281日目 偽装空間


 あれから4人は黙々と星色スミレを探して花畑を探索していると。

魔王たちもハルトと同様に不自然な箇所がある事を感じとり、メルトやハルトたちを呼び出し・・・・この花畑に妙な感じがしないかと問うた。



「この花畑を探索してから数十分・・・一向に星色スミレは見当たらなければこの広大な面性の花畑はどう考えても異常だと思う。

何せ私たちの登ってきた坂道の上にこんな広い敷地があれば普通は気付くと思うことと・・・を感じない。」

「それはどういう・・・ん?あぁ・・・・そう言う事ですか・・・・

――――――――――アレがおかしいと言う事ですか??」

「ん?アレ?アレって何よ!!!2人だけわかってもは分からないのよ!!

だからアレって何を指してるモノなのかきちんと話してよ!!!」

「勝手に俺をお前側のわからない組に捻じ込むな!!!

俺はどちらかって言うと魔王たちよりのアレを理解してる組だ。

ってか・・・お前・・・魔術師やら魔導士って名乗る割にはこういうトリックは全然だよな・・・・ぎゃぁああぁぁぁああぁぁぁあぁッ!?!?」

ハルトはメルトを小馬鹿にするように笑って呟き、その笑い方にブチっと頭にきたメルトはハルトに電撃魔法を浴びせながら魔王たちにどういう意味なのか何を指しているしているのか答えを聞いた。



「で、何がアレで何がどう変なワケよ??

――――――――全然わかんないんだけど!?」

「うぐ・・・・上だ・・・・上を見てみろよ。

俺たちがここに来たのは昼前のはずだ・・・それなのにどうしてが傾いてないのかってところだ。

これだけ言ったら大体わかるだろ・・・・この花畑は偽物か何かだと言う事だ。」

「偽物かどうか判断が少し難しいがあの太陽からしてこの空間は私たちが坂道を登って入ったところから区切られているといった所か。

だが・・・それにしてもこの空間を作った意味とは何なのだろう。」

「それは分かりませんがこの空間の謎を解けば全てがわかる気がしますので進めるところまで進んで何があるのか確認してみましょう。」

位置の変わらない太陽と謎の空間を調査するためにハルトたちは星色スミレを探しつつ広大な空間を調査し始め。

メルトが何かを見つけたのか駆け出した瞬間――――――――



「べぎゃッ!?何よ・・・もう・・・これ何??壁??

見えない壁のようなモノがあるんだけど・・・コレって・・・・」

「私の想像から言うと、空間は無限の広さを持っていないと言う事だな。

だからメルトが盛大にぶつけたのがきっと終点の壁と言う事だ。

だが、終点があったのは分かったが・・・・問題はどうしてこのような仕掛けを作ったのかだが・・・・」

「それはきっと先ほど盗賊のように荒らされないようにするためにしたのではないでしょうか?

あの手のモノ達ならこの花畑を火の海に変えてでも探し出しそうですしね。

ですがこれからどうします??メルトはこの空間を壊したりできないのですか???」

「ん~魔法の種類がわからないからコレがただの結界なのか幻術なのか・・・

何とも言えない状況で魔法を使って解除はできないわ。

昔、手当たり次第に解呪の魔法を使ったら呪いの魔法生物がランプから現れてすごい死闘をした覚えがあるわ。

あんなことはもうごめんよ・・・・だから今回は少し慎重にやらせてもらうわ。」

と、メルトは真剣な表情で自分に被害が被るのを避けるために魔法は状況を把握しない限りは使わないと断言し。

太陽をジッと見つめてから魔王に1つ質問をした。



「ねぇ、魔王・・・あの太陽は光ってるのは光ってるようだけれど・・・熱くないとは思わない??」

「そう言われてみればそうだな・・・・なんだかが降り注いでいるといったような感じだな。

この状況ならどこまでが作り物でどこまでが本物なのかわからないが行動しないとにっちもさっちもいかないのは分かり切った事。

だとすれば私のとる行動は一つだけだ・・・・ハルトたちは離れてい・・・

いや、私が何をするかを言う前に全員隠れることはないんじゃないのか!?」

「いや、お前は絶対にとんでもないことをしでかすに決まってる!!

だから俺たちはその被害を少しでも少なく避けるために茂みに隠れてんだ。」

「それよりも早く何かアクションするのであればしてくださいよ。

―――――――――時間が勿体ないですよ??」

魔王の動きに合わせてハルトたちは茂みに隠れており、その行動に納得ができないまま魔王は手を太陽に向け・・・・強烈な魔法の一撃を放ち



「んな!?太陽が・・・落ちてくる!?

撤退!!!撤退だ!!!魔王も何をボッーっと突っ立ってんだ!!!

早く逃げねぇと潰れちまうぞ!!!」

「いや、それはそうなのだが・・・・太陽が落ちると同時にその中から花のようなモノが落ちてきているように見えてだな・・・・」

「はぁ!?そんなワケ・・・・・んん~~~え・・・アレって・・・マズいじゃない・・・落ちて来てる花って私たちの探してる星色スミレじゃない!?

どうして偽物の太陽の中から落ちて来てるのか知らないけどあのままじゃ私たちの給料が~~~どうすればいいのよぉぉ~~~」

「こういう時は落ち着いて対処するのが・・・のうわッ!?

太陽の残骸をうまく回避しつつアレを回収し全力でここから逃げる・・・それが一番の作戦ではないでしょうか??」

キルりんの提案をうだうだと協議する時間はなく、ハルトたちはその内容で行こうと団結して行動に入り。

振り落ちる太陽の残骸を回避しつつ少しずつ位置のズレる星色スミレの落下ポイント予想して移動していると・・・・



「よし、このままいけば何とか星色スミレを回収でき・・・・・えっと・・・これってマズくないか??」

「ハルトォ!!!!避けるんだ!!!!」

「あ・・・・ハルトがぺっしゃんこになっちゃたわよ!?

どうしよう!?私たちの分け前が増えたけどハルトが!!!ハルトが潰れちゃったわよ!!!」

「メルトは少しくらいハルトの事を心配してもいいと思いますよ?

ですが・・・この残骸は中々に重い・・・・

くぅ・・・かくなる上は魔王のバカ力に賭けるしかありません!!!

魔王、ハルトを潰した残骸を全力で排除してハルトを助けましょう!!」

周りにズシンズシンと破片が降り落ちる中、キルりんの言った言葉に対して笑みをこぼす魔王は久々だと言って使わずにいた力を少し解放して見せた。

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