援の中・・・キルりんは第1ゲームを勝利で飾った。

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