280日目 広大な花畑の探索


 3人は動かなくなったハルトを確認してから盗賊たちに視線を向けると。

盗賊の1人は魔法を使い暴れ狂い発狂していたメルトを見て・・・何かを思い出したかのようにリーダーの男にコソコソと告げた。



「なッ!?なにぃぃぃ!?!?まさか・・・そんなまさか・・・・アイツがあの生ける伝説の魔女なのか!?

数々の街をさせ・・・無礼を働けばそのモノを灰燼と化し。

世界のあらゆる場所で出禁を喰らった禁呪のトードマスターメルトかぁぁ!?」

「お頭、声がデカイ!!!そんなのがもしも聞かれていたら・・・・ひッ!?

あはは・・・・さっきのは冗談なんですよ??

―――――――ぴぎゃぁああぁぁぁあぁぁ!?!?」

「くそ1人魔女にやられたぞ!!!

あの魔女には敵わなくても・・・そこにいる以外とデカイ剣を持ったボインの姉ちゃんとクソガキを先に始末するんだ!!!」

「そ、そうだな!!!そこのネェちゃん覚悟しやがれぇェえぇぇぇ!!!グヘヘ。」

「お前ずりぃぞ!!!ボインの姉ちゃんは俺のもんだ!!!!ヒャッホー!!!」

「盗賊風情のザコが私の体に触れようとはな・・・本当に・・・不快極まりないぞ。

ハルトが言っていた・・・人間を殺せばある意味終わりだと。

だから運が良かったな・・・・フリーな私であればお前たちなんぞ口を開く前に跡形も残ってなかっただろう。

だが安心するといい・・・まだ私はハルトとの旅は終わらせたないからな。

だからお前たちの体を複雑骨折するくらいするで許してやろう!!!はぁッ!!!!」

「な、仲間がオモチャみたいに吹っ飛ばされた!?

お・・・おい大丈夫か!?息はあるが・・・骨が折れてる・・・・

クソッ・・・こうなったらガキを始末しろ!!!!そのガキにはどこも凶悪的要素がなければそのこムッチリサキュバスのように凹凸もないから気兼ねなくぶっ飛ばせ!!!」

「ハ、ハハハハハハ・・・・本当に今日は愉快極まりないですね。

メルト、魔王・・・2人は手を出さないでください。

ここは私のストレス解消としてガチでフルボッコにしてあげますよ・・・・

と、いうわけで・・・・歯を食いしばりやがれですッ!!!!」

キルりんは最後の言葉に完全にキレ。

盗賊の連中全員を相手に身軽さと鍛錬を重ねて身に付けた体術で宣言通りにフルボッコにしてていた。



「ふぅ~~~スッキリしました!!!さぁ星色スミレを探しに奥地へ向かいましょうか!!!」

「ぐ・・・ぐぞぉぉ・・・・あんなガキにやられるとは・・・・ガクッ・・・・」

「コイツらもある意味被害者だよな・・・・ストレス発散の道具になってよ・・・

だが、口は禍の元って言うし自業自得か。」

「そうだぞ!!!だからハルトも我々を語る時はもっと神聖な神を扱うように語るがいい!!!私はそれくらいされてもいいとも思っている!!」

「何を言ってんの??魔王なんて邪悪に染まり切ってる邪な神でしょうが!!!

そんな神に綺麗とか神聖だとかへったくれもないわよ!!!

ただ殺して奪うだけの邪神でしょうが!!!

それよりも私はもっと崇拝して金品とお酒を寄越しなさいよ。

口からでるものよりも私は現物でいただく方がいいわ!!!

って、ちょっと聞いてるの!?ハルトってば!!」

ハルトは耳を塞ぎながら魔王たちの言葉を聞かないようにして奥地へと歩みを進めると・・・そこからはさらに険しい山道となっており。

ハルトたちは息を切らして坂を登っていき茂みを超えると――――――――



「これって・・・・すごい花畑だな・・・・・こんな場所がこんな所にあったなんてな。

――――――――にしてもすごい量の花だな。」

「ですがこれらはどれも星色スミレではないですよ。

星色スミレは花びら1枚1枚が宇宙を写したかのように美しいと言われ。

その花粉は万病に効くと言われています。

ですからこの辺にある花とはまた別と言う事です。」

「けどそんなこと言われてもこの辺でそんな花は見当たらないわよ??

それともガセ情報でここまで来たとか言わないわよね??」

「それは探してみてみるまでは何とも言えないだろうな。

何せまだ到着してから探していないのだからな。

それにこの花畑は意外と広いし手分けして探そう。

何かあれば大声で叫ぶなりしてもらえば私が駆け付けよう。」

話が決まり、ハルトたちは別々に分かれて星色スミレを探すことになり。

さらに星色スミレを見つけたモノは報酬の半分を得られるという条件を付けたことによってメルトの目が今まで以上に輝きを増して探していた。



「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!スミレどこじゃぁぁぁあぁぁぁい!!!

そこか!?もしかしてソコかしら!?ん~~~本当にどこにあるのよ一体!!!!

それに見つけたら報酬の半分とか・・・ぐひゃひゃ・・・絶対に私が見つけてやるんだから!!!」

「報酬額の半分と言う事は・・・・ふむふむ150万ゴールドですか・・・つまりアレやコレが買えますね・・・・新しく出たサプリメントも・・・ゴクリ。

これは私も負けられないと言うところでしょうか・・・・」

「どいつもこいつもすぐに欲に走って・・・・もう少し自分の欲を抑えつつみんなのため依頼の為だと・・・・150万ゴールド・・・ふむ、それだけあればハルトと2人で高級な料理を食べにいき・・・いやいやいや、私は何を考えているのだ。

私は魔王・・・魔王なのだ・・・だからつまり・・・ん~~~ゴクリ・・・

わ、私はそんな自分の欲に負けたりなどしにゃい!!!!」

「これは早いとこ俺が見つけんとヤバいな・・・・特に魔王はなんか他の2人とは違った危なさを帯びていたな。

無駄遣いされても嫌だし・・・今後の食費の当てにするためにも俺が見つけるか。

にしても・・・やしねぇか???」

ハルトは魔王たちの張り切った動きを見ながら一休みし、丘から一望した風景は4人で探索しつくせるのかわからないくらい広大な花畑だと知り。

ハルトは少しだけこの状況に異常性があるのでは?と、考え始めていた。

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