282日目 ハルトの負傷
崩れ落ちだした太陽の残骸がハルトを押しつぶしてから魔王は力を解放し。
空から降り落ちてくる星色スミレをメルトとキルりんに任せると魔王はハルトを潰した残骸を力を込めて押し上げ・・・・その下に潰れていたハルトを見つけ名前を叫んだ。
「ハルトォぉォ・・・・・ぐッ・・・この残骸を支えるのに少しパワーが足りない・・・・だからハルト!!!この手を・・・私の手を掴んでくれ!!!頼む!!!」
「うぐ・・・・・・・届け・・・・」
「ちょい待って!?まだ空からデカい残骸が落ちてくるわよ!!!!
こうなったら・・・キルりんに星色スミレの回収を任せるから絶対に傷つけずに回収してよ!!!
この残骸は私の魔法でバラバラにしてやるんだから!!!
――――――――――いっけぇぇぇ!!!バーストファイヤ!!!!」
「メルトこそくれぐれも星色スミレに傷を付けないように魔法をブッパしてくださいよ!!!
それとこっちのハルト救出作戦は何とか無事に行けたようです!!!
―――――――大丈夫ですかハルト??体中の骨がボキボキになっていますね・・・・普通なら即死の領域ですが・・・さすがですよ。
あの黒くテカテカした生物の生存力の断片を見たような気がします。」
キルりんは魔王に助け出されたハルトに語りながら上空から降り落ちてくる星色スミレの位置に移動してそっとキャッチすると魔法をブッパしているメルトに合図を出し各自一斉に振り落ちてくる残骸を回避しつつ来た道を戻って行った。
「ハァハァハァハァ・・・・で、星色スミレは無事なんでしょうね??
これだけ派手にやって星色スミレは回収で来てなかったとか笑えないわよ?
ほら早くそれを見せなさいよ。」
「わかってますよ・・・・はい、これが例の星色スミレです。
とんでもなく美しいですね・・・・こんなにも綺麗な花は見たことがありません。」
「どれどれ・・・・ほう・・・コレはまさしく宇宙からやって来たというにふさわしい未知と神秘の詰まった植物だな。
ハルトも見てみるといい・・・どうだこの美しさ・・・・」
「いや、そんな・・・・そんな事よりも少し休憩させてくれ・・・・全身が軋んで痛い・・・」
ハルトは依然として体中の骨が砕けた状態からか目の前にある星色スミレの感想を言う事なく休憩しようとだけ語り。
魔王たちは害獣や盗賊の現れてもすぐに対処ができる場所を探し・・・・
見晴らしのいい河原で休憩を取ることにした。
「この瓶に星色スミレを保存しておきますね。
にしても・・・これがこの星のモノではないとは・・・・
もしかして魔獣か何かが生み出した植物なのでしょうか??」
「いや、そう言うのではなくてだな・・・ただこの世界を全て探したわけではないのだろうが・・・この星色スミレはどれもが天から落ちてきたと言われている。
地面に根を下ろして育ったわけでもなくただ唐突に空から降って来たとな。
だからこそ盗賊たちも探しようがなく私たちの後を追っていたのだろうが・・・・・あのような仕掛けがされていては私たちを始末できたとしても回収は不可能だったろう。
さぁ、ハルト・・・水を持ってきたのだが水は飲めるか??」
「あぁ・・・少しでいい・・・ンゴンゴンゴ・・・くそ・・・全身の痛みが引かねぇ・・・あんなデカブツに潰されりゃ普通はお陀仏だろうがこんなにも体中が痛くなるのならお陀仏でもいいかと思うな・・・・」
ハルトのフザケタ言葉に魔王たちよりもメルトが先に反応し・・・ハルトのエリを掴んでグイっと自身の顔に近づけていた。
「そんなふにゅけたことをもういっぺん言ってみなさい!!
次にそんな下らないこと言ったら私がマジで
それが嫌だったら1秒でも早く歩けるように努力なさいよ・・・・そうじゃないと時間がいくらあっても足りないし今日のシュゴビーが呑めないでしょうが!!!」
「ったく・・・・久々にメルトのカッコイイシーン回だとおもったらやっぱお前はお前か・・・・シュゴビー好きのトードマスターのメルトだな。
へいへい・・・下らねぇ事はいわねぇからもうすこしだけ寝かせといてくれないか??」
「そう言う事らしいから私たちは離れていよう。
だが・・・何かあれば叫ぶなりするんだぞ??
すぐに駆け付けるから・・・・あと・・・ハルトがこうして生きていてくれて私は嬉しいぞ。」
「私もまぁ・・・ハルトがいてくれた方がこのPTがまとまりますし??
――――――――生きててくれてよかったです。
ですから少しでも早く回復してくださいよ!!!それでは。」
1人になりたいと言うハルトの側から離れた魔王たちは・・・近くの川を見つめながらキルりんの持っている星色スミレを見ていた。
「にしてもこれは本当に綺麗な花ですね。
価値が高いと言われるのも頷けます。
ですがこの花が欲しいと誰が依頼をしてきたのでしょう??」
「今回の依頼主は例の件で世話になった研究所のメディエルだ。
きっと彼女の言葉を代弁するのなら外に出て探す時間を使うくらいなら報酬をかけて血眼に探させた方が効率がいいと言うのだろうな。
このやり方は魔王にも近い報酬を目をくらませる作戦と見ているが現に私たちは時間をそこまで浪費せずに見つけているところから考えるに私たちのPTは本当に優秀だと私は自負しているぞ!!!」
と、魔王たちは自慢げに話していると・・・近くの茂みから物音が聞こえ。
気が付くと辺りには先ほどボコボコにした盗賊の姿があった。
「ゼェゼェ・・・・やっと目的のブツを手に入れてきやがったか・・・コレで完全に俺たちの勝ちだぜ!!!
とっととそのブツをこっちに寄越しやがれ!!!さもなければ・・・おい!!!」
「おい、とっとと歩きやがれ・・・・この!!!なんでお前はこんなに体がボキボキななんだ?もしかしてイジメか??」
「うっさい・・・俺たちにも色々と事情つーもんがあるんだよ。
それとイジメは間違ってはいないぞ。」
「いいから来い!!!死にぞこないめッ!!!おらッ!!!」
盗賊の一員である男がハルトの頭を殴りつけた瞬間、魔王は辺りにいたメルトたちにもわかる程の殺意を剥き出しにして殴りつけた男を睨みつけ。
徐に大剣を取り出して構えていた――――――――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます